そらがたかくて
胸がやぶけそうだから
あおぞらをひとつかみ
胸ポケットにあげるね

ほら
いきができるだろ
サイダーは陽射しで
わたしはまなざしに
溶けてからんと音がなる

はずかしいくらいに慾をむきだしにして
蝶々が卵をうみつける
濃い影が床を一周するあいだに
わたしたちは手をつなぐ
 ....
乳房まである、黒い髪の毛をもっている。
それはときどき褒められるけれども、なぜだろう、なんだか嘘をついているような心持になる。
爪のかたちを褒められたり、顔の造形や、筋肉のぐあいを良い風に言わ ....
はだざむい夜は 皮膚をつないで朝をまつ
雨のふる午後は 髪をぬらして屋根に走る
わたしたちは すでに 与えられている

赤く灯る 血のような夕に

ほらみてごらん
一直線に祈りが走る ....
藍をぬぐしろはあさを見 みぶるいし夜は反転しぬるいねむりがふる

薄蒼い窓いちまい向こう側にはじまる新しいきょうに馴染めず
よるにふあんがとかされている
椅子のかげ カーテンのうら 天井のすみ 流し台のした クロークの扉 絨毯の毛のなか
ふあんが少しずつ まんべんなく とかされている
しめった寝息 ざらついた黒 空っぽの皿 ....
たゆたゆと零れおちゆく蒼いとき つめに絡ませ朝をむかえる

すべりおちのたうちまわる欲情を 涙のようにみちびく指さき

肌を知りささやきを知り朝を知り 自分の皮膚の分厚さを知る
冬と春が
「もうさすがにいきますね」

手をつないで別れを告げにきたので
ああそういうことかと合点して
餞別にと毛布を渡した

それがおとといの晩

その夜が明けるころから雨が ....
明け方四時から朝の六時ころにかけて枕に頬をつけ、真昼の十二時ころに目を覚ます。ところがどうかすると、四時から、五時、六時、するすると九時頃まで眠れないことが週にいちど程。そういうとき眠ってはいけな .... わるぐちいったら
そらが濁った

いっちゃいけないこと
なんども口にして
そのたびに空が濁った

わかられなくても、
関係ないよ
自分自身にふたをして

そのたびに空は濁った ....
しおからい肌のおもては なまぬるく うらがえしてもどこか遠くて この季節はシャツの白色がやけに目につく。ころもがえ、おろしたてみたいな青い白や、あせばんだうなじの学生。来る暑さに女の子たちは胸元や腿をあるだけさらけ出すから、肌色が急に増えるのもこの季節。
緑 ....
あまおとに そらにむらがる あまおとに たましいを忘れ たましいを忘れ

はねかえり つらなる円を 欲すれど あるのは怠惰な 水溜まりのみ

ひとことに ふとしたしぐさに まなざしに 弱い ....
世界さいごの日


こどもたちが手をつないでうたっている

あぶらまみれの海に清い輪がかかる

「いってらっしゃい」「さようなら」

ひとびとはオルゴールの粒になる

こども ....
うみにいったら
なつかしいにおいがした

血と肉がまじった
たぶんこれは
おなかのなかでかいだ
におい
とじられたみじかな睫にさす寝息晩春をひきとめている夜

やわらかな毛布と肌の中間にうすくかく汗で季節をしる

曇天も蝶々もみな教えられることなく去り際にゆく
愛してると言っても
形にはならない

ただ愛しい時間は降り積もって
吸い殻のように名残を残す

ちいさな風に
吹き飛んでしまうとしても
モモ、
去るなら
痕跡を置いていかないで

モモ、
居るなら
私のことをかんがえて

モモ、モモ

モモ、
許して
忘れるのがこわい

モモ、
許して
忘れられない ....
踊れないのは だれのせい
腐ったあしと 脳みそと
20の指を もうすこし
じょうずに使ってみなさいよ

踊れないのは だれのせい
迎えにこない ママと彼
そんなのぜんぶ 捨てちゃって ....
どこにでも 君のあとが のこるのに 僕たちの夜は どこにも もうない

蛍光灯にむらがるちょうのりんぷんをあつめて宙をとぼうとしている

青い夜 赤い欲求 白い汗 真っ黒い僕 透明な君
つつじから蜜を吸いとる口元が こぼれるようにあまく光った

胸もとはこぼれる花弁の花水木 火照る頬には蝶々が咲く

風が光れば花たちは咲き笑い きみが笑えば空が高まる

日ごと濃くなる ....
あいするのは
とても体力のいることですから
あいそうと
力まなくても
いいとおもいます

あいして
あいされなかったときに
それでもいいや

おもえる余裕が
自分にないうちは
 ....
いったいどうやって忘れたらいいだろう?
すべてはたしかにここにあったのに
いったいどうやって忘れたらいいだろう?

空白は暴力で
暴力は痛みだ
痛みは実体としてここにあり
ここにあるもの ....
頭を胸のなかにいれて
ただしい頭蓋骨のかたちをおぼえる
そのあいだじゅうあなたはずっと息をひそめていた

かるいからだを持ち上げて
ただしい体温のおもみをおぼえる
そのあいだじゅうあなたは ....
ゆっくりと
すべりおちる
一瞬に永遠をしのばせて

一滴の水分に
ふくまれたはずの生命をおもって

一杯のつめたい水をくれ
ぼくに
一杯の水をくれ
ぼくは疲れてしまったんだ。
きみ、ちょっと来てくれるかい?
ハロー、ハロー、きみにはぼくがみえる?

最後の弾丸できみをころしてしまうまえに、たくさんのキスをしてあげよう。
たとえ君が喜 ....
肌がふれても
体温はあがらない
わたしたちの関係が死んだのだ

しんじられないほどつめたい
死んだ関係とは
ひとの死体ほどつめたく重い
39番目の卵が死んで
40番目は私だった

女子高生の持つビニール袋には人間の頭部が入っている
老婆は呪文を探し続け
くたびれた神父は右手に4枚の生爪を持って
満員の最終列車は保育所に ....
泥になって
まもろう

あなたの
すこやかな睡眠と
思想を
まもろう

ひやりとあたたかく
まもろう

泥になったわたしには
思想もなく
身体もなく
ただそこにあるよう ....
光の輪を頭にひとつずつのせて こどもたちは 昨日をすこしずつ食べている ひとりひとりが 光の輪を頭にのせて

/

肌を投げ売るきせつのこども わたしたちは いつそこを出たのかしら 皮膚を ....
はるな(1859)
タイトル カテゴリ Point 日付
あおぞら携帯写真+ ...210/6/4 1:27
まなざし自由詩310/6/3 22:38
髪のこと[group]散文(批評 ...310/6/3 12:04
ボート自由詩210/6/2 1:34
朝方の眠り[group]短歌110/5/30 17:04
輪郭携帯写真+ ...210/5/27 2:04
少女と少年[group]短歌610/5/26 2:54
ワイン自由詩210/5/26 2:27
朝のこと[group]散文(批評 ...410/5/25 18:46
そら自由詩210/5/23 1:20
抱き合う[group]短歌710/5/23 1:14
薔薇のこと[group]散文(批評 ...210/5/22 14:23
通り雨[group]短歌210/5/22 14:01
さいごの日々自由詩110/5/22 13:37
ママ自由詩310/5/19 14:50
去り際[group]短歌010/5/19 7:31
愛しい携帯写真+ ...110/5/19 1:20
モモ自由詩010/5/17 1:53
踊れないのはだれのせい自由詩210/5/14 15:10
[group]短歌410/5/14 15:02
初夏、慕情[group]短歌710/5/13 1:36
あい自由詩210/5/13 1:01
いったいどうやって忘れたらいいだろう自由詩310/5/13 0:59
霞色自由詩210/5/13 0:58
水分携帯写真+ ...010/5/12 14:59
シュート自由詩010/5/10 0:45
つめたい自由詩210/5/10 0:32
39番目の卵自由詩110/5/10 0:16
自由詩210/5/7 6:57
晩春/初夏自由詩210/5/2 13:58

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