春の空油菜の波蝶踊る
ロシヤからノコギリの歯の黒い波
地下六百階木造視聴覚室付
行き倒れの口手動に軽快な曲
誰と呼ぶ戸の隙間から引き込む自分
人員の和睦の音 血と広がり午後
立ち清くて長いなら ....
たまねぎの黄色いところないしょだよ
固結びこれでいいよねって胡瓜
大根がググと突き抜けてブラジル
気化に耐え盆地に移り住む水滴
旅先のしじまに杖をなくすだろう
洞窟の続きは青く夢でみる
家具から饐えた匂い 窓に海を貼り直す
腕見えて口の位置からカウントダウン
危機はカ ....
今までも全部嘘です風呂上り
春深し貰ったカーディガン捨てる
鳴き声に顔を上げればカタツムリ
うらめしや小龍包の破れ汁
長袖の一縷の解れに砂集まる
葉が止まる空中の奥に世界地図
つちくれ赤らむ妄執待ちきれず耕す
漂白された信者らの手に小さなギヤ
記憶に触れてトキの死・海の名を統べる
曇り空 ....
元カレの イケメンぶりに 後悔す
顔面の レベルで変わる 心拍数
すっぴんを 見せても良いが 萎えるなよ?
気がつけば 小悪魔ブームも 去っていた
安めぐみ 名前の響きが ....
暗いから楽譜燃やして音を出す
戸を擦る皮膚をして階段の裏歩く
異なる星の青空まで抜けるような青空
コラージュ画さす指思いだまるオウム
トンカチ持ちシーソー脅しにいくひ孫
....
9本目の足があったよ恋わずらい
100円のライターの暖100円分
退社時にきりきりねじ巻き背が伸びる
喧騒とすれ違うたび冴え返り
夜勤明け太陽肴に寝酒する
....
光る眼連れ大空にかじかむ岬
軒先は森宿りの場所十字に裂かれて
裏路地に塩乾き谷思い出す
読み聞かせる目録に黒い羊ばかり
田に積もる雪より微かな交響曲
柵嵌め込む洞窟内部の ....
ツチノコを一夜干ししてゴボウかなぁ
吊革も揺れもくしゃみもおんなじ速さ
いもうとがミミズちぎって破顔する
春の陽がまぶたに千個ぶら下がる
プレハブに綿詰める夢眠るため
数億の目が一斉に閉じ中断
傷付くたび水門ひらく血に代わり
村長を慈しみ終える村の過疎
病床から網引きずり出す雪の力
正座して地脈隠している来 ....
真夜中のトマトぷりぷり逃亡す
早春の枝めきめきと広がって
どのような涙も同じ味がする
人恋しすし詰めの街立ち止まる
のぎへんにムを付け私私私 私私私私私
ベニヤ板敷き詰めても敷き詰めても虹
脈絡あり命に別条空に船
囲まれて災禍に値する喝采
庭園中に仏壇ひらく昼下がり
目に見えぬうたになり推し量られる
極度に簡素化されて棒に ....
雪降れと 良い年をして 情けない
埋まらない 君と僕との 歩く距離
千人が 右見ても 自分は前を見る
ブレーキと アクセル間違え 超焦る
家帰る ただいまの声が ....
西部劇の中でひとりの侍だ
笑おうか均しちまった哀しみに
8cmCD飛んだ夏休み
握るのはゴミとティッシュの合いの子の
クリームソーダ皮膚の厚さどれくらい ....
名残惜し もう戻れない あの春に
駆け抜けた 後に残った 卒業式
もうここに 戻れないのか涙する
ここからが 始まりなんだよ 終わりじゃない
第二ボタン 欲しいと言う奴 いない ....
寒い夜
隣を歩く君の手を
握ってポッケに
詰め込めたなら……^^
何でだろう こんな日に限って チョコ食べたい
好きな子が チョコ渡してる 俺じゃない
バレンタイン 明日の昼まで 受け付けます
大晦日 時計の針と 変わる世界
白い息に まぎれて消えた 君の声
雪景色 乾いた空気に 響く音
こする手と 白い吐息と 冬の夜
ふきのとう 今か今かと 春を待つ
杖で次の間に導かれた煙と同席
みずからすいと立ちあがり山へ みずを張りに
岸辺の壁椅子で殴り第三の破片
折れるまで陸も日照りも続きます
コーヒー垂れるグラスにバザーの犇めきある ....
うわっという 車のスピード 上り坂
ウォークマン 自分の世界の 出入り口
暗闇に ぽっかり浮かぶ 丸い月
何だコレ 違う空間 姉の部屋
さようなら 近くで聞こえた 遠い声
火をつける タバコの煙 目にしみた
夏空の 遠くで響く 入道雲
サクラサキ 希望と不安の 初登校
先代よこころに蔦が下りてきた
門番見られていることに気付き互い違いの塀
火を焚く婦人会 屋上に別の一団
苦闘の末つかんだ藁 海がそこまで
林に風ガスコンロの火力と左右
通 ....
薄ぺらな詩ばかり飯がまずくなる
だいじょうぶ毎日うんこ出てるから
「痛風だ」「酒を飲むな」と母の声
{ルビ腐=ふ}の足に手を{ルビ接=つ}ぎ足 ....
真っ赤なポストを死顔みたいに撫でると雪
灰踏み固める笑顔第二波期待して
テーブルを隔てて海と侵し合う
降りるあてのない壁の上歩いている
暁の尖端で虫が震えていた
悲報掻き ....
23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51
【川柳】17音律「5.7.5」を基本とした川柳作品のみ受け付けます。川柳批評は散文のカテゴリへ。
0.37sec.