壊すような音が絶え間なく響いている
そんな夕暮れ時
雨が好きだという彼女の
その視線は常に ....
誰にも教えたくないことこそ
誰かに教えたいのかもしれない
自分では誰にも教えたくないと思っていて ....
ぼくらが
どこから来て
どこへ行くのかというようなことは
とても重要なことだ
....
ピアノの調律を数式化した教室で
黒板に書かれた文字を
僕たちは理解しようとしない
故郷の水 ....
眠れない夜は、本当に、孤独を誘う。
世界に、自分ひとりしかいないのではないか、
あるいは、
世 ....
ここから
遠いところへいくためには
まず気持ちをたちあげなくては
たぶん、それが一歩
一 ....
うちには猫がおる
生まれてこの方鳴いたことあらへん
名前は太宰。
太宰はいつもいつ ....
子等の留守 語る事なく夫と居て
硝子戸たたく雪を見てゐる
入試終え帰りきし子は降る雪 ....
端座し
呼吸を整え
息を数える 一 二 三・・・・
不動の座禅 鳥の声
意識は研 ....
はなの
ゆびきりまで
ひとさじ
みつのように
あびているあめや
ひかり
よる ....
葉を
何枚、犠牲にしたなら
満たされるのでしょうか。
いいえ、
認められるの ....
大地が 少し 揺れた
ここはパリなので
それは夢だと分かった
モノクロのカーテンの幕が ....
会議、肉多めを注文した
肉は思ったよりもかなり多めで
どんぶりを完全に覆い尽くしており
中 ....
お風呂場にふった雨
バスタブに溜まった銀の雨
消えかけていたばらの芽が
音もたてずに開く とき ....
生まれ変われなくていい
季節が巡らなくてもいい
夜が明けなくたっていい
ただ、 ....
ここが一番愛情を感じられる一番好きな場所だから
足元が崩れた
いく先は闇か海原か
突然の別れ
まだ実感がわかない
いつも忙しい ....
あまい あまい ユメをみて
にがい にがい 思いをした
それでも 何度も あまい ユメを ....
闇は町を飲み下していく
水性の夜空と
夜行性の水が交わる
境目を覗き見るように
島の火から水 ....
『目覚めなければ良かった』
なんて
ありきたりな言葉を吐かないで
眠りに落ちる瞬間が分 ....
6月の雨だけは、好きになれないと君は言う
灰色の世界
色とりどりの傘が舞う
弾く雨音
....
曲げないように
曲がらないように
曲げられないように
ぐる ぐるぐる
ぐるぐる ....
転ぶのは歩いているから。
痛いのは生きているから。
悩むのは前に進みたいから。
逃げ出し ....
あの時すれ違った道から私達は始まっていたのかもしれない
悲しくて泣いて帰った道でもあり
嬉しくて ....
それは波状的に
ワタシに繰り返し降ってきて
そのたびにワタシは
戸惑い 恐れ
そし ....
吐血しながら走ってます
当然のことながら痛いです
生まれ変わってきたあの悪が
皆なんだと励 ....
にちようびのまひる
夜勤から帰ってきた母が
茶碗を洗っている父に
仕事の愚痴をまくしたてている ....
それはそう
・
時計の針が
・
空を見上げたときに
・
現れたんだ
・
時を刻む者さ ....
´
生まれたての
ダッシュされない
耳の美しいカアブ
描いて
´
(何か音)
聞い ....
これは悲しいからでた涙じゃないんだ
怒って煙草に火をつけたら
煙が目に染みたんだ
....
今年の猛暑が終わったら
私の愛を語らせて
ハイネのように
秋を愛するあなたに
りぃ りぃ りぃ と雨が降り
渇いた大地を潤してゆく
六月は
晴れたり曇ったり
そし ....
梅雨の季節に入り
自分の住む街にも雨が降り始めた
テレビの天気予報では
しばらくの間はこのまま ....
面白人生講話(4)
つねずね、生命とは何か人間とは何かをよく考えてみる。しかし、物心つきだ ....
透き通るガラスの惑い指でなぞり
雨をみていた心おちいて
白い足走り去る朝つかのま ....
荒浪に飲み込まれて
傷つき
疲れて
乾いた涙
視界は狭まり
小さな世界
....
いいことなんか ひとつもなかった
この町でも わたしは
今日も
歌をくりかえし く ....
父とケンカしてから
もう 2ヶ月近く 口をきいていない
2ヶ月前は母に
「今年の"父の日"と"父の ....
洗濯機がぐるぐる渦を巻く
三角定規とおにぎりと三角ポールが遊んでいる
ぐるぐる
ぐるぐ ....
半ば くらい世界を 見たよ... と
おもい あがった 少年
トマは 12歳 ....
真実が、
私を知っていれば、
それで良い。
しとしととヒエイ霞てつゆの雨
青田には頼もしげなるつゆの雨
梅雨の雨降りくる中を歩み ....
くちなし
花の粉
白の香り
さよなら
六月の太い風
さよなら
....
シオリちゃんは わたしを見つけるといつも
はじめまして、と言う
わたしも はじめまして、と言 ....
ガラスのそとは{ルビ嵐=あらし}
あらしのなかの{ルビ緑=みどり}
義理の父母が使っていたと ....
飛んでいる、みたいに
自転車を漕ぐ
坂道を下って
手を広げて
風の翼が
背中に生える
....
懐かしい音楽
懐かしい想出
懐かしい時間
懐かしい会話
パイプオルガンの音
チョコレー ....
ねぼすけのあなたのために初夏の朝カフェイン渡す悪女になりて
巣立ちけり鳩の雛は巣立ちけり今朝妻が知りわれに知らする
路をゆく白き制服の少女一人なれも巣立て ....
あたたかい雨を
窓から眺めてて
ああ
私は孤独なんだ、と
唐突に気付く
もう
お ....
室生犀星の『我が愛する詩人の伝記』を読む。
その中で、立原道造のことを次のように書いている。
「 ....
まるで子供のように
花火が見たいなんて言うから
僕は少し呆れ顔で 君の頬つねって
君は少し ....
現代詩手帖の詩人住所録に
俺の名前が載っていない
なぜか?
指先だけで、そっと
窓を開いてみる
隔てていた向こう側には
空の海があり
紙飛行機を飛 ....
会社をやめて独立したという古い友人と
ひさしぶりに私のアパートの部屋で飲んだ
これが意外に儲かる ....
君の大好きな置手紙
中には宝石と綴られた文字と
紛い物の輝き
俺の宝石に嫉妬してい ....
産まれ落ちて流した涙
その一筋に意味があるなら
どうかそれを悲しみの色に 染め ....
執拗に繰り返される数式の羅列は
消去されなかった断片の無意味な証明
刻々と崩壊してゆく領 ....
万華鏡の街にヒビが入って
あっけなく砕け散るのは僕の視界だ
その後に残るのも ....
身体障害者にも悪どいのはいる
なぜなら、俺たちと同じだからだ
俺たちと同じように
やさし ....
時代の風潮だから仕方なかった
あの頃は社会全体がそうだったんだよ
といって戦争に出かけたり
....
可能な限り開け放された
円い3つの堅牢な
窓枠から誘われて
無力に為る儘
飛ばされ来た庭 ....
舌がある
それで君を舐めようか
冷えた舌先が触れるとき
君の肌で
どんな音がするか
固まっ ....
サイコロをふって
コマをすすめたら
梅雨入りのため
一回休み
と、出た
しかたなく
ぼく ....
闇のなかに光の筋、茫洋と。
夜を裂くみたいにして、それは私の眼下を過ぎる。
一条のひかりの筋 ....
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