つめたい指をしている
と あなたは言って
ふたまわりほど大きな掌で
包みこんでくれた
....
鉄橋の側で三十分間立っていた。
三十分前は十二時だった。三十年前も。
三十年前はなかった鉄骨がピ ....
何も持っていない両手を床に置く。
手のひらを上に向けて両手を床に。
かがみこんで、両手を床に。目 ....
生きてる意味なんてあるの
全てがあの日の雪みたいに
真っ白になって隠れればいい
全てが ....
天よりの白き蝶々が舞い降りて街に野山に泊まるひと時
手のひらに落ちる雪の子刹那なる花開かせて命 ....
初めから独りだったら感じない寂しいだとか恋しいだとか
恋なんて爪を切るのと同じなの残しすぎても ....
天の川輝く
零下10度の
砂漠の夜
いつものキャラバンで
友達のラクダと一緒に寝る
名 ....
貴女を想うことに
卑屈さのかけらもない
そう信じられるのが現在(いま)だけでも
たとえ
....
女子高生グッズに
なりたかった
犬と
ならんで
舌をだしている
目も眩む原色に潰されたい。
柔らかな間色に包まれたい。
だけど私は真っ黒で、どんな色とも混じ ....
定食屋で
食後のお茶を飲んでいる友の後ろに掛かる
絵画の入った{ルビ額縁=がくぶち}に
向かい ....
毛むくじゃらは寂しがりやなので
いつも人の傍にくる
大きくなるにつれ
子どもになった
....
僕は時々 猫になる
君が僕をどこかで見かけて
もし僕が 猫になってたら
そっとしと ....
美しい風景写真を
眺めていた
若草色で
縁とられた何枚もの
それを両手にのせ
黄色 ....
このはれた
けれどもとてもさむいひに
うみにあらわれたはまべで
きみというこどもは
いたずら ....
冬しぐれテイルライトが点滅す
冬なぎやかすかに渡る東風(やませ)かな
おうおうとただ降り止まず冬 ....
四季 春夏秋冬
出会いの春が来て
楽しみの夏が来て
切なさの秋が来て
別れの ....
またあの別れの冬がきた
僕とキミは雪の降りつもっている道を歩いていた
足跡と築きながらど ....
ぼくはヒトリノ人間だ
ぼくは世界を平和にすることはできない
まして世界を地獄におとしいれ ....
表面に
氷が張って
中は
ヌルヌルしています
なんかいつも
そんな感じ
明日になれば 何かが変わると
「明日」を待ってみたけれど
「昨日」から逃げ出せず
こんな ....
何かをめざして
のそりのそりと
地面をはいつくばり
首を寝違えでもしたのか
大空を見上げるそ ....
「終わりなき日常」という言葉。ぼくが東京で学生をしていた
10年ほど前によく聞いた言葉。
ゆうべ ....
あやにメールをおくることにした。
『あや。優輝だよ。あのさ、今日のことはホントにごめんなさい。 ....
息絶えてセキセイインコは止まり木を滑り落ちたりかそけき音で
遊ぶことお喋りすること謡うこと好き ....
身のこなしがいいひとが好きだって
いつか言ってたね
わたしいまやっと
その気持ちがわかるよ
....
僕は僕として
今朝も時計のネジを巻く
君は君として
今日も自転車のペダルを踏む
今日 ....
………あっ!
部屋の明かりを付けないでよママ。
夕日が逃げてしまうからね。
....
寂しいのでしょう
暗い部屋の中であなたの帰りを待って
将来もこうなっていくのかと
部屋の隅にい ....
「ことば」は
「言刃」ではないから
「刃」で人は救われない
凍てつく孤独は
癒せない
....
風景を切り取る小さな窓
覗いた世界は理想と違っていた
青い空を映し出す代わりに
灰色のビル ....
夕陽のなか ....
やりたい事がある
でも考えてるうちに面倒くさくなって
結局何もやらない
やらなければい ....
一、
あなたは私の言うなりに
深い沖へと オールを
漕ぎ出だす
大風に巻き込まれる一艘の ....
猫 が
しゃなり、しゃなり、ゆら〜ん
微妙にコケそうな
ブロック塀に ぶら〜ん
こ、こっ ....
そのバスには誰も乗っていなかった
不思議に思いながらも僕はそれに乗り込み、窓側座席に腰掛ける
ド ....
紙一葉の重みは
風に飛ばされるほどだけど
そこに詩が綴られたとき
人の生に響くほどの
力をも ....
トレチヤコフの旧館 とある部屋
恐ろしい人間の顔が
剥製のように並んでいる
息の詰まるような叫 ....
掴まえた手をすり抜けて残るのは切なさ募る涙の滴
咲いたかな 口癖の君待っててよ春が開けば教えて ....
雨が降ると配色が悪くなる
そこから世界はぐずり始める
平行四辺形が歪んだ正方形だとするならば
俺はそ ....
白百合の季節ではないから
梅の枝を切ってきた
山の梅だから
きっと白い花が咲くだろう
ほ ....
ときどき、
行方不明になりたくなる。
そうゆうときは
「あーーー行方くらましたい」
て、 ....
きっとめをつむっているうちに
文字はしずかに
みみのよこを抜けて
みずうみのように
空の ....
腹を
こすりそうな
低空飛行
愚か でした
馬鹿 でした
杞憂 でした
....
ここからの出発
間違えたかもしれないけど
もう後戻りはしたくない
凍える夜がぼくの気持 ....
死にたくなる理由を
全部集めて
バケツに突っ込んだら
そいつをぶら下げて
ブンブン振り回しな ....
ハローCQ 誰かいる?
僕だけを残して世界は滅亡します
片隅に隠れていましょう
おせ ....
ss---s---s--s----s-s-s-s-----s--s--ss-ss
ひりひりと横 ....
欲しがるように風が吹くのを
あなたはとても嫌がりました
ありふれた人に、姿勢は鋼鉄で空は近くて
....
梅雨の雨は
日が沈む頃になって
もう堪忍袋の紐が切れたと云わんばかりに降りだすが
秋の雨は
....
逝くことの できない きみに なつかれて ねこの ごとくにやさしく なれり
アイだとか ....
車がバックしていく
(バックしていく)
横を向いている
(きみが横を向いている ....
夏のたかまりのなかで聴いた
あなたの魂の音は
秋のめざめのように
とても澄んでいた
世界のい ....
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