すべてのおすすめ
水冷たく真白に染まる研ぎ汁と米のかたさに生き抜くを知れ
納豆の引いた糸にも闘えば今日も生きているのだと気づく
「あついわよ気をつけなさい」という母の声は無くとも御御御付け持つ
....
いつまでも鳴らないチャイムがあるとして今ぼくたちがいる長い放課後
約束を守れば破ることができないのバイバイ昨日のぼくら
ばらまいたマイナス+ ....
春の夜の
朧な月を仰ぎつつ
草露を踏む
真白い素足
二つめの角を曲がってひだりへと「いちごフェアー」に引き寄せられる
掛け違うボタンのように気を使い春の朝にもさくらはおちる
とうとうとよわのうたたねうとうととその眠たさに「わらわは ....
春風がごうごうぴゅーとやってきた激しいような優しいような
雨降りの急行列車に花びらが季節はゆっくりゆっくり過ぎて
北からの夜行列車はトンネル出すれ違ったよ桜前線
....
油染みだらけの記憶のわら半紙提出期限をとうに過ぎ去り
透明なグラスの底を目にあててきみの星座を見る白昼夢
あの夏にきみが投じた問いかけのこたえをさがす 波のまにまに ....
戒律
日曜の教会の君の白い指若い和尚の無駄なき仕草
口移しそうっとくれたマシュマロは口に出してはいけない祈り
まっすぐな背中や胸を這い回る無意味な戒律汝犯せよ
....
もしぼくに普通の足があったなら低くてもいい山で死にたい
もしぼくが平和な国に生きてたらなぐられたって笑っていられる
もしぼくが平和な国に生きてたらたのしい本を読んで暮らすよ
....
美しい赤ん坊のこぶしには滅びの言葉握られていた
怖い雨、怖い光を浴びまくり僕らは汚い名前をもらう
眩しくて見えない僕らの遺伝子に刻み込まれる悲しい記憶
誓い合う幼い僕たち ....
夕焼けが差し込むような窓を見る 背中に回るのは反則と思う
くちびるが声を発することをやめ ただ感触が伝わるだけの
指を組むようにあなたの腕を脚を 隙間なく組み近くへもっと
....
かたすみでねじれ階段きしむよう影の向こうにりんごがひとつ
ざらざらの砂の床にて白昼夢目覚めて部屋にはりんごがひとつ
マンションの五階の窓から落ちてきた青空に映えるりんごがひとつ
....
無垢ということばをきみはエンジェルの首とたとへる一月も冬
戦場に突如飛来す少女その名前を問わばサイレンが鳴る
ラララララきみが歌えばきみの歌、土足でだれのメロディー奪う?
....
どれくらい寒がりかって?靴下は履いてお風呂に入ってるけど
高校生二年の僕とすれ違う冬の深夜のゆめのさかみち
爪はなぜあるのだろうかマニキュアを薬指だけ塗って出かける
薔薇 ....
世界一の美女と言われたから僕の世界で一位のひとを映した
ねえそんなことってあるの嘘だって言っておねがい鏡よ鏡
無垢な目で林檎を齧るきみならばきっと蛇にも好かれる運命
血の ....
砕くのをやめたフォーチュンクッキーと崩れ始めた空の気配と
花束は伏せられていて未だ眠り止まない六月病の花嫁
泥棒も蛇も来ないと知る今もやさしくひびく夜の口笛
耳鳴りの(雨 ....
{引用=まだまだ探す気ですか?
それより僕と踊りませんか?
井上陽水『夢の中へ』}
「明日も全世界の空にオーロラが架かるでしょう」と ....
魚屋の前に打ち捨てられていた男いっぴき拾って帰る
生ゴミの何を肴にヌイていた浮浪者の裾、幾重にも揺れ
「あの光、鉄に運ばれ折れ曲がる!」(聞くともなしに?)「聴く友無しに!」
行方には何も満たない満たせない欠けた器がただ響くのみ
赦されしこの道のりが生な ....
きみが目を閉じても風は草原を夜空を海を旅してまはる
涸れてゆく泉にきみの瑠璃色の絶唱とわに不滅の予感
雨の駅、雨のバス停、雨の庭。きみが ....
二人して棒を片手に庭を行く今日は兎のパイを食べる日
街中を泳いでいます可笑しいでしょう?だれもわたしをしらないんです
小鳥には季節が1つありません 彼らの羽の色にまぎれて
ぼくの好きなあの季節なら放置したサドルが先に知ってしまった
音楽の授業で歌う君が代の歩みで雪が降り出していた
....
義父方の祖父の従兄弟の名を忘れ日がな一日オスカルの刑
慣れもせず言う事聞かずつちふまず必死で探す猫の住む家
「ナタデココ下から読んでチェブラシカ」守りたくとも解らぬ家訓
....
{引用=澄んだ光の菜の花 そうしてかざした手のひら
数を数え飽きたらすぐに ここまで走っておいで
....
チューリップの茎切り落とすきみひとり満たしきれない刑罰として
明日から黄色い花のカップにはお日様だけをそそぐと決めた
春の日と呼んでみたけど私の影はきみの影よりずっと寂しい
長す ....
(ここでは宇宙をスプと言います)
最前列右の左のスプを見た見たもの全て衛星で死亡
(ここでは宇宙をンと言います)
ンの声がロケット破壊しつくしてβ・γ線上の{ルビAir=アリア}
....
いつの日か宇宙の塵となることを夢見るロケット技師と甥っ子
少年は星の名前でしりとりをしている少女は欠伸をしている
フラフープ棄てる少女に土星の輪なくした土星のごときさみしさ
....
破裂する宇宙服からこぼれ出すはるかな草原駆けゆく少女
一片の光は遂に熟れ過ぎて落下してゆく宇宙の果実
むらさきの虚無が飛来す青空の上で吐血す宇宙飛行士
太陽のひかりときお ....
夕焼けに気づかないまま過ぎてゆく 道ゆく人の暗い横顔
あんな{ルビ表情=かお}するようになる必然を怖いと思う 立ち向かう前
ニュートラのままでアクセルおもいきり踏んでるようなままならぬ日々 ....
永遠に続いてくはず。不確かなふたりの日々を疑いもせず
真夜中の“着信あり”は君からの聞きたくもない別れ話で
さよならと言ってしまってよかったの?自問自答の朝日が昇る
この恋のリセット ....
ひと山に切り離されし髪の毛の時の長さを横目で計る
これ以上ないってほどに慎重な手つきで髪を洗う君。その耳たぶに揺れるピアスが
リセットの仕方分からぬ不器用な私にできるひとつの手段
必 ....
1 2 3 4