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雲間から陽の動く音ふりそそぎ立ちどまる水ふりかえる水



風が開け風が閉ざせし穂の声の微笑むように消えゆくを見る



むずがゆくめざめしものへ吹く風が窓のしずくに描く銀の葉 ....
幽霊の家族が

庭の見える部屋で

絵のなかの少年が動き出すのを見て

笑っていた
声は告げる
「風が少し強くなったような気がします」

問う前に答える
「岩と岩の間を行きましょう
枝で隠された路を」

独り言のようにつぶやく
「昔は水のにおいがしたもので ....
くずれ落ちそうな皿の山
こんな完璧な餌のまき方があっただろうか
猟師は遠くで
あたたかさが動くのを待っている


油色した雨の日に
ひかりは歩くだろうか
子供たちはそ ....
「あの光、鉄に運ばれ折れ曲がる!」(聞くともなしに?)「聴く友無しに!」



行方には何も満たない満たせない欠けた器がただ響くのみ



赦されしこの道のりが生な ....
車と車のあいだに
紙袋が泳いでいる
青信号が
すべてを引き裂いてゆく


地鳴りの夜と
静けさの夜のあいだに
やがて売られてゆく木々が
育っている


もう動くこと ....
    そとにあるよ
    みんな みんな
    そとにあるよ


    黄色い光の午後に
    窓のそばで微笑みながら
    少女は世界を宿していた

 ....
家のそばに浮かんでいる
家と同じかたちのふちどり
それがなにかわかりません


晴れた日にも曇りの日にも
空に無数にきらめく粒子
それがなにかわかりません


まじわり ....
雨が止み
もの皆かがやき
手のひらが痛む


ゆらめくいのち
その名とともに
世界となるもの


ふたつの惑星が
三番めの惑星に落とす影
午後と夜の間の ....
 


羽の群れがもつれあう向こうに
月が居る
羽の飛沫は風を飾り
陸ははばたき 海を撲つ


夜の冷たさ
夜の明るさ
言葉を忘れ
詩人は歩く
盗まれた星座の道をゆく

 ....
 


海に近い砂の丘から
無数の骨が突き出している
かつてここで倒れた巨大な生き物の上に
浪に運ばれたものが積み重なり
石でできた枯れ木のような
蒼白い骨の森を造った
海からの風に ....
 


星のように
はじまりと終わりが溶けあいながら
夜の水は空を巡る
岩と岩の間から
枯野と土を錆つかせながら
夜の水は流れ出る


ゆるやかな傾斜に囲まれた道が
少しずつ雨 ....
窓から窓のかたちの風が来て
わたしの前に箱をつくり
ゆうるりゆうるりまわりながら
冷たい心のありかを示す


あたたかな胸とあたたかな声が
わたしのまわりに円を描く
今は静 ....
   広く浅い湖で
   互いの影を揺らしあうふたり
   幼い遊びを繰りかえすふたり



   太陽が一度も出ないまま
   午後がすぎ
   夜の蒼が来て
   ....
    思いもよらない場所に
    手が くちびるが
    触れてゆく
    思いもよらない場所に


    いるはずのないひとの
    手が くちびるが
    ....
眠る光を背に
夜を見る
燭台の木々に
風が点る


道のにおいが漂ってくる
逃げも隠れもしない水音
細やかにひと粒ひと粒と
葉の上に置かれる鉱の冠


枝から枝へ
 ....
言葉になる前の言葉から
鳥は滴にしたたり降りる
空になり木になり土になり
重なる光にひらきひらかれ
目をふせ ひろく
ひとつにたたずむ


夜の雨音の冷たさが
肩から腕へと流 ....
憎しみを憎めぬ己に目をつむり走りつづける霧の日の朝



手をつなぐふたつの季節の境いめのついばむ鳥さえいない花の実



何もかも光も土も不確かな滝のように流れるふち ....
たくさんの葉のなかの
ひとつだけが震えていて
どこか見えないやわらかなものへ
届かないくちづけを繰り返している
なにゆえに見放すことができようか我が奥底に棲む群盲を



しかばねの多さに目を突き哭き叫び地獄の番犬喰らう日に記す



何億人殺めようとも救われぬ我が魂に触れるもの ....
風と草がつくる螺旋と
屋根の上の鴉をひたし
雨は雨の光を撒いて
ひとつふたつと陸を離れる
水が水に与える冠
ひととき またひとときと
川のかたちの既視となる午後


小さ ....
遠去かる陽がうなずいた草の輪にやがて降り来る雨のふちどり



痛む目となだらかな背を持つものは皆それぞれにぽつんとしている



ひとりだけ此処に居ること奏でれば返る応え ....
「昨日はふたつの嘘をつきました今日は今日とて数え切れずに」



たくさんの傘が車道をすぎてゆく雨上がりの陽に影を失くして



風あおぎ枯れ川の春祝うのは帰る場所無き ....
落合朱美さんの木立 悟さんおすすめリスト(23)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
雨と兆し- 木立 悟短歌406-6-3
ノート(36Y.11・29)- 木立 悟未詩・独白106-5-22
声(草と火)- 木立 悟自由詩906-3-1
夜の終わりに- 木立 悟自由詩206-2-6
夜の声- 木立 悟短歌405-11-28
ノート(夜のあいだ)- 木立 悟自由詩605-9-14
ノート(38Y・7.1)- 木立 悟未詩・独白405-9-5
ノート(それがなにかわかりません)- 木立 悟未詩・独白805-8-13
カンタータ- 木立 悟自由詩605-7-26
三華遠・視夜- 木立 悟自由詩505-7-20
調音- 木立 悟自由詩1105-7-19
遺棄地- 木立 悟自由詩305-7-18
夜明け- 木立 悟自由詩505-7-16
ノート(37Y.12・26)- 木立 悟未詩・独白405-7-14
ノート(35Y・6.30)- 木立 悟未詩・独白305-7-8
夜の手- 木立 悟自由詩505-7-5
夜の音- 木立 悟自由詩405-6-28
霧の日- 木立 悟短歌605-6-26
ノート(くちづけ)- 木立 悟未詩・独白605-6-15
ノート(業火焦心)- 木立 悟短歌4*05-6-15
午緑(指先)- 木立 悟自由詩405-6-15
ノート(窓)- 木立 悟短歌805-6-10
手紙- 木立 悟短歌705-6-8

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