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A型のあなた翼を折りたたみ夢の背中へ落下してゆく


B型のあなた昆虫採集を投げ出し籠の中で寝ている


C型のあなた視界に映る朝こことは違ふ世界の夜明け


O型のあなた肯定し続け ....
君恋し改札口に佇めば嘘つきの空闇に広がり


この街のいつわり愛は面はゆく胸元揺れてなほ移ろえば


みおを引き声のまにまに小舟ゆき行き交う人の波打ち際に


漂いて水面に朽ちた古木 ....
骸骨がブラブラ廊下歩いてく音楽室の鍵は壊れた
 


理科室の匂い取れない制服に誰かの刻印深く押される



日食を見るため屋上集まった魔女が湧いてる魔女が湧いてる



チャ ....
口吸えば愛は永久にと君は言ひ嘘の眼差し思ひつく間に


タバコ消し苛つく仕草あざとくて値踏みされたか愛の深さを


出ようかと言ふきみの髪かく仕草それでも想ふきみの優しさ


街はま ....
ニ日酔い眠れぬ朝に大あくびホテルよりいずる朝日のなかで

何故に外したネクタイ風にのせ一心不乱にバット振るのか

振りぬいたバットの先に君がいて微笑みの向う打球飛ぶ

乾いた音ひとつふたつ ....
カリフォルニアオレンジジュースと勝負するこの恋からは決して逃げない



ここで飲むビールもいいねと君が言う上空強風離陸見合わせ



風鈴が止まってしまうほど酔ったあなたとのお酒辛く ....
エジプトに眠る少年少女らの夢であるかもこの世のすべて



着物から覗くあなたの白い脚 幽体離脱の感覚を知る





水色の街へと渡る鉄橋の錆びた思い出ながれゆく河
 ....
憎しみを憎めぬ己に目をつむり走りつづける霧の日の朝



手をつなぐふたつの季節の境いめのついばむ鳥さえいない花の実



何もかも光も土も不確かな滝のように流れるふち ....
風も木も滅びゆくときわれもまた等しく愛に抱かれて過ぎよ



降りしきる雨でおまえの声は途切 れ遠い異国である公衆電話


たった今、落ちた花びらだけ見えたった今見えなくなったただ風 ....
好奇心ひろげて崖から飛び立てば ああ、こんなにも太陽のせい


幾たびも安易な夜を貪ってぼくら獣のように純粋


僕たちはすでにレッドを飛び越えて蒸発してゆく抱擁のあと


妊娠をし ....
ビー玉の模様を見つめ問いかえす今日の天気は晴れだっけ

ため息の数だけ幸せ逃げるよと言われ思わずため息ついて

新宿の喫茶店から外眺め忘れものを忘れてる

手についたドクダミのにおい汗の色 ....
思い出の森をさまよう僕はもう少年時代の歌詞から遠い


おにぎりの形している山登る今はまだまだ海苔の真ん中


紫陽花に紋白蝶の眠る午後わたしが汚れているのが解る


花粉から誘われ ....
夜を飛ぶサーチライトをUFOと信じる子には光るシールを

映写機に撃ち落とされた銀幕の穴の向こうの月が綺麗だ

始発にて人気女優のクローンのような女と飛行場まで

新品のアメリカ製のス ....
なにゆえに見放すことができようか我が奥底に棲む群盲を



しかばねの多さに目を突き哭き叫び地獄の番犬喰らう日に記す



何億人殺めようとも救われぬ我が魂に触れるもの ....
遠去かる陽がうなずいた草の輪にやがて降り来る雨のふちどり



痛む目となだらかな背を持つものは皆それぞれにぽつんとしている



ひとりだけ此処に居ること奏でれば返る応え ....
「昨日はふたつの嘘をつきました今日は今日とて数え切れずに」



たくさんの傘が車道をすぎてゆく雨上がりの陽に影を失くして



風あおぎ枯れ川の春祝うのは帰る場所無き ....
店員が「お待たせしました」なんて言い置いてったのは先制ゴール


「来ませんね。」「ですね。」と二人苦笑い待ったご褒美まだ気付かずに


スペースキー押しっぱなしで3時間自供はじめ ....
シーソーと電池の切れたラジコンときみのなみだとそしてさよなら

かくれんぼ3つ数えて工場の敷居を越える(サンタはいない)

この町で一番長い煙突が君と僕との待ち合わせ場所

この町と ....
均一な味はひとつも変わらずにぶれる輪郭ゼラチンな夜

摺り足でただただ進む塗り絵縁空白もなく色彩もなく

何かしら泣いて見上げたあの空は3号棟で掻き取られてた
 水たまり広がる波紋に耳すましきみのリズムでやってくる夏



 砂浜に置いてきたもの捨てたものロケット花火と添い寝する夜



 8月のリップカールのてっぺんで届きますよにぼくのメロ ....
忘れない根に持ちますよわたしは、と言う君みたいな雨のはじまり

残っている洗いざらしのTシャツに君が選んだセッケンの匂い

あたらしい季節へ線を引くような雨あがりの青い空とは

あおい ....
   こよつきよ              
   ここにもちから およぼせよ。

   夏草ノ原 草ノ海原。


 ノノノノノノノノノノノノノノノノノノノノ
      ノノノノノ ....
朝もやの白く輝く始発待ち数え集まる雀群れゆく

階段を踵から踏み上がるとき日がのぼるのを見て見ないふり
降り立った夏の停車場せみたちの鳴き声拍手喝采のごと


実家へと歩く田園風景のさびしきひとりと描かれる夜


秘密基地としての廃屋いまはもう月光だけの棲み家となりて


失った記憶と ....
落合朱美さんの短歌おすすめリスト(114)
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