人は暗闇の中を歩きながら、心の中からはき出される思いについてを考えているものなのだろう。何かを感じているようでいて、実は、遠のいている詩の言葉の螺旋のように、遠くに続いていく工場の埋め立て地を歩い ....
雨の降りかけた
曇天のした
網の目くぐり
どんどん進み
あすへと繋がる
扉のまえ
朝日へつづいて
飛びゆこう
安堵もつかのま
時は荒れ
暗示のしるしも
解きほぐれ
....
魔法は科学になった
リアリティは横たわり
キノコ雲を見上げていた
父は母にすがり
ボクは身体を脱いで窓から顔を出した
水平線がまっすぐに伸びている
ウェア・イズ・ラブ?
ほしかった弟 ....
鏡に映る自らの
こころの内に湧き出ずる
喜びの泉
胸にそっと手をあてる
幼い心をこじ開けて
あなたは痛みを植えて行った
悶え苦しむ年月
綺麗な嘘で幾重にも
痛みを包んで行った
いま この心に抱いているのは
ぞっとするほど美しい
....
「遠い異国の教会で、ステンドグラスの窓か
ら射すまっすぐな虹のひかりの中、人々は
棺に横たわる人に次々と花を置いていく。」
「ノートルダム寺院に腰を下す詩人草野心平
さんの胸底 ....
南元町の緩やかなカーブ
18年まえの8月
ビートたけしが激突したガードレール
ぼくはそうとも知らず
なんどもそこを通り過ぎていた
ぼくが十代を乗り切れたのは
ビート ....
ここは泥棒市場
通称キャットストリート
骨董を売る店が連なる
ここで売っているものは
どことなく胡散臭く
まがいものの匂いがする
モノガタリには事欠かない
溥儀が紫禁城でコオ ....
報われたいとかつぶやいて
誰でもない誰かを待っている
空になった発泡酒
煙草は残り二本
今夜 会おう
時間が眠る隙に
ダイヤグラムの先で
目印は赤いブレスレッド
一緒ならきっと大丈 ....
交番のまえで指名手配の写真や似顔絵を見るのが好きだった
小学生のぼくは駅の改札口のまえにいつも佇んでいた
犯人を見つけたらなにか気持ちのいいことが起こるような気がしたのだ
いろん ....
さようなら。
またね。
彼女はとても美しくそう言って去って行った。
まって。
おいてかないで。
僕はいつもそう思って笑った。
悲しくて仕方なかった。
だって ....
あした咲く朝顔は
雨の軒下でこうもり傘みたいに
とじています
あしたも雨なのかな
朝顔って、おかしな{ルビ花=ひと}だね
傘をもって
生まれてくるなんて
いちど咲いたら
もう、とじ ....
みな
人の後ろを歩いている
いい人の
悪い人の
普通の人の
空から見たら
変わらない人となって
見られたい
ようには見られず
ひと固まりの雲が浮かんでる
まるで人の群れ ....
トラック/ブルーハーブ「未来は俺らの手の中」
柔らかくて湿り気のある赤ん坊の肌状の空間が薄いグレー。
空の成分について考える。
感覚と距離を体に叩き込む。
意味とかなんて全 ....
如何に生きた、尋ねる声がする
平和でした
知識と技術と民主主義の時代でした
学び続けています
誰かを助けたりはしませんでした
世間のひとすみで労働をお金に換え
蝸牛のような家を借り
....
自殺の相談をしたことはない
世界がどう見えたら
あした自殺してしまうのだろう
じぶんを責め
たにんを責め
たにんに謝り
じぶんを痛め
夜の街を見つめていた
....
目の中でゴロゴロしてる
グリーンのコンタクトをつけて
それだけでお姫様になれると思っていた
風に前髪がなびいている
ピンクの髪留めをつけて
それだけで少女になれると思 ....
腐ったってがらがらへびなんだよ
抜け殻だなんていわせない
赤外線探知装置のついた最新鋭の進化論さ
きみの白い指のぬくもりなんていらない
金子みすずのお月様なんて絵本の
せかいのデザー ....
まどろみのなか声が聴こえる
夜の部屋でいくつもの窓に飛び込んだ先
蜘蛛の巣は自由のパロディ
嗚呼おそろしいゴッドファーザー
暗い海に逃げ込んで
真珠を飲みほして眠るから
ボクの寝言に返 ....
真緑の水に素足を浸けているみたいだ
それは遠い日の御伽話
純粋だけで生きていけると思っていた頃
何にも縛られず
何からも独占されず
自由に ....
鏡に映った
昨日より
一日分白さの増した生え際を見て
思い出す
巧妙に細工された嘘が
ゆっくりと正体を現すように
染めた髪がもとの白い色に戻る
白髪は中学生の時から
生えていたよう ....
猫踏んじゃった
猫踏んじゃって
猫踏んじゃっ
踏んじゃっ
踏んじゃった
猫踏んじゃった
猫踏んじゃって
猫踏みすぎて
悲しくなった
胸いたなっ ....
海岸沿いをレンタカーで走った
波しぶきが空にあがってゆくのが見える
それが雲になって風を待ちかまえている
すべての雲が
そんなメカニズムでできている訳ではない
でも二 ....
ああ、敵わないなって
彼女の横顔をうつしたプリントの落書きにも
僕には描けなくて
ちょっと自信、あったんだけど
ああ、敵わないなって
明日がやってくる
道すじに
サァァ、サァァァ……と
雨が降る
──誰も寝てはならぬ
けれど
そのうち
雨だれのアリアを
聴きながら
いつのまにか睡ってしまう
今日に
....
俺と同じですっかり老いたけど
....
詩人じゃない
なんてことはどうでもいい
同じように
勉強とかもどうでもいい
運動とかもどうでもいい
あれもそれもどうでもいい
どれもこれもどうでもいい
そして世の中のほとんどのことはどう ....
泣くことに努力はいらない
笑うことにも
泣かないことにも
努力は必要だ
雨がふったといっては
泣いているかえるのように
ほんのりうれしさをまじらせながら
女のなみだは
意味がな ....
小さな羽根で
飛んでゆける範囲の
小さな幸せしか知らぬ
円満な人生の理想
私はその設計図を
この世に生を受ける代わりに
安値で売り渡した
波荒む大海に
耐えられるほど強くない
む ....
違法ダウンロードの夏
東は涼しくて
西は暑かった
いまを守り抜くことと
未来を考え抜くことはおんなじことだ
どうもすみませんでした
日本のみなさん
暴れま ....
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