深海の船の残骸無の世界
根無し草旅に明け暮れ野垂れ死に
閉経しそれでも夜は女です
月一で赤い夕日が昇ります
いきなりの激しい降りに肌着透け
欠片さえ愛はなくても「ラブホテ ....
貴女のはげしい想いを、
わたしのなかにおとしてください。
わたしのなかできえていった、
なにものかがふたたび息吹をもつように。
貴女の大人らしく澄んだひとみから、
するどい ....
緑の木葉が揺れている
私は大きく息をする
一人の孤独なわたくしが
初秋の大気を思い切り
吸い込み、黄金の日輪のなか
自らの不安定さをのりこなす
よすがを必死に探している
広がる雄大な ....
缶ジュースの
プルトップを
引いたら
覗きたい明日が
あるということ
光と闇に
折り目を付けるまで
緩くなった
ジンジャーエールが
騒ぎ方を
忘れていくけれど
逆さま ....
震えが止まったから
詩を書こう
今日は雄大な青空が広がっているから
その素敵な一瞬の光の下
年老いていく日々残余を祝福し
孤独死すら受け容れる
そういう人に私はなりたい
....
ありがとう。
いままで私にかかわってくれた、人たち。
しあわせになるね。
コンビニのレジで
その人は買い物の会計をしてもらいながら
周囲にわからないようにして
店員の女のこに
小さく折り畳んだ紙を渡した
という
女のこは一瞬困惑した表情をしたけれど
直ぐに ....
通り過ぎていく物売りの声が
私を非難したのかと
過敏になる窓の隙間から
秋風がするりと
いかにもなれた振る舞いでカーテンを揺らし入り込む
今直面している重大な問題を
言い当てられた気 ....
開かれる
空の瞬き青々と
白雲棚引き
行方は知らず
哀しみ溢れて
秋風の吹く
言葉のフェイクを削ぎ落し
白骨化したあなたを抱いている
突風にあばらが鳴ると
手を取ってかちゃかちゃ揺らしてみた
骨盤に唇を押し当て目を瞑る
あなたは眠りからさまよい出た夢で
青いインクで ....
北向きの窓から
ふいに
秋の
風が産んだ子が走り抜けていく
本のすきまから伸びた
栞のしっぽが揺れ
亡くした猫のしっぽも揺れ
過去が
耳なかでちりりんと揺れる
寝転がると
窓い ....
雨上がりの公園で
月あかりを浴びて待つ
遠くへいった人を
あちらこちらの水たまりが
白く鏡のように木々を照らす
風が金木犀の香りをくれる
妖精が手をつないで飛んでいる
銀木犀 ....
パリの妖精
第16話「リュクサンブール公園の妖精」
花壇に建つ恋する
リュクサンブール宮殿
幾つもの空を映す池
王妃の可愛いポニー
噴水の虹のなかに座る妖精
毎日好きな部屋で ....
青みがかった空を背景に
農夫が篭から肥料をまく
大気はまだまだ熱気を孕み
夏の真上で微かに微かに秋が舞う
けれど、
青みがかった空を背景に
農夫が篭から肥料をまく
彼も篭も青に染 ....
くだもの畑に産まれて大きくなった
訳じゃないの
ヒトに産まれて女に育った
あたし
中学校では
天然なのに縮れた髪が
校則に違反していると何度も注意された
髪色が黒くないからって
....
海は心臓
空は動脈
大気は細胞
雨は静脈
川も静脈
さびしがり屋の
きみに幸せだと
蓋してもらって
言わせたいんだ
海は心臓
空は動 ....
雨上がりの午後、この街の空は
どこまでも行けるように青かった
アスファルトの窪みでは水たまりが
信号のいらない雲の往来を映している
あそこに飛び込んでしまおうか
革靴なんか脱ぎ捨てて ....
何処かの公衆トイレの壁にされた
落書きみたいに
俺の体の中から卑猥な文字が消えないんだ
でも
男だって女だって誰だって
それは自然だろ
それにしても
女は化粧するし
丈 ....
一度や二度は誰だって
自分より弱い相手を見下して
意地悪したり
いじめたり
したことあるよね
俺みたいに
さんざんいじめられて踏みつけられた一人だって
自分より弱いと判断した相手には ....
手で計る
針二つをあわせたら
手首の傷にあわせたら
鈴の鳴く
辻の門に
風を捨てました
供養は茄子
緑、揺れている
ゆうらりゆらら
梢の向こうに青い空
昨日はこの宇宙の片隅で
街を驟雨が濡らしていき
青紫に染めたんだ
ピカリと光り響きながら
青紫に染めたんだ
緑、揺れている
....
人の息と
息の間で
僕は
息をした
僕の息と
人の息の間で
君は息をした
僕の息と
君の息の間に
朝はあった
毎朝
朝があった
生きていれば良いこともあるさ ....
季節は流れ詩は座礁して
はるか太平洋の真ん中の島に流れ着くだろう
いきることが何かの証明ならば
返す言葉がつまづいたままでいきてゆこう
あるいは人生に返す言葉を紡ぎながら
座興だ ....
突然の驟雨に 洗われた街は
なんだかとても色っぽくて
雨上がりの 空気の色を
すこしさみしげな 茜色に染めるのです
地に這う けものの しずかな息吹きが
い ....
どう、ハエになった気分は?ついさっきまでは人間でいられたのにさ。
どうって?あんただって立派なハエになってるわよ。
鏡に写して見てみたら
あたしの目にはハエになったあんたしか見えないわよ ....
窓辺の朝日は懐かしい匂い
遠い国の匂いがする
いったいどれだけ
涙滲みたハンカチーフ燃やして
ここへたどり着いたの
流星を追い越して
銀河を照らして愛され
月を影絵にしてくれるたね
....
雨の夜は嬉しい
花に乗るのはシャボン玉
星を映しながら葉に落ちる
もう少し星を下さい
砂子のような星を
金色に光る星を
星になるまで
本を開いて、
本を閉じる。
むかいの席の奥さんと、ふと目があったなら、
あのひとは、わたしが辞めた会社にあとから入ってきたひとの、
知り合いの親戚の家族の友だちなんだわ、
きっと ....
育まれた大地は哀しみに暮れ
あなたの幸せを乞う、と
腐敗した果実を土葬にいだく
還れない連鎖がある
祝し祝される転生の輪を閉じ
静かに響く余韻の産声を預ける
生き写しの影が光となる ....
今からおよそ千年前の一夜
俺は童貞を喪った
男にも純潔はあるんだ
女性だけのものではない
男だって
一途に思う人の為に
男の操を守るのは
称賛されなくてはならない
ただその ....
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