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冬至に至るのだなあ
ゆずだ かぼちゃだ
忍耐を希望へ切り替える
あとは冬を乗り切るのみだ
小さな種を埋めておくこと
冬至の後は
明るさが増すのみだから
きのうまでとは大違い ....
青く濁った空が
微睡む午後だ
鈍く光った釘で
突き刺す風景
クダラナイって
投げ出した日々に
浮かんだ心を
忘れたくないのは我が儘?
黒く空いたその穴を
覗き込んで
....
九月の市民球場を
木枯らしがさらってゆく
土埃を巻き込んで
ピッチャーのいないマウンドと
帰る者のないホームベース
永遠のような
0対0
僕は欠け ....
生物学的にあなたが
好きだ
指でしっかりとなぞって
あたしのスケッチブックに
デッサンしたい
異性として
あなたが好きだ
相性が合うのか
確かめてみたい
手を絡め
....
特別切れなくてもいいんです
まあまあ切れればいいんです
私にとっての
刃物なんてそんなもんです
特別上等でなくてもいいんです
そこそこ切れればいいんです
それで
用は足りるのですから
....
この不快感を忘れない
きみのことは忘れても
この不快感は忘れない
どうされたら傷つくのかを
教えられたことは忘れない
つめたい命とは関わらない
そう誓ったことは ....
あんまり寒くて
鼻水が出た
そんな時
あなたが好きだと
ふと気付く
小高い丘に向かってだらだら延びる道
リードを着けた猫と一緒に
だらだらと線引き
一呼吸ごとに振り返り督促する猫
漸く丘の端にかじりつき
突き当たりのフェンス越しの滑走路
滑走路を飛び立つ赤 ....
譲れる花 ゆとりある胸中
譲れない花 窮屈な嫉妬
晴眼のように 総てが見通せる
不思議な胸中
邪魔な信念が総てを遮る
不可解な嫉妬
譲れる花 お人好しな花
譲れない花 揺るぎ無い ....
要らないなら
それで 良かった
軋む木造の床は
此処に僕以外の誰かが
居る事を教えてくれている
まだ音は止んでない
疑心、疑心、
欲しくなっても
もう 遅い ....
マンションの手付け金のうち、
8万5千円が戻ってきたので、
どうしようか、
談志のDVD全集を買おうか、
ブルーノートの再発レコードをまとめ買いしようか、
カートリッジやスタビライザーを ....
ここあ どこあ
うまいここあ
カチカチ鳴らして
余韻を楽しむ
そこあ どこあ
ももいろのここあ
ドアを開ければ
底冷えピエール鼻が鳴る
ここあ どこあ
そこあ こ ....
起きて 動いて 眠る
起きて 動いて ただ眠る
はっと目が醒めれば
朝なのか 私は誰なのか たじろぐ
ただ淡々と過ごす日々は
だんだん世界が甘く柔らかくなっていき
マショマロのようだ ....
君は なぜ泣く
いずれ全ては 塵に帰るだろう
その時涙を流すのは たぶん空の雨雲だけ
君は なぜ泣く
瞳の奥に築いてきた{ルビ堰=せき}が 崩れてしまったのかい
人の言葉が 痛ましい眺め ....
笑みを絶やさずにいよう
しずむあなたの灯台となるために
ずっと絶やさずにいよう
落下の形態が腑に落ちず
目下動転のとある夜だ
路地裏のとうに枯れた朝顔の鉢の
蔓の為の竹が歯の癖の様に泣く夜だ
眠る前から目覚まし時計が気になるのは
眠る前 ....
ゆうべ
きみのまとう
しろい布にふれました
それはやさしく湿っていて
かみさまの一部のようでした
ゆうべ
窓のそとでは
たくさんの雪が ....
またきたか 雪
せいぜい覚悟して降れ
消されるくせに
やっと生き残った枝をへし折り
修理した屋根を壊し
道をうめて無くし
叫び声さえ凍らせるなら
覚悟して私に降れ
美しい冬 ....
冬は寒い
冬は日が短く、夜が長い
どこに冬がいますか
私のベランダに冬がいます
部屋の中に冬はいますか
私の部屋に冬はいません
なぜいないのですか
冬は暖房器具に弱いからです
冬の ....
【わいぱあ】を
最速にしても
効かない
激しい雨が
フロントガラスをたたいていく
きっとこんな風に
前後不覚になるほど
ぐちゃぐちゃに
泣ける人は
幸せなんだろうなあ
思い ....
朝の光が 羊毛の絨毯の上にうずくまっている
まるで まぶしい水たまりのように
君は 寝癖だらけの髪のまま
そこに まだ生まれ落ちる前の 思い出を探している
揺れるレースのカーテン 風は優し ....
この口は 冗談が言えない
石切り場のように 殺伐としていて
この目は 花を愛でない
照準器のように ただ狙いをつけて
この指は 傷を縫わない
ナイフのように 切り裂くだけで
お ....
トゲは深くて
抜けそうにないから
指で えいやって
押し込んでしまうの
あたしの奥へ
はいったトゲは
いつか命の元になるんです
傷つけ
傷ついて
でも案外ヒトって平気なんです ....
文庫に救われて
どうにか今も生きている
河童
変身
世界の終わり ....
アイビーが空間を探っている
感覚だけをたよりに
つかまえて 己のからだを寄り添わせ
まだ見ぬかたちを具現しようと
精一杯手を伸ばし
探している
探している わたしも
この感覚だけを ....
誰もが幸せであることを望み
それに見合うだけの不幸せを我が身に背負う
故に生きることは辛く
苦しい
※
ふと目覚めれば凜として未明の寒さ厳しく
曖昧では済まされないこと ....
散らかった川を横目に
私は今日も生きています。
ビニールやタイヤの花が咲き
ゴミにまみれたおっきな川を
眺めるじじぃの顔が淋しかった。
少しだけ父 ....
こと葉って 薄いもんだ だれか言う
だって 葉っぱだもの と答えるだれか
葉っぱをどんなにつみあげても
きっと だれもほめてくれないよ
ぱっと吹かれて無くなっちまう
そんなかげの薄いやつ ....
この爪を折っても
しぶとく生えてくる
この爪を折っても
歳を取れば 記憶は遥か彼方
この爪に火を点せば
僅かながら この灯りで
道に迷うこともないと口にすれば
痩せ我慢だと隣人は ....
さぁ憂鬱よ
私の無意味な情熱を
無に還してしまえ
さぁ無関心よ
私のお節介を
有限にしてしまえ
さぁ流るる時間よ
未熟な私を
頭でっかちな老人にしてしまえ
さぁ服従心よ
....
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