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すこしだけ
ひざを抱えさせて、という。

たぶん
うつむいた想いと
ゆっくりと進行するあきらめ、と
降りだす直前の雲のようなさみしさ
お気に入りだった音楽や
冷めたカフェオレ、二人乗り ....
ビジネスホテルの白い天井に映される
窓枠の形は青白く
夜の闇にある光源を証明します


いつしか街で一番高いビルの
冷たく四角い丘の上で
僕も証明されたいと立ち尽くすのです


月 ....
ドビュッシーを聴く
なんとなくの気分で
なんとなくの夜
泳いでいると ちくり
ふいに

音楽が死んだらきっとかなしい
なんておもってしまって 私

父が
美意識の問題だね
といっ ....
ポチが走ってくる

ポチが尻尾を振りながら走ってくる

ポチが全速力で尻尾を振りながら走ってくる

ポチがよだれを垂らしながら全速力で尻尾を振りながら走ってくる

ポチが乳母車を弾き飛 ....
爆弾は
言いたいことを言うと
爆発
することもなく
カラスミのスパゲッティを
平らげる
それって美味しいの?
爆発的に美味しいッス
それから
小春日和の日差しに
少し傾いた
丸い ....
まあ、まあ、まあ

作り笑いでなだめる
その中腰こそが
よっぽど役に立つ
世界平和のポーズ
そこから発射される光線で
僕らはみんな怪獣を辞めて
頭をポリポリと掻いてしまう
いや ....
飽きてしまった
褒めるのにも
褒められるのにも

飽きてしまった
幸せにするのにも
してもらうのにも

深度たった20メートルの
海の中から見上げた太陽は
とても美しくて
けれど ....
ある春の暖かい日

四人の子供の頭、腕、足、胴をとって繋ぎあわせて

新しい五人目の僕が生まれた

頭のなくなった子供

腕のなくなった子供

足のなくなった子供

胴のなくな ....
 



 萎れてゆく花ではなく




1.「ゆびぬき」


でんとうの 咲いてゆく中で

ちくりと刺さるところを
そっとつつんで
もう無い 
てのひらの形を
朝 ....
はっか飴が苦手なほどに
あなたは幼い

丸めて・形よく
献上した
嘘の後

重ねて
垂直にうばう
目の前・生命線


わたしが服をぬげば
あなたも服をぬぎますか


グ ....
ずっとずっと遠くまで
届かないものを追いかける
そういうひとを見上げながら
足元の土を均してきょうもあるく

届かないことを知らない彼らは
知っているわたしよりすこし滑稽で
そのくせとて ....
海の中で生まれた気がする
始まりは遠い手のひらの中
重ね着をして、重ね着をして
風邪を引かないように眠っていた頃
どこへでも、の世界は
指先まで暖かくて
つまずかないように歩けば
いつま ....
ほがらかに歌う

ではないけれど
やわらかい
そのような、




やさしい人

やさしい
易しい笑顔 と
きらめく
すこやかな、

絶望



人を花にた ....
最終バスは一番後ろの席に座るのです
何となくそれが習性になっているのは
そこからは町の様子がよく見渡せるからです

蒼い街灯の下でたたずんでいる
停車場の表示を運転手は調子よく
鼻歌まじり ....
のどに はしゃぐ みめいの
つきの すずか つむぐ かるた

まわる やまの はるか さます
かやの ねむり まどう むごん

みちぬ おもい ゆきて きえる
かえぬ こころ ぬぐう ....
もう一度 

その無数の紅く小さい花々を闇に咲かせたシャツの下に
酔って赤らんだ白い背中で
僕に{ルビ凭=もた}れてくれないか

なぜ

君の背中のぬくもりを
もっと素直に感じなかっ ....
ねぇ見て 不思議よね
こんなにちっちゃいのに
ちゃんと爪もあるのよ と
満ち足りた母親の顔で彼女は
小さなこぶしをを開いて見せる

アキアカネが飛び交う夕暮れに
生まれたから 茜
はい ....
パーティーは散々だった
おやすみ、のあいさつの方角へと
だいだい色のシロップが
ゆっくりと流れて 
しだいに
粘性を増してゆく、
夜の


水の底で ゆうべ、まき散らされて
わたし ....
おびえるなよ
という声が
おびえていた
私の体の 外で
外では
仕方がないから
精液の白さに免じて
ゆるした
若いって
苦いと
同義だよね
字も似てるし
と口に出したとき

悲しいって
美しいと
同義だよね
と言った
君を思い出した

空は平均的に青い
私の詩には
ディテールがないの
ってもう
はいはい
って感じです
われながら

ただ
選択肢は選択しで
死か
詩か
選ぶのだと気づいた
意外に賢いでしょ
えっへん


 ....
九月
雨が多いのは毎年のことで
それはさしてめずらしいことでもない
のかもしれない

秋というにはまだ早く
ちょうど残暑という言葉があてはまる
そんな晴れの日も多い
九月


家 ....
 




   膝をたたみ 目を伏せて
   思い出すのは
   折りたたまれた空に見つけた夏のかけら
   黒髪が 風を誘った雨上がり

   わたし ここで猫が飼いたいの
 ....
  電車に乗って 15分
  何をしようか

  転寝をして奇妙な夢をみたり
  本を読んで世界の美しさに涙したり

  今日のあなたを思いだして
  自然と笑みをこぼしたり

   ....
目を閉じてひゃく数えるあいだの
静けさがこわかった

(いーち にーい さーん)

ぼくはずるだと言われるのがいやだったから
はんぶん泣きそうになりながらゆっくりと

(しーい ごーお ....
ときどき
思い出した
ふりをして

その面影を
そっと
胸に抱いてみる

きつく抱いたら
もろく崩れて
カタチをなくして
しまいそうで

優しい顔
笑った顔
悲しい顔
 ....
写真の中には
シマウマがいた

写真をとったら
あの人はシマウマになった

シマウマの飼い方を私は知らない
せめて
ロバとかポニーだったらいいのに
町並みにもなじむかもしれない
 ....
シャボン シャドー シャトー

エプロンで 涙 拭いて
背中を そっと 撫でる

チョコレート アーモンド アイズ

瞳の中に 写る 私の瞳
リボンを 結び 直して

マイ リトル ....
あしもとから吸い上げたあしたの記憶が
葉脈をつたって
四肢に達し
やがて、蒸発してゆく


芽生えを待つからだに
クロスする
光合成の日々
涸れているのは喉なんかじゃなく
わたしの ....
色のない朝に目を覚まし
音のない世界におはようをいう
返事がかえってくるのもまたずに
わたしはせっけんをあわだてる

すずめとくるまに声を与え
カーテンと食卓に色をつけた
なにも書かれて ....
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タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
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