私の内側には究極の自己犠牲というテーマがある。
そして私の答えは何時も同じで、現実の社会では
自己犠牲で「救われる人」の中には「私」もいる
ということ。
銀河鉄道の夜のカムパネルラは友達を ....
夢
風
杖
どよめく夜に
意識持つ
風がちりちり
肌を刺す
ざわめく、さざめく
わたしのこころ
今夜はこんなに孤独に耽り
己の在ることを感じている
(遠い遥かな思い出は
廻る銀河の旋回音 ....
頭の中の小人が
正しいかどうか
僕にはわからないのだけれど
野菜を刻んだり
鍋を振ったりしてると
なんだか落ち着く今日この頃
ここは多分
霧の中なのだろう ....
記憶の旅をすることがある
降り立った駅では君はまだ幼くて
ディズニーランドで迷いかけて
私を見つけて半泣きしていた
おとうさんと呼ばれた時代があった
記憶は珠玉でいたましい
せつなく傷 ....
憂鬱でも麦茶が美味い
鼓膜にささる
音のかずかず
視野にとびこむ
画のもろもろ
このリアリティは
どこからくるか
夜に寄るもの
やさしい闇
夜に拠るもの
言葉のことごとく
いまあ ....
二〇二〇年三月一日 「夢」
けさ見た夢。10人くらいの男女がいて、ひとりの男が女の頭に大きな岩をぶつけて殺そうとしている。べつの男がナイフをもっていて、ぼくのほうに近づいて腕を刺したところ ....
みなみ風を意識して
あなたのいない
空は高いですか
若いころの才能は
ライバルをつぶす
ことでしたか
年老いた権力者は
弱い者いじめが
好きでしたか
本当にいる暗 ....
小雨つづく六月、小さな
悲しみが路傍に立っている
嘘をつかれて、嘘を信じたのは
あなたの涙があまりに寂しげで
それが一番うそっぽいから
しずかに自死しようと歌った
私は私の ....
少しも
優しくないんだよ
私は
優しくなれないって
優しく出来ないって
何なの
優しさって努力なの?
違う
優しい人は
何も考えずに優しいんだよ
どうしようもなく優しいんだよ
腹 ....
死んだ者たちが帰ってくる時刻だ。
透明な海が広がる南の方角から
白い空間と氷雪で覆われた北の方角から
生まれ故郷を目指して魂が向かうのは
死ぬ間際まで思い続けた家族に対しての心を
表 ....
いつまでも、が終わらない
夏のいつまでも
冷やし中華始めました
写真より冷たくなっていく手
冷え性なもので、と
言い支えるせめてもの君
三丁目産まれの君
三丁目の人間はほとん ....
とても良い朝には
きみに電話をして
かわいい化け物の話とか
食べきれないピザの大きさなんかを
評論してみたいんだ
ときどき売りにゆく
柱時計がボーンと鳴り
寺山修司が競馬新聞 ....
僕だけが知ってる風景がある。
僕しか知らない美しさがある。
目だけで見ているわけでも、
耳だけで聴いてるわけでも、
声だけで話してるわけでもない。
僕の心が、好きになったものがある。
みとれていたのは恋をしたから
朝のひかりで空の詩を書く
手紙のように話をしている
風にはきっと心があった
紙ひこうきで何度も出会う
金色の朝
私たちは思い違いをしている
実在、スープの値段、猫の恋、明後日の天気など
あらゆる角度に突き立てた仮説がもはや球になって
設計され、建設され、実用され、朽ちてゆき、修繕され、 ....
アスファルトの下に張り巡らされた
地下鉄を降り、改札を抜けて
無表情な仮面の人々とすれ違う逆流は
生ぬるい風になり
この頬をなぶる
だが、視える
人波の間を分かれゆく
目の前の道 ....
雪のふりつもる音を
私の耳はとらえているのだろうか
青い夕暮れに白い雪ぱらぱらふるふるもっとふれふれ
夜 雪は少しの光を乱反射してほのかに明るく
しずかに しずかになっていくけれど
....
きみのかあさんになりたい
お洋服を手縫いしたり
陽に透けるきれいなゼリーをつくったり
おひざにだっこして絵本を読んだりする
いつも子育てのことで
はらはらと気をもんでいる
きみのとうさ ....
幼稚園の頃
プレゼントは野に咲くお花がいいって
私が言ったから
兄ちゃんと二人で
どこかの空き地で摘んできた
ジシバリ アカツメクサ ははこぐさ ルピナス ひめじょおん
引っぱっ ....
信用というのは
やっぱリ紙ベースでしょう
暗号は解読するものではなく
紙から心で読み解くもの
仕事というのは
やっぱり人ベースでしょう
AIでこなせるものを
愛とは呼ばない
夢 ....
その感情は後悔
「今までありがとう」
君は優しく微笑んだ
僕だけが泣いていた
「大丈夫だよ」
君は優しく微笑んだ
別れを告げたのは僕なのに
君は優しく微笑んで家を出た
その腕を ....
塞がれた傷なら
新しいほど
ほの明るい
命と呼ぶには薄すぎる
生まれたばかりの緑の雲母は
はかなげに震える風の欠片
アスファルトに跳ね返る
光の刃が
明日には切り刻むだろう
....
木々が襟を立てて拒む間
風は歌わない
先を案じてざわざわと
意味のないお喋りを始めるのは木
いつしか言葉も枯れ果てて
幻のように消えてしまう
すっかり裸になると
しなやかに 風は切られて ....
詩情さえ
なくしていいと思っていた
このコンクリートの延長線に
あなたはいない
ひとりをなくした
世界のようなひとりを
なのに今夜は
少し明るい
月見草が咲いていて
私は詩を書い ....
甘美なる赤い香りは
蒼い花を征服して
空間に調和という時間を与える
香水の飛沫
ヒステリックに飛び散る夜
叫びは歌とは違う
言葉が一つ捨てられている
孤独な人は名前を持っているの ....
落日 悲しみ
盲目 真っ暗闇
充血した満月 不穏に包まれる
白い頬 浮かび上がる
それは獣の呟き
孤独
嫌われ者が背中を丸め眠る
閃光
現実から覚め ....
どこで
何を
しているか なんて、
知らない。
いまは
何を
見ているか だなんて、
知らない。
わたし の いま は
あなた の、
わたし の、
あの時、あの頃、か ....
恋をしている
が
窓をしている
に見えて
そっちの方が素敵だと思った15歳
青春の炎がみちみちて
いなかった
家の壁が
へっこんでいるので
女ばかりのこの家で
誰がそんな乱暴ち ....
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