鼻を打つといつも、
はながみさまがやって来る。
はながみさまは襤褸を着て手に薄紙を持っていて、
薄紙はごわごわの紙とぬわぬわの紙のふたつで、
わたしは何故かいつ ....
塔を隠した樹々たちがくりかえす
やわらかな墜落

螺鈿の微笑を浮かべる遊星たちが
結晶状に形成する空間に
浮かべられた白い柱廊に
並べられたフラスコ

時折それらのいくつかの中で
新 ....
懸賞好きの母が
手当たり次第に応募している懸賞が当たった
「サナギ一年分」だそうだ

当然母は家族からさんざん責められた
そんなものが一年間も毎日送りつけられたらたまったものじゃない
特に ....
いつのまにか 僕は 悪いこと覚えてた
ひとりきりの 夜で 闇の中震えた

  誰も助けてくれない 誰も癒やしてくれない

人間は誰しも 不完全な生き物
欠けている部品を隠しながら生きている ....
朝をはじめる太陽は
まるで線香花火のようで

小さく揺れるその玉は
何も迷わず空へ空へ

紫に寝惚けた水平線を
橙に燃やしながら昇っていく

やがて膨らみ色を変え
放つ光は僕を丸ご ....
 
風が酷く騒がしくて、
見透かされたことに震える迷い星みたいですね、
胸が。
さらさらと、
触れた場所からさらさらと透過しながら、
やさしい粒子になって
零れてゆくこと出来るでしょうか ....
きっと

いつ出会っても

どこですれちがっても

過去でも
未来でも

北の国でも
南の国でも

何度生まれ変わっても

すぐにあなただとわかる

そして

私は ....
きれた風が コップの中
五つの渦を 見上げている

行きつけの船の舵取りにしか
読めない星雲

人指し指をやめない
子守り歌は
コップのガラスをまわり

砂丘におちていく蝶の
石 ....
「まだできないの?。」
と訊かれたので、
「まだです。」
と答えると、
きみは、
すたすたと怪人の手を引いて出て行った。

それから。
ぼくはずっと、
 ....
テレビの画面いっぱいに
モザイクがかかっている
娘は笑って見ているから
面白いアニメか何かなのだろう
低俗なものはきちんと排除され
僕らは安心を手に入れる
新聞の記事にもモザイクはかけられ ....
道端にひとりで咲いてた
君の名前をぼくは知らない
風車のような青い花

君から少し離れた草むらに
君と同じかたちした花たちが集まって咲いていた

どうして君だけそんな冷たい岩壁に
でもとても綺麗だ ....
ここに
銀色のエンジンがあればそれと

あと太陽の動きのような一時間半があれば

ぐるりを周りきれるほどのちいさな島
四方からの潮風にさらされ続けていて

そこで何本もの縄を編んではほ ....
巴里の色を僕はしらない
おばあちゃんは
それは淡い青い色だと言った
夜が乾いていく
するとセーヌ川がたちまち
空に吸いこまれていくのだそうだ

巴里の音を僕はしらない
おばあちゃんは
 ....
昨日は、
日がな一日寝そべっていた。
ただ寝そべっているのも、
何なので。
読みかけの本を数冊。
枕に、
寝そべった。
うつらうつらとしていると、
やが ....
 
 かなしさが流れてうつくしくて、あまいような
 そんな感覚ばかりを欲したわけではないのだけれど
 しょうこりも無いととがめられそうな、なにかを掴んでしまいたかった

 、(あなたの持って ....
むかし、
いやなことがあったりすると
よく近所の公園の砂場に来た
 
いつも靴をぬいで
はだしになって
そっと 冷たい粒にふれた
 
ひんやりとして
きもちよくて
なんだか心が落ち ....
 いずれは誰にでも
 やってくる終わりのときを
 誰が教えてくれるわけでもないけれど


それはまるで
人生という山に積もる雪が
まさにその季節に向けて
静かに融けてゆくように
 ....
はじめて春の木漏れ日をデッサンする人は
黒いスポーツキャップをかぶっている
背骨のひとつひとつが明瞭で
白い服をさらさらいわせ
にぎやかな空白に
筆をさしこむ

そしてパレットの虹は ....
あの日の雨は
小さな川になりました
ときどき私はその川へ行き
釣りをします
ときどき私はその川で
見たこともない美しい
小さな魚を釣ります
私は家の水槽で
その魚を飼います
しかしな ....
        2007/04/29


            
郊外電車の
つりかわが
ぶらぶらと
ぶらさがる

丸い土俵に
手を下ろし
はっけよい
相撲力士は
たちあが ....
遠くの雲が寄ってくる
僕はそいつに親しみを覚える

心の中の気まぐれな破天荒は
あの雲のように
高くなったり
低くなったり
見えなくなったり


目を細め、濃淡の薄まった視界の中で ....
朝焼けに 彩り添える 歌でさえ 笑顔の先に 思い出せると


翳した手 傷は癒えぬと 繰り返し 欠乏の果て 声は枯れゆく


さざ波の 白々しくも 酸い音を 瀬に背に受けて 空 ....
三十過ぎて 
忙しさを言い訳に 
すっかり運動不足の僕は 
最近腹筋をはじめた 

しばらく鍛えてなかったので 
体を起こすたび 
床から上がってしまう両足を 
しっかりと抑えてくれる ....
鉛筆の一側面の上半分が
白く光を反射している
右目で見たときと左目で見たときでは
白い光の領域が違う
僕は透明な手を鉛筆へと伸ばすが
途中で疲れて手は霧消する
鉛筆が置かれてあることと
 ....
今日も君はハイヒールを履いて
チラシを踏んづけて転びそうになって
ガニ股で踏ん張って
舌打ちをしたらやけに悲しくなって
走る必要なんかなかったのに走って
街から外へ出てきた

外に出ても ....
夕暮れの風が皮膚に冷たくあたる頃
さざ波がわたしの足をさらっていく
水にうもれた死は
ゆっくりと潮をひいていく
(ゆれる)
悲しみに
消えてしまった夕焼け
わたしを照らすものは
無 ....
心配事の多い夜に
あなたがまつげを上に向けて
なにもない灰色を
そっとめくる


そらのうらがわには
てんごく なんてものはなかった
ただ
春めいたゆうやけがとろけていて
おも ....
粉を炊く
白地の布を展開する
酩酊による寒け
ナイロンを取り除く

世界を開いて
中身を注ぐ
錆び付いた綱
哀れな焔



あなたの身に余る幸福の
余った部分をください

 ....
    くびする糸者
     冷れみて    児
かなさり住に
    おへよっておへよって
              らびが爺ね

東北新幹線の空洞を貫く抒情性を少しも吸収することが ....
先程
119番を押して
不調を訴えてみましたら
それでは
救急車は出せません、と
言われました
 
症状を
事細かに説明致しましたのに
あの対応者!
病人を助けようとする
気持ち ....
藤丘 香子さんのおすすめリスト(1957)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
「_はながみさま。_」- PULL.自由詩7*07-5-1
実験室65−F- 塔野夏子自由詩10*07-5-1
サナギ一年分- ふるる自由詩21*07-5-1
緋い月- 北大路京 ...自由詩10*07-5-1
光の日- 松本 涼自由詩1107-5-1
式日。- 紅魚自由詩307-5-1
- 桜子自由詩4*07-4-30
古蝶石杖- 砂木自由詩12*07-4-30
「_まあだだよ。_」- PULL.自由詩7*07-4-30
モザイク- たもつ自由詩3107-4-30
道端に咲いてた風車- 青の詩人携帯写真+ ...6*07-4-30
島_きょうかいせん- 水町綜助自由詩23*07-4-30
巴里-フランス租界にて-- 村木正成自由詩9*07-4-30
「_体日。_」- PULL.自由詩6*07-4-30
みっともない恋がしたかった- 弓束自由詩5*07-4-30
原点(公園の片隅の、)- 倉持 雛自由詩1307-4-30
名残雪- ベンジャ ...自由詩807-4-29
春と夢を描くはなし- soft_machine自由詩13*07-4-29
- 小川 葉自由詩707-4-29
トランポリン(改稿)- あおば自由詩4*07-4-29
ライトブルー- チグトセ自由詩5*07-4-29
あいうえお短歌- 山中 烏 ...短歌9*07-4-29
風の声_- 服部 剛自由詩23*07-4-29
- 葉leaf自由詩16*07-4-29
弱い音- チグトセ自由詩9*07-4-29
わたしこんなに悲しくて- 今田コボ自由詩707-4-29
空の刺繍- はな 自由詩19*07-4-28
有食- チグトセ自由詩6*07-4-28
- 葉leaf自由詩17*07-4-28
多分、119- 山中 烏 ...自由詩5*07-4-28

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