多分、119
山中 烏流

先程
119番を押して
不調を訴えてみましたら
それでは
救急車は出せません、と
言われました
 
症状を
事細かに説明致しましたのに
あの対応者!
病人を助けようとする
気持ちは更々ないようです
 
 
症状はこう
 
「あの人の事を考えていますと
 何にも手がつかなくなるのです
 胸が苦しいのです
 現在進行形なのです」
 
立派な病気ではないですか
 
 
しかし
何故かこの病気は
どの専門書にも
載っていないのです
 
その人にこの症状を
お話しましたら
顔を林檎のようにして
私の事を
鈍感、と罵りましたが
 
 
はてさて
一体何という病気なのでしょうか
嗚呼!
胸が苦しくて
押し潰されそうなのです
 
 
多分
救急車は呼べなさそうなので
明日朝一番に
病院へ行こうと思っている次第です
 
しかし、あの対応者
笑っていたのは
どうしてなのだろうか
気のせいであろうか
 
気のせいであろうか


自由詩 多分、119 Copyright 山中 烏流 2007-04-28 12:22:35
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