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剥げてゆく空の下
車輪まわり、まわり
金の音さらに、
さらに遠ざかりゆく
緑金の春に



やあ
俺は
くちべたなんだ
どういうわけだか
とても仲のよいはずの奴と話していても ....
 ニワトリ小屋の扉を開けて
 射し込む朝焼けの光に
 山吹色にかがやく
 あたたかな藁をもちあげ
 あるか
 ないか
 たまごが

 のぞきこむような気持ちで
 布団から起きあがる
 ....
やあ、遠くまで行ったね
久しぶりだ
きみと知り合って
気づけば一年がたった
前きみがいた 地図の西の上のほう
俺の想像だとしろかべの 赤いあつい国
気温じゃなくて水の温度がだ
そこよりは ....
道を歩く
たとえば都会の中の
南北に良く延びた
見通しの良い、ゆるい起伏のある道
道の両脇に少し、窪地のように
段差を持って民家の屋根が見え
ちょうど腰の辺りにゆれている鍵束の
しゃんし ....
冬の朝の肩口を
ふゆ
となぞり、柔らかさを与えてみる
100℃が滑り落ちていく、
白い学校から海までの坂道のなかで
袖をつかまれたまま
伸びきってしまうラーメンのような

(海はきらき ....
 たまご

 雨の日に
 雲の、目をみはる
 ながれの速さに
 あかされる
 ミルクの皮膜を
 くすりゆびに
 掛けて
 あたたかいのは
 どうして
 どのように
 熱せられた ....
 古い油紙に
 絵を描いては
 町をふらつくから
 落として
 何度も
 太陽のもとで

 水たまりに
 浮かぶそれを拾って
 濡れた絵は
 ぼやけてしまうので
 また
 晴天 ....
人波が隙っ歯に駅のホームを行く
あらためて見れば鉄箱に
みんな乗り込んで葡萄の房のような
それくらいの密度で
つぶれて貨物列車だ
果汁に似せた
澱のような

きらめいた
それぞれの
 ....
黒い道路を
雨が流れて
激しい雨が
夜を始めて
光が映って
楕円に歪で


激しい
雨が
降って


鍵盤を

両手で

駄目な

両手で

ちぎれ

 ....
いつもの路地で歩を止めて
通りの向こうに目を遣れば
隙間だらけの
小さな町を
関係のない
繋がり方をしている
建物と僕と真鍮と
霊魂とドブネズミと太陽と

一つの器に雨が降る
笑顔 ....
埃がとれない
枠組の窓は青色のオレンジ
壁紙を伝って
薄目をあけてなぞると
手のひらに体温が付着した
温度何℃?
八月の休暇の名残
この部屋の床が風鳴りをたてながら沈めていく時
午後四 ....
どんな町にお{ルビ囃子=はやし}が鳴り響いて
どんな町で葬列が連なってんのさ
僕は家へ帰る
青と黄色と黄緑のガラス窓が
なにかしらハンマーで叩き割られて
キリキリ、と
破片が落ちてゆく床に ....
 街に日が射して
 コンクリートの
 続く壁面が白く発光しているのを
 たよりにつたって
 あるいて
 その擦り傷のようなざらつきの
 わずかな影のさき
 壁の尽きるところの
 晴れや ....
 熱く、季節が

 とばされていくなか

 黄金に、ビルが

 白い、壁が、こんなにも

 強く、握りつぶした飛沫が、散って

 染め上げていくなら

 いま、青ざめながら
 ....
 排気音が高く
 高く空へ昇って
 陸橋を走るぼくは
 町並みに連なり
 息づかいみたいに
 浮かされて
 白くあからさまな
 積乱雲を
 水平して
 開けていくにつれ
 早く
 ....
みどりいろに見えた空は
そりゃ当たり前みたいに青いわさ
そうやって
きかれりゃあ
そりゃあ

なんかいちまい
目に膜が
かかっとる
うすくて
透けとるのが

はがしてみやあ
 ....
 Quartz
 震えて
 終わりと
 始まりのないものを
 区切っていく
 切り刻んで
 数をあてる
 なにものとも
 名づけられない筈の
 私より薄くて
 鉄も
 昼夜をも含 ....
なみだというやつは
潤んで
ぷくりと膨らんだなら
ふるえ
映えたつめたい青色をくるりと丸めて
珠の中
ちいさな
とてもちいさな
気泡が
深海魚の呼吸音をたてる
ふたつ
もうひとつ ....
空も高くて
青いから
遠くまで出かけようと
二歩歩くと
三歩目を降ろすところに蟻がいて
踏みたくはないので
停まろうとしたが間に合わず
足を上げて見ると
蟻の腹は空き缶のように潰れてい ....
部屋の中で
結実することのない植物の鉢植えが
かたむいて伸びきっていて
高架下のスーパーマーケットには
南の島でもがれた果実が並んでいる
光にとばされた道路の上から
ガラス越しにくわえ煙草 ....






ひと振れ

蝉の声かな
とおい町外れの
森林から
あたかも
きみとは
まったく
かかわりあいが
ないっていう
そんなふうに鳴いて

そのまま ....
―夏至は、もう過ぎています

とか
じつは過ぎきっていた太陽の光、みたいな
ぽかりと口を開けるしかないような
きもち

かげろうが立ち昇るはやさで
泣き顔をつくるひとたちを
遠く道の ....
ケトル・
薬缶をコンロの火にかけている
台所には西日がさしこんで
それは雲と雲のあいまに
ほんのわずかのすきまがあって
そこから覗いたもので
束の間ってやつ
台風は過ぎていったようで
 ....
いつつゆびさきがきみをみる

やわらかい皮膜の中は
どうしたってみずだから

つたってしまって

一本の
跳ねた
よわい針の先までが

とおくゆびさきの
たてるかぜにも
ふる ....
はやい
から

きれて
とんでる
けしきが
ちかくの
草むら
なんて
もう
線だ
恐ろしいくらい
長い
線だ
空気が
固い
いま
どれだけ
もう
壁みたいで
い ....
だからたとえば犬のように
白黒でしかものが見えていなかったとしても
濃淡の薄れゆくところ
色彩の変わるところが
あたらしく欲求がなりかわるところで
ぼくが輪郭と呼んでいた ....
朝になって
公園の湿った土の上に突っ伏していたんじゃないか
雨が上がってむかえる朝のにおいは
ひやりとした黒い土のうえ
収斂していく類のもので
奥に深く潜っていく
噎せ返る速度ににて

 ....
建築物の皮膚が

剥がれていく隙間に

君の片目が見えたら

棘を映しこんでいるから

真っ白になるまで燃やそう

それは緑色で 右か左か

どちらの目なのかわからない内にも
 ....
舌がある
それで君を舐めようか
冷えた舌先が触れるとき
君の肌で
どんな音がするか
固まった
ちいさな
ちいいさな結晶が
溶ける音がするか
こんなすこし暑い季節なら
しゅと
音が ....
曇った空に手をかざす

指の上をアブラムシが伝い歩いてる

ちいさな六本の足を動かし

三十何度かのからだ指の上歩く

人差し指の先のほう

小指の付け根

指と指の隙間

 ....
藤丘 香子さんの水町綜助さんおすすめリスト(57)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
旅行- 水町綜助自由詩1808-4-11
北風、太陽_新しい音- 水町綜助自由詩1208-2-13
遠方へ向けて- 水町綜助自由詩6*08-1-28
mahirunoyumearuki- 水町綜助自由詩8*08-1-7
ベビースター- 水町綜助自由詩14*07-12-7
たまご- 水町綜助自由詩807-12-3
冬のあと- 水町綜助自由詩907-11-29
grape- 水町綜助自由詩607-11-27
- 水町綜助自由詩1807-10-27
俯瞰して、町の路地をなぞる- 水町綜助自由詩707-10-21
夏に見立てたいつかの終わり- 水町綜助自由詩607-10-20
大通りに、投げる- 水町綜助自由詩15*07-10-1
白い壁沿いを歩く日- 水町綜助自由詩1207-9-28
五時に落ちる太陽- 水町綜助自由詩507-9-25
海を見ている十七歳- 水町綜助自由詩1007-9-19
今日とか- 水町綜助自由詩907-9-7
Q- 水町綜助自由詩2407-8-27
なみだ- 水町綜助自由詩13*07-8-13
このような世界- 水町綜助自由詩707-8-10
果物の匂い- 水町綜助自由詩807-8-3
夏についてのスクラップ- 水町綜助自由詩9*07-8-1
七月十七日- 水町綜助自由詩1207-7-17
ケトルか薬缶か- 水町綜助自由詩707-7-15
_- 水町綜助自由詩1007-7-12
- 水町綜助自由詩27*07-7-9
八月の輪郭- 水町綜助自由詩2807-7-7
猫缶- 水町綜助自由詩1807-6-29
東京- 水町綜助自由詩807-6-26
触れること- 水町綜助自由詩29*07-6-22
アブラムシ- 水町綜助自由詩12*07-6-16

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