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そうだなあ。壊すなら街が良いね。とくべつ硬いやつ、と、言ったとき、あなたはもうわたしを愛さないと決めていた。美しいは残酷だから、わたしたちは生きていける。もうずいぶん長いこと言葉に身を埋めて、はっ .... (数字が壊れている)

夏で、いつもより心臓がゆっくりうごいている。
わたしたちは逃げてきた、盗んだものをぜんぶ
忘れるために。おもいのほか空気はおもたくて、
指が濁ってる。天井を塗る途 ....
みていたのは皮膚
あるいは瞳、うなじの汗
でもみえていたのは
世界

あかるい日
部屋のなかで視界をうしなうようなうす甘い幸福
雲ひとつない空のなかに
探したのは影

あの日あなた ....
与えられた絵具の
いちばん暗い所を指さして
言われたことが
愛でした

あんなにためらいなく混ざりあったから
すっかり忘れていたけれど
紫は
海と血で出来ている

ずい分時間が ....
みんなうたわなくなった
夜も 朝も 雨の日も
すっかりあかるくなった
鼠はいなくなった
もぐらはとっくに死にたえた
人びとは 健康であった

ギターもピアノも自動で鳴らされる
楽譜 ....
終わりみたいな
色をつくって
順番に
なめた

どんなふうに
言葉にできたかしら
それら
すべてを

失ったり
奪ったり
してきたことを
言葉にしてしまうのは
都合がよ ....
庭で宝籤が吠えると、赤ん坊はゆるめていたこぶしにすこし力をいれる。両腕をま上にあげたかたちで―頭がおおきくてまだ手がまわらない―眠っている花。
ゴムでできたボールを奥歯のもうすこし向こう側で噛んでい ....
立ちつくしたまま
年をとって
あなたはいかにも穴だらけ
血も流れない顔して

わかったことは少しだけ
部屋じゅうに時計をつるしても
時間は進んでいかない
壁いちめんに穴をあけても声 ....
あなたの黒い長い髪がうたうたび
わたしの胸はいちいちこまかく傷つきました

海岸のガラスみたいになめらかにちいさくなっていくわたしを
拾いあげて陽に透かして
その美しい呼吸を一瞬でも止め ....
角度、模様、ゆれかた
1日ごとに忘れること
空をさす指にのる爪が
いちいちあたらしく光っている
赤や白や茶に落ちついた傷あとや
庭のれんがが古びていくこと
角がまるくなったノートを
 ....
なにか忘れそうなきがしている
なにか
雪が降っている
空が濃く青い
皮膚が張っている
忘れそうな
あなたは昨日から
水色のズボン
なんだっけ
夜は冬の気持
水玉の靴下
泣きご ....
0が1を
たべつくして
朝になっても
明るくない

うすく凍りついた水たまりを割ると
世界の底で
あなたがスープみたいに眠っている
うつむいて泣くひとの影が
だんだんと鏡のように
わたしを映して濁ってゆくので
おそろしい気持のままはしってきた

どれだけの水を注いでも
波はとまらない
空は落ちない
愛で人は死ん ....
見あげた鉄塔は
汗もかけずに
さむざむと鉄色をしている

足もとの濃い影が
すこしだけ揺れて
ふりむいたすべてはあかるすぎて見えない

あかるすぎて
見えないなかで
あなたがあ ....
みじかい夜がおわって
きょうがはじまると
君のてのひらがすこししめってくる
青いような赤いような
夜あけまえ

だんだんとあかるくなってくる
あれは
かきあつめた命が
燃えるから
 ....
さみだれは
あっという間に
食いつくされてしまった

季節の名のつくものは
だいたいひとがむらがって
食いつくしてしまった

けれども
初夏
涼しくわらう目元に
わずかに残さ ....
夫はわたしの手足を縛る、とても適切なやり方をしっている。どうしてだかはわからない。そういえば、最初からそうだった。どうしてだろう。他人なのに。

土曜日だというのに、部活動でもあるのだろうか、制服 ....
わたしたちはFEEDされている。

生きるには時間が経ちすぎている、
絶望は希望よりもすこしだけ早く感染する、
いるといないの合間を貪る猫。
不自由で浴びる、
嘘を吐くときは好きではないが ....
手のひらに
つかむと
すこし音がしたが
死骸が
おそろしく
にぎったまま
眠ってしまった

おきると
部屋じゅうに
重たい光が
あふれている
エンドロールでひとびとは
なみだをおさえて
手をたたいているが
しっている
あしもとにちらかる
ポップコーン

扉のむこうで
ほうきを持ってたっている
ストライプの制服を着た
 ....
そらを見ている
木曜日
ふとんにすわって
見ている

窓枠のほこりが
すこしひかって
あちら側では
木曜日が
ちゃくちゃくとすすんでゆく
わたしはあなたを殺したかったので
音楽をつくった
わたしはあなたを殺したかったので
いちばん美しい言葉をさがした
わたしはあなたを殺したかったので
台所に立って刃を研いだ
わたしはあな ....
冬瓜を煮る。すこし青臭い匂いが指に残っている。

夕方、ディスカウントショップへ行ってハロウィンの玩具をいくつか買って、夫と落ち合って帰ってきた。途中、tooth tooth へ寄ってケーキを二つ ....
いま死ななければいつまでも死ねないきがする。
猫だって花だってかってに死んでくのに
わたしだけいつまでも死ねないきがする
じゃあほかに
なんて言えばよかったんだろう

帰るひとのいるあなたに
帰るひとのいるわたしに
はじまってさえいない二人に

終わりにするためには
なんて言えばよかったんだろう

 ....
あそびつかれて
うす青いそら
およぐ身体に
においがからむ
見てみな
死は
ほら
すぐにつかまえるよ
体や
においや
声や
温度を
すぐにつかまえるよ
こんなにうす甘い朝 ....
あかるい夜の
かなしい部分が
ループする
いのりは届かず
夜はいよいよ
のびきって

かわいた言葉が
なげ出されるころ
しらじらしい
いたみが
部屋の明暗を
分けていく
 ....
忘れないで
と言うには
遠すぎるし

忘れて
と言うには
近すぎる

出会わなければ
と思うには
おだやかすぎたし

会いたい
と口に出すほど
捨て身にも
なれなかっ ....
おもてに出ると
つるつるの夕暮れ
雨が降っていると
おもいこんでいたのに
(2:24)

夏の底では
夜が冷える

縫い合わせた理性では
この泥濘は超えられぬ



(3:39)

季節がかわるときに
おもいだしている
漣のような
残酷さで
 ....
ゆうとさんのはるなさんおすすめリスト(85)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
さるすべり- はるな散文(批評 ...414-7-25
数字- はるな自由詩814-7-16
反転- はるな自由詩414-7-16
- はるな自由詩714-7-4
みんなうたわなくなった- はるな自由詩914-6-22
都合- はるな自由詩214-6-21
息のこと- はるな散文(批評 ...514-5-30
- はるな自由詩714-5-29
海岸- はるな自由詩914-5-16
すてき- はるな自由詩714-5-14
冷蔵庫のケーキ- はるな自由詩914-4-24
スープ- はるな自由詩1114-2-26
正夢- はるな自由詩513-6-8
鉄塔- はるな自由詩312-8-28
夜あけ- はるな自由詩2312-6-21
けれども初夏- はるな自由詩912-5-13
やすらかなこと- はるな散文(批評 ...212-4-15
ふりそそぐ- はるな自由詩9*12-4-13
夜光虫- はるな自由詩712-3-14
ストライプの- はるな自由詩312-1-14
木曜日- はるな自由詩612-1-12
わたしはあなたを殺したかったので- はるな自由詩511-11-13
すること、しないのこと- はるな散文(批評 ...411-10-25
おみそちゃん- はるな自由詩211-10-10
なんて- はるな自由詩311-10-9
泳ぐ- はるな自由詩111-10-8
あかるい夜の_かなしい部分- はるな自由詩111-9-29
失恋- はるな自由詩511-9-10
おもて- はるな自由詩211-9-7
夜と不眠- はるな自由詩611-9-6

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