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彼女は無防備に笑う
笑っているように見える

僕はそれが羨ましくて
弟が居ることを少しだけ恨む

一人っ子の彼女と彼女の両親の
三人の生活を僕は想像できない

考えてみれば僕は
四 ....
拍動し続けようとする循環器
食べ物を消化しようとする消化器
呼吸し続けようとする呼吸器

その自動性はいつインプットされたのか
何処に記憶されているのか

脳に?
臓器に?
細胞に? ....
一般市民向けのやさしい科学技術セミナーを受けに
漢字でも六文字を費やす「六本木一丁目」という
バス停みたいな名前の駅に向かっている

どんな話が聴けるのか楽しみにしながら
ホームドアで隔離さ ....
週休出勤の帰り道
駅のアナウンス(それも合成音声)が
曖昧な事を言っている

まもなく、普通、上野行きがまいります

普通って
それじゃ事によると
上野じゃない所にも行くんだ

 ....
去年の3月から始めた投稿もちょうど1年が
過ぎて投稿数を数えたら108で図った訳で
もないのに煩悩の数に一致して確かにポイン
トに一喜一憂したりいつの間にか自分らしい
と感じるモノに逃げたりし ....
キーボードの手を止めて
受話器を上げる

懐かしい声が僕に呼びかける
同じ社宅に住んでいた近所の小母さん

親父にきた年賀状の返礼に
僕が出した寒中見舞いを見て
驚いて電話をしてきたら ....
半蔵門って何処だ
紫の帯の地下鉄が開通したとき
まず思ったのはそのことだった

銀座/丸の内/日比谷/東西/千代田/有楽町

方角を示す東西以外の路線名は
東京近郊で産まれ育った僕でも
 ....
電車の座席に揺られると
素知らぬ顔で睡魔が襲ってくる
この瞬間も手が止まって意識が飛ぶ

気が付くと携帯電話のバックライトが消えて
真っ黒の画面が虚しく光る
(この機種はどうしてこんなに早 ....
信号待ちの車の中

ふいに
シチューの匂いが

忍び込んでくる

こんなに濃厚なシチューを作る
幸せな家はどんな家だろう
と思うけれど

走り出した車の中
すべては押し流され
 ....
ただ青く色そのものになった空
飛んでいる/はずの飛行機の窓の外には
動かない風景

窓の下には薄いごく薄い雲の海が霞む
空と雲の海/の境界を何と呼べばいいのだろう
白く霞む雲はその下に広が ....
貴方の
意味なんてない
と挑発する詩を読んで
心が
ざわっと動いて

コメントを書いていたはずだった
のに
手元が狂って
書いている途中で消してしまった

あぁ、なんだよ

 ....
?
加速を付けようとする度にガタガタと揺れる高崎線
高速で惰行運転に入っても細かい振動は収まらず

それは日常にはありえない乗り心地で不安で
あまりに快適な運転に馴らされて居たことを知る
 ....
風呂あがりの
ほてった身体を
常夜灯だけがともる
洋室で冷ます

妻も娘も寝静まった
夜更けに
フローリングの床に
じかに座る

柔らかな闇に身を浸すと
穏やかな気持ちになる
 ....
銀座一丁目行き
まるでバスのような行き先を掲げて
開業した際に導入された電車は
千代田線のマイナーチェンジで
目新しさはなかった

けれど当時

沿線に従兄弟の家があったから
山吹色 ....
次女を塾に送って行った帰り道
エタノールの臭いを感じた妻が娘に訊く

 消毒液の臭いがしない?

それを聞いた娘は心配そうな顔で

 おかあさん、ダイエットしすぎ

妻がキョトンとし ....
次女は毎朝
長女は毎晩
鈴を鳴らして
仏壇に礼拝する

その度に彼女たちは声にならない声で
何事かをブツブツと話していて

 何を話しているんだい/と、尋ねてみても

 えー秘密/ ....
月が
30Wの白熱電球の輝きを持って
フラリと空にある

都会の冬の夜空では
どんなに空気が澄んでも
瞬ける星は数少ないから

月は遠慮なしに
夜空を支配できるというのに

少し ....
正月の2日から差し歯の小臼歯が取れる
それもお菓子を食べようとしてポロッと
余りにもあっけなく

松の内のハプニングゆえ開いている歯医者もなく
週明けの月曜日
診療しているのか少し不安にな ....
大掃除の手始めに
なんとなく僕の部屋ということになっている
西向きの洋間
に置かれたまま整理していなかった
書類領収書請求書レシートパンフレット新聞記事コピー
などなんやらかんやら
雑多な ....
「あけおめ」って君からのメールが入る
その軽いノリに時々イラつくこともある
けれど
波瀾に満ちた一年を見送ったいまは
それは灯りにしか見えなくなる
なぁ月並みだけど
いまから初日の出を見に ....
夜のアーケードを駅へと急いでいた

落ちていることを認識できない間隔で
落ちて来た水滴が太ももを濡らして
驚いて足元を見ると確かに路面は濡れていて


朝の路地を駅へと急いでいた

 ....
?                       ?

いつだって馴れないんだ         駅を降りて
麻痺していく            牛飯屋に入って
フェイドアウトしていく感覚     ....
路線名どおり
東京を東西に貫く電車
地下鉄のくせに半分近くが高架線で
快速電車も走る らしくない路線

学生のころ
思いたって全線を乗り潰してみようと
中野駅から西船橋駅まで
無意味に ....
高崎線のドアは必ずしも自動じゃない

特急/快速の待避で5分停車ともなると
駅に着いてもドアが開かなくて
都心の電車に乗り慣れている人が戸惑って
ドアの前で立ち尽くしてしまう

開閉スイ ....
住む人の居なくなった実家
風を通すために帰省して
東京に帰る日の昼食は
味噌ラーメンが美味しいと
親父が通っていた店で食べる

 若いころ札幌で食べた
 味噌ラーメンの味に魅せられた親父 ....
流れついたものが内に秘めた記憶に感応するように見えてくる形がある
それを現実の世界に引き上げることだけに誠実にノミをふるってきた人
立ち上がる形は僕の解釈なんていとも簡単に呑み込むように静かで確固 ....
海の底のような
薄墨色の空を従えて
ヒンヤリと佇む
片側3車線のバイパスを

時速80キロで流す

クシャッと自分の心を
にぎり潰した今の僕には
生理的に合う速度で

ハンドルも ....
僕らは辿り着きたい場所に
巡り会ってしまって
魅了されてしまった

海図を手に入れる間もなく
気が付けば大海原
銅鑼の音も紙テープも汽笛さえなく

もちろん羅針盤もないから
ただ信じ ....
{画像=080808002132.jpg}

朝の路地を職場へ急ぐ早歩きの足元
細い暗渠のコンクリートの隙間から
若草色のトゲ玉がコロンと生えている

思わず足を止めて眺めてしまう
無彩 ....
綿ぼこりが部屋の片隅で
クルクルと回っている
小さなつむじ風が
部屋の中で起こっている

ふたつ、みっつ、
意志を持って踊るように
寄り添ってクルクルと回る


部屋に吹き込む風が ....
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タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
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有楽町線- kauz ...自由詩2*09-1-20
ききちがえ- kauz ...自由詩7*09-1-16
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月夜- kauz ...自由詩6*09-1-10
潜行する暴力性- kauz ...自由詩5*09-1-7
大掃除の手始めに- kauz ...自由詩3*09-1-4
あけおめ- kauz ...自由詩3*09-1-1
インフルエンザ- kauz ...自由詩4*08-12-12
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東西線- kauz ...自由詩3*08-11-23
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