エッセイ
kauzak




朝の路地を職場へ急ぐ早歩きの足元
細い暗渠のコンクリートの隙間から
若草色のトゲ玉がコロンと生えている

思わず足を止めて眺めてしまう
無彩色を背景に彩やかに
現代美術のオブジェのふりをしている

トゲ玉は球体状であるがゆえに
その内側にも/外側にも
宇宙を感じさせる

見慣れぬ異物として
夏の風にかすかに
揺れる


自由詩 エッセイ Copyright kauzak 2008-08-08 00:25:50
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