二人で過ごすためのレッスン
kauzak

彼女は無防備に笑う
笑っているように見える

僕はそれが羨ましくて
弟が居ることを少しだけ恨む

一人っ子の彼女と彼女の両親の
三人の生活を僕は想像できない

考えてみれば僕は
四人で暮らしていた時間が長くて

弟が生まれてから
僕が家から独立するまでの廿年余
次女が生まれてからの十年余

四十年余を生きてきた僕の人生の
スリークォーターは四人で暮らしていて

あと十年は
たぶん四人で暮らすのだとすると
人生の半分を占めるのだ

そんな馴染みきった
生活から二人になったとき

僕はどう振る舞えばいいのか
分からない予感/確信にも近い予感
があるから

もっと君と話をしよう
娘たちが寝静まったら
秘密の場所に隠したお菓子をお茶うけに


自由詩 二人で過ごすためのレッスン Copyright kauzak 2009-04-10 23:48:38
notebook Home 戻る