ベッドが湿っている
湿っていると言うより濡れている
ずぶ濡れだ

予感なのかもしれないと思っているぼく
あまりに突然のことにびっくりしているぼく
かわいらしい
ぼく

ぼくはテレパシ ....
あなたの車のシートを倒すと
そこは背徳感溢れる寝室
闇の目も憚らず抱き合えば
そこには罪悪感の噴き溜め

夜が明ければ
また現実に引き戻されるから
アイシテル
その言葉も今は意味を為さ ....
6本の弦があなたの指に弄ばれて
いつか聴いたような旋律が流れてる
でも、何か違う

あぁ、そうか
調音されていない
狂った音だからだ

日常の中の
日常からくり貫かれた空間

狂 ....
「うみ」
と書けば
白い波が寄せて返し

「そら」
と書けば
どこもでも青く

「もり」
と書けば
木々が香り

「とり」
と書けば
それは翼をもって飛びまわり

「ま ....
天ぷらを揚げているうちに
この世にいるのがわたし一人きりになった
キッチン
みんないなくなってしまった

父も
母も
あなたも
娘も
隣の中村さんも
隣の隣の西野さんも
裏の ....
近しい人の部屋
近しい人の猫
正午 匿名な
正午


ワンルームの壁際の テーブル越しに
片隅の空
南南東に穿たれた網入りガラス
通り隔てるアルミフェンスに
迫り来る連なる家並みに ....
夕方と夜の境目
湖畔の輪郭が紫色に曖昧になったころ
湖に身を乗り出し水平に手を伸ばすと
足元に流れ寄る無数の細かな波が
浮力となって
まるで
湖の上を滑らかに飛んでいるかのような気分になる ....
闇を歩くあなたの素足には
ぎらぎらする光点が
まとわりつくのです

螢じゃありません
火花です
さわれば火傷する
青白い火花です

死せる姉よ
いまも世界の暗い側を歩く
姉よ こ ....
彼女に歌をつくってあげたかった
とってもスウィートでハートフルなやつを
彼女のためだけにつくって
彼女のためだけに歌いたかった

プリンの歌がいいな
うん、いいね

僕はノートに詞 ....
朝の寝床で聞く ででぽっぽぅ
は 夏の息苦しさ
貝塚の丘のぽっぽどり
何を歌うか 
生の証を 風に乗せて
ぽー ぽー ででぽっぽぅ

鉄の扉 内には把手が無い
日曜の午後 鳩が鳴く
 ....
この詩を捧げたい
満たされている人にではなく
孤独に打ちひしがれて
震えているあなたに

<負けないでください>

新宿の地下街の
階段のところで
たまに詩集を売っている
ひとりの ....
あなたから溢れる潮の音が満ちてくる
私は抱かれながらあなたに浸されていく
こんなにも安心して
私は生きている、と思う
フローラの口から
花がこぼれるように
私とあなたの口から
流れ出す
 ....
 雨、そして雨。雨だ雨が降っている。鋪装された道が熱い。その上に降っているのだ。雨だ。こんなにも暗い。その上を彩っているのだ。螺旋に彩るそれを湯気と呼ぶ。湯気、湯気、こっちにおいで。来ない。来るわけが .... 大橋川近くの酒場で
降る雪を
窓越しに見ていた
街灯の灯りの向こうを
大きな海亀の甲羅が流れていった

哄笑と囁き
古いジャズのスイング
青いソフトに降る雪は・・・
触れ合うコップの ....
赤土の荒れた雑木林
青いスモモの藪
カルモヂインの田舎で過ごした
終らない夏休み

素早く指を絡め
戸口で交される囁き
覆された宝石のやうな夏

50M×2.1M×9コース
閉じ込 ....
 たびびと しずかに
 歩き出す
 手ぶらで
 どこかに
 しずかに

 太陽の光
 腹いっぱい
 吸い込んで

 たびびと どこかへ
 歩き出す
 着のまま
 のんびり
 ....
笛の音が滴る 波紋が暗やみに満ちてゆく
私は白く閉ざされ動くことができない
ほんの数ミリ 口から暖かい息が動くのを誰に感づかれまいとしているのか
視線が拡散し 霧の一滴一滴に乱反射する

私 ....
ゴミラは疲れてしまった。
うつむいて
とぼとぼと茶色い海辺をあるいた。

テトラポットが陽気な声で
「あたしはゴミじゃないわよ」と言った。
でもゴミラは知っていた、
テトラポットはゴミラ ....
{ルビ金野成貴=かねのなるき}は金のなる木を育てていた
金のなる木は金野成貴に育てられていた
金野成貴は金のなる木に毎日毎日水を遣っていた
金のなる木は金野成貴に毎日毎日水をもらっていた
金野 ....
『永遠』
という言葉を僕は辞書で調べてみた。
時間が限りなく長いこと。とこしえ。

とこしえ。の意味を知りたくなった僕は辞書で調べてみた。
『とこしえ』
いつまでも変わらないこと。永久。
 ....
コンビニで買ったパンと
手には古い釣竿
ヘッドライトを頼りに
必死でたどり着いた
飛沫にぬれる岩礁

これはいささか無謀ではないか

岩を砕く波の音におびえながら
一人地球の先端に腰 ....
 久しぶりの電話や会話で
 「なんか」という接頭辞だけを繰返して
 うまく喋れない

 話しがしたいのに
 言葉を紡ぐことが出来ない自分が
 もどかしくって涙ぐんでしまう
 
 僕 ....
突然目の前にいかにも怪しげなおっさんが現れて言ったんだ
『恋人と親友、どっちを取る?』
そんなこと聞いてくるから
「両方だよ」
って言ってやったのさ……そしたらどうだい
『欲張りな奴だな、1 ....
ご存じの方もおられるかと思うが私はとある詩の批評サイトを運営している。それを始めて、来訪者の方々に接してみてはじめて気づいたことは、「批評」というとちょっと、と後込みをする方が想像以上に多いということ .... 私はもう涙しません
何故なら、そう決めたからです
だからもう涙しないのです

地球温暖化が進んでいるといわれている昨今
これからの降雨量も心配でしょう?
だから貴重な水資源を失いたくないの ....
何年かぶりに現代詩手帖を買ってみたのは、85年からこっちの詩を振り返ってみようという特集に惹かれたからなのだけれど、それはちょうど、俺が詩を書くのを休んでいた25歳から35歳までの10年間の空白期間に .... たわしはもう
わたしのことなど忘れて
海に帰ってしまった

たわしのかわりに
いわしで風呂の掃除をすると
少し生臭かったけれど
自分も海に帰れたような気がして
そのような気がして

 ....
たわしを買ってきたわたしは
綺麗な洋服を着せて居間に飾った

たわしはどこかわたしに似ていて
わたしは一度もそのように飾られたことなどなかった

日曜日
わたしはたわしを使って風呂掃除を ....
薄幸そうな女が歩いていく
カツカツカツカツ通りを歩いていく

お気に入りの赤いコートを着て
カツカツカツカツとブーツの音を響かせて
薄幸そうな女が歩いていく

背筋をピンと伸ばし
 ....
いろんなものがぶら下がっていたので
ついつい拾ってきてしまった
天井から吊るすと
いろんなものがいろんな色に光り
窓を開ければ夏の風に吹かれて
いろんな音をたてる

シャリン、チャリ ....
狸亭さんのおすすめリスト(850)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
ぼく- 黒川排除 ...自由詩203-9-18
祈り- KEIK ...自由詩103-9-18
調律禁止令- KEIK ...自由詩103-9-17
「___」に言葉を入れてみろ- たもつ自由詩3203-9-17
天ぷら- たもつ自由詩1403-9-17
匿名な正午に- バンブー ...自由詩403-9-17
フライング- 岡村明子自由詩903-9-17
リリスのためのララバイ- 佐々宝砂自由詩103-9-17
プリン- たもつ自由詩6*03-9-16
ででぽっぽぅのうた- いわぼっ ...自由詩3*03-9-15
神様のハンカチーフ- にゃんこ ...自由詩2*03-9-15
無題- 岡村明子自由詩303-9-15
蒸発- 黒川排除 ...自由詩203-9-15
(酒場)- まんぼう自由詩303-9-14
(屋外プール・・・西脇順三郎へのオマージュとして)- まんぼう自由詩103-9-14
放浪する人- 弥生兎自由詩103-9-12
- 岡村明子自由詩503-9-11
ゴミラの消失- 佐々宝砂自由詩5*03-9-11
金のなる木- 桜 葉一自由詩103-9-10
永遠は永遠に終わらない- 桜 葉一自由詩103-9-8
夜釣り- まんぼう自由詩103-9-5
だからキスしようよ- マッドビ ...自由詩403-9-5
恋人か、親友か、…- 桜 葉一自由詩403-9-3
「批評」の「根拠」について- ななひと散文(批評 ...1803-9-3
炒めた玉ねぎは涙の味がするのだ- たもつ自由詩403-8-18
山田せばすちゃんショウ番外編「やんのかこら、現代詩手帖?」- 山田せば ...散文(批評 ...803-8-13
それからのたわし- たもつ自由詩803-8-11
たわし- たもつ自由詩603-8-11
薄幸そうな女- たもつ自由詩303-8-7
夏の音- たもつ自由詩503-8-1

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