牛乳を買ってきたつもりだったのに
袋に入っていたのは
それはそれは立派な
乳牛だった

妻は、こんなものどうするつもり、と怒りまくり
娘は、牛さんが来た、と大喜びをした

毎朝、新 ....
今日は見えないゴミの日だ
見えないゴミの収集車で
見えないおじさんたちが持っていく

見えないゴミのステーションで
隣の岡田さんに会ったけど
見えないので何を捨てているのかわからない
も ....
雨の日は
耳になる

秋は死に
鳥は黙したまま


はじめから
世界は
満ちることなく

ぼんやり
霧にぬれる
地球と鳥篭
朝 目を覚ましますと
世界はとても青く輝いておりました
本当にどうしようもないくらいに
青うございました

わたしのすぐ隣から
「おはよう」と声をかけてくださる
あなたのやさしいお顔も
 ....
すくい取った甘い夢を
流れ星に似た銀色のスプーンで
獏の口に運ぶバイト

夜の闇に似た獏は
いつもそれが当たり前のような顔をして
口をあける


口の中には昨日食べた

ユキちゃ ....
絵描きの描く肖像画は
どれも本物と見間違うほどの
素晴らしい出来映えだったが
どの絵からも
顔の構成品がひとつだけ欠けていた
片目の瞳だったり
上唇だったり
耳たぶだったり
必ずどこか ....
開け放たれた窓
とその影

風に揺れる
白いカーディガン
とその影

鏡に映る
誰もいない部屋
とその影


わたしの耳に住む
花火師がひとり

ときおり
小さな貝殻の ....
めーめー

くろやぎさん

めーめー

しろやぎさん

お手紙書いても

食べられる仲

いいのかそれで!!

めーめー

いいのか…

めーめー

いいな…
 ....
この惑星のこのあたりはそろそろ晩秋で
赤く色づきはじめたハゼの葉が
窓の外に揺れ

この惑星のこのあたりはそろそろ夕刻で
暗くなってきた室内に
パソコンの画面がまたたき
またたき

 ....
蝶々が空を飛んでいきます

信号が青に変わったので
横断歩道の白線を跨ぐ
振り返って立ち止まると
車のクラクションが鳴るので
よく見ると信号は赤だった

白い傘を差した人が歩いています ....
ネギを買いそびれて
僕たちはネギの話ばかりしていた
こんなに真剣にネギの話をしたのは
何年ぶりだろう、なんて

今でもネギを見ると
あの日のことを思い出す
だから僕は
ネギを食べなくな ....
今、寒いと言った
昨日も言った
一昨日も
その前の日も、多分

毎日毎日が
まるで当たり前のように
それを確認するかのように
毎日毎日を

明日、僕は
大好きなあの人と結婚し ....
どうしろというのだ
どうしたというのだ
ささくれているぢゃないか
目頭を溶かしている君
君のことだよ
さらわれたのかい?
おこられたのかい?
なくしてしまったのかい?(はて)

軟土 ....
そのままの静かな脚の間から
見える色は枯葉だった


風と風ではないものの境に
あなたは立っていた


空き地に囲まれた家が
はじめて舞うもののようにふるえてい ....
夕焼けに
あなたをひたしておいたのは間違いだった
体の重みが邪魔でならないというように
身をよじって窓辺のベッドに横たわる
へそのくぼみから腰骨
肩甲骨
うで
まるく光る乳房
あごの下 ....
新宿の路上 ヒッピーをきどる若者達は
ダンボールひいて妙な感触の良さを味わい
くだらないトークを楽しみ
夜明けを待つ 真夜中の歌舞伎町

消えぬネオン街に行き交う人々
ぎたあ弾き語る路上 ....
料金が足りませんからと
窓口の向こうの若い局員は不機嫌そうな顔で
茶筒みたいにふくれた封筒をつき返した
そりゃあ、足りないのは僕の落ち度ではあるし
深夜勤務の彼にはちょうど今頃が
一番眠たい ....
書けども書けども
いくら詩を書けども
思うようにポイントが入らなかった

そこでいろいろと
考えて
すばらしいアイデアを思いついた

僕はちょっとしたルートで
ココに来ている人の住所 ....
「エロビデオのセックスってさ、こう、なんでいつもオトコはみんなマンガの書割みた
いにのっぺりと影がうすいんだろー? ・・・オンナはオンナで自分の快楽ばっかに集
中してなんか機械みたくアヘアヘ鳴 ....
くちびるに海苔がついているから
愛してる
って言葉も
何だかシャケっぽい
芝生にはたくさんのシートがひかれて
僕らのピクニックは
その一番隅っこ
風で泳いでいかないように
いろいろ ....
「ふ」を付けただけで
不幸せになるのなら
最初から幸せなんていらない

「む」を付けただけで
秩序を失ってしまうような世界は
多分まぼろし

「み」を付けただけで
来るのだろうか ....
赤い辞書

君の持っている赤い辞書に
夕焼けは
挟まれている

もう長いこと挟まれていたので
辞書の文字が夕焼けに溶けて
世界がぼやけて
君の世界がぼやけてゆく

のを見ている ....
テーブルの上に何かを忘れてきてしまった
いったい何を忘れてきたのだろう

それは大きなもの
ではなかった
かといって小さなもの
でもなかった
賞味期限が切れそうなもの
でもなく
 ....
「そもそも、わしが生きていたころは」
生きていたころは、なんて言うくらいだから
やって来たものは
今はもう生きていないものなんだろう

「そもそも、わしが生きていたころは!」
今はもう ....
愛飢え
丘聞く

濃さ
死す背育ちつ
手となりぬ根の
這ひ
増へ




母屋
射ゆ
獲よ
羽を
透明な波が
どこからかやってきて
ささささあん、ささささあん
とうち寄せてくる

けれど
透明な波はあまりに透明だから
私はいつもそれに気づかない

例えば
静かな朝の食卓
箸を ....
濡れズボンが風にそよいでいる
明日ごろまで生きていれば
多分それを穿くわたし
ねえ
あそこに流れていくものを
いつから雲だと知ったの
深夜、バスに乗る
乗客もまばらな車内
運転席をのぞくと
濃紺の制服を着た父が座っている

昔、一度だけ
大人になったらバスの運転手になりたかった
という話を聞いたことがある
どこかで何 ....
桜の枝を折ったジョージは
一生砂漠の砂を数え続けるという
罰を受けた

ああ、それならいっそのこと死刑にしてください
そう懇願したが

いやいや、罰とはそういうものなのだ
裁判長のこの ....
『ルネサンス』の「序論」でペイターは「美は、人間の経験に付与される他のすべての性
質とおなじく相対的で、その定義は、抽象性を増すのに比例して無意味、無用となる」と
言う。そして「『対象をあるがまま ....
狸亭さんのおすすめリスト(850)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
一杯の牛乳のために- たもつ自由詩1903-11-2
見えない- たもつ自由詩803-11-2
記憶- 青色銀河 ...未詩・独白503-11-2
青い世界- 青色銀河 ...未詩・独白403-11-2
獏バイト- 暗闇れも ...自由詩203-11-2
欠落- アンテ自由詩14*03-11-2
或る午後- 青色銀河 ...自由詩303-11-1
めー- 暗闇れも ...自由詩203-11-1
九十億のそのつぎの- 佐々宝砂自由詩603-11-1
またとない別れのために- ふある自由詩503-10-31
ネギ- たもつ自由詩1603-10-30
確認- たもつ自由詩403-10-30
雨・朝食物語- 湾鶴自由詩403-10-29
ノート(ふるえ)- 木立 悟自由詩703-10-29
カーテンコール- 岡村明子自由詩603-10-29
バビロン街の夜明け- 服部 剛自由詩803-10-28
Please_Mr._Postman- 山田せば ...自由詩24*03-10-28
なかなか高ポイントの詩が書けないので頭を悩ませてみた- 桜 葉一自由詩403-10-28
モグワイ- 石原大介自由詩7*03-10-27
ピクニック- たもつ自由詩603-10-27
抱きしめる- たもつ自由詩803-10-27
夕焼けが足りない_5- AB(な ...自由詩1303-10-26
忘れ物- たもつ自由詩1603-10-24
ぱくぱく- たもつ自由詩203-10-24
五十音の実験- 岡村明子自由詩1203-10-22
ぷかぷか日和- たもつ自由詩703-10-20
明日ごろまで- たもつ自由詩903-10-14
約束- たもつ自由詩603-10-7
砂漠- たもつ自由詩603-10-7
ペイター「ルネサンス」(1)- 藤原 実散文(批評 ...3*03-10-6

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