ごすいって
ひすいに似たような

たおやかに
睡り続ける
午後
もくもくと
宝石になる練習をしよう

纏足の爪先から
あたたかな成分が溶け出していく
あらがえない{ルビ麻薬=レ ....
夜ごと女は白面を貼りつけ
コラーゲン、ヒアルロン酸、レチノール誘導体
スクワラン、高麗人参エキス、丁子エキス
零芝エキス、甘草エキス、陳皮エキス
当帰エキス、真珠エキス
面皮が乾くと浸透の幻 ....
光が次の
季節を連れてくる
風はそれを
押し戻そうとする
雨が次の
季節を置いていく
人はそれを
なかなか見つけ出せない

ひと雨ごとに
行きつ戻りつしながら
季節は摺り足で ....
なぐさめが
嘘だと知っていた
けれど
この世の中に
ほんとのことなど
在るのだろうか

わたしの躰に産みつけられ
冬を越した
薄黄色い{ルビ卵=カプセル}が
もうすぐ
孵化を始め ....
粉雪のリフレイン
埋め尽くす真っ白な想いは
あなたに会いたくて会えなくて募って行く

悲しみのリフレイン
降りしきる雪の華の中
私はひとりきり淋しさを{ルビ弄=もてあそ}ぶ

あなたに ....
て何だ
ガソリンスタンドはこればっか
客に手を汚せというのかしら
石油の匂いは嫌いじゃないけど
まどっちかゆーと愛してるけど
可燃性危険物がボタボタ垂れるレバーハンドルを
何で金払ってまで ....
あなたは
とても綺麗に微笑みながら
水のような滑らかさで話をつなぐ

わたしは
そんなあなたに見惚れながら
あなたの綻びを探してしまう

あなたは
笑っていないほうの目でわたしの ....
冬の落ち葉は屋根ですね
虫は春の夢をみる
柱も窓もないけれど
いのちが育つ
そのために
必要なものはそろってる
無用なものは何もない

あなたに家があるように
わたしに家があるように ....
娘と一緒にドラッグストアーに行って
「好きなものをひとつだけ買ってあげるよ」
と言ったら
「ホチキスが欲しい」と言う

「ホチキスならうちに二つもあるでしょ。
塗り絵の本とか色マジックのセ ....
少女。
それは木漏れ日の中で
つぶやく独白、
少年。
それは崖の上に立って
口づさむ旋律、

細い指と指を
触角のように絡めあって
紡いでゆく生糸

まるくやわらかな
 ....
鈍い痛みの中でめが覚めた
鳥の首を絞める夢を見た
窓の外はいつもよりも薄暗く
雲泥がたちこめている
分厚い緑色のカーテンは
陽光を頑なに拒む鎧戸のようで
その重たい質量に安堵する

 ....
シロツメクサに
私はなろう
遠い
異国のビードロを

木箱に
そっと包み込む
同胞たちの
笑顔のように

こわれてやまぬ
あなたの心
私は
そっと包み込む

花で
ある ....
       うす汚れた魂を
       夜更けに洗う
       洗面器に冷たい水を張り
       ひとつまみの塩でもみ洗う
       不信と後悔がにじみ出て
     ....
湯に首までつかると
毛穴という毛穴から吐息が漏れる
立ち昇る湯気が
表情筋をひとつずつ解体していく

たぷたぷ

あごの先端から始まった
温かいさざなみが
湯船のふちを円やかに乗 ....
{引用=
 雪の散りまどう午后
音の波もやみ 記憶の
時の 歩みは、さかのぼる

 冬のぬくもりらしきものが
わずかに溶けだして
軒下に細い指骨をつくった

 一尺ほどもある{ルビ氷 ....
赤いウミウシの模様であった
デパートの包装紙
それで母はちゃっちゃかと洋服の型紙を作る
かつて何かを包んだものの匂いがしていた

ヒトガタに切った人形が
夢のなかでトモダチになるように
 ....
直ぐに裏返るその舌はダメ

不安?



反発ばかりしていて
慣れていない発音の不自然さは
個人授業してあげるから


お仕事はちゃんとやってね





 ....
結晶の木々が
悪霊とともに
凍りつく
内臓が腹から飛び出し
辺り一面に
器官という器官が
さめざめと
泣いている

結晶の木々が
精霊とともに
歌いだす
ぶらりぶらんこ
ピエ ....
書こうとしたことを忘れてしまって
空をノックした
誰も出てきてはくれなかった

書こうとしたことを忘れてしまって
目を擦った
視界がさらにぼやけて
手からしょっぱい匂いがした

書こ ....
戦場へ赴く男たちの頬は
どれも蒼褪めて
眼だけが真っ赤な
獣のようにぎらぎらと燃えた
そして一様に
目指しているのだと言う
その先には
膨張しきった黒い太陽があった
女は男の眼 ....
たとえば
悪意であったなら
オブラートに包んで飲み込む

たとえば
優しさであったなら
丁寧に蒸留したあと
春色のカプセルにして
冬に打ちひしがれた小鳥のために
蒔いておく

た ....
おまえが将来
大人になれば
ときには重い困難を抱えて
たぐる糸もなく
色を失った世界に
途方にくれることもあるだろう
そんなとき
思いがけず差し伸べられる
手のひら
それが、ありがと ....
シクラメン曇りガラスの向こうから微笑み返す師走の窓辺

気づいてよヤドリギの下に立つ私キスして欲しいなんて言えない

雪の降る聖なる夜に祝福をポインセチアの火よ燃え続けて

凛とした清楚な ....
僕の家の水道水には
カルキとカルマが含まれている

カルキは浄水器で
取り除けるかもしれないけれど

カルマはおいそれと
消えて無くなってはくれない

僕は毎朝
カルマで顔を洗 ....
初々しいと言えば
きこえはよいが
あのころの私はとても無知だった

結婚して初めて過ごす夫の実家でのお正月
おせちに「くわい」を炊くという
新種の宝石のような
淡い水色でつやつやの丸い物 ....
ブラ紐なおす白い手がある 六月の朝に好きな人に会う。

新しいときの創造は過去を手放すことなのに、音をたてて崩れる国のまえで、いまは少しも淋しくなれない。

ほんの小さな単語たちにも特権は与えられる。神は完全な意味で公 ....
あの頃よりも綺麗になった君を
呼び止められなかった右手

苦し紛れの甘い褒め言葉に
不覚にも照れてしまった右手

掴み損ねた夢みたいなものを
慌てて誤魔化そうとした右手

振り返 ....
その叫びは
のどもとを切り裂かれても
大地を揺るがしつづけた
橋の上の
絵巻の中の真理にも似て非なる
声を失った叫びよ
先端に棲みついた幻想が
路傍の杖を振りまわし
あらゆる影のかたち ....
夜の天幕はマグネット
キミが蹴ったつまらない石ころを
引き寄せて
星にすりかえる
朝が来るまで
せめて忘れたふりしてる

自分が永遠に満たされることのない
闇であることを

さみし ....
atsuchan69さんのおすすめリスト(9286)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
午睡_或いは崩れ落ちる砂の壁- そらの珊 ...自由詩24+*13-2-23
仏壇をんな- salco自由詩9*13-2-20
雨水(うすい)- nonya自由詩27+*13-2-19
宴_/__春の祝福- そらの珊 ...自由詩19*13-2-18
粉雪のリフレイン- 未有花自由詩10*13-2-4
セルフ- salco自由詩7*13-1-27
ウラ- nonya自由詩30*13-1-26
小さなおうち- そらの珊 ...自由詩21*13-1-25
ホチキス- 夏美かを ...自由詩41*13-1-25
まゆ- 衣 ミコ自由詩413-1-25
パンセ- 衣 ミコ自由詩713-1-25
シロツメクサ- umineko自由詩24*13-1-22
洗面器にわたしが溢れるとき- 石田とわ自由詩32+*13-1-22
たぷたぷ- nonya自由詩27*13-1-19
遠い冬- 月乃助自由詩6*13-1-19
かりぬい- そらの珊 ...自由詩34*13-1-17
個人授業- 鵜飼千代 ...自由詩9*13-1-17
雪の季節- within自由詩8*13-1-14
書こうとしたことを忘れてしまって- 小原あき自由詩21*13-1-13
黒い太陽- 衣 ミコ自由詩713-1-13
調剤室で- そらの珊 ...自由詩27*13-1-11
贈るほどでもない言葉- 佐野権太自由詩8*13-1-9
Flowers_〜冬〜- 未有花短歌10*13-1-7
カルマ- nonya自由詩29*13-1-3
くわい- そらの珊 ...自由詩30*13-1-1
ブラ紐なおす白い手がある- 北大路京 ...自由詩412-12-31
六月の朝と植物- 乾 加津 ...自由詩15*12-12-29
まねきねこ- nonya自由詩20*12-12-29
叫び/岸辺- 綾野蒼希自由詩3*12-12-28
マグネット- そらの珊 ...自由詩20*12-12-28

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