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お誕生日はよく晴れた。いつものように洗濯機をまわして床をみがいたあと、夫がベビー・カーを押してくれたので公園まで娘と手をつないでいることができた。
午後は眼鏡を新調したあとでお鮨をたべにいった。安い ....
実家にはいま父と母が住んでいて、いまは、黒い子犬も住んでいる。
母が名付けた、「宝籤」という意味の名前を呼ぶと、尻尾と耳をすこしふって転げてくる。それも、この二週間でずい分としっかりした。
宝 ....
曇天。呼び出しに答え、すぐに放り出されたあと、ひとりで水族館へいく。
締め切り時間間際にくぐるゲート。入ったあとすぐに、うしろでシャッターが閉まる音。

館内は暗く、ごく控えめな音量で歌詞のない ....
 もはや自殺は古い。

 昨日、友人と一緒に夕方に久々にお酒(一缶と一瓶)を飲んでかなりかなり久々にオーバードーズ(パブロンA)なんてものをして、眠剤と抗鬱剤を処方通りに飲んだら一時間半後に目が覚 ....
ある種の恋愛をすると、わたしはかなしくなってしまう。それが順調にいっているかそうでないかとは関係なく。むしろ順調にいっているときに。途方もなく、きりもなくかなしくなってしまう。意味もなく、理由もな ....  この季節にはめずらしく、お空の青い日でした。上人さまがいらしったときにはもう、わたしの指先はつよい陽射しにあてられて、だるまのようにずくずくと溶けはじめていました。墨染の衣の上人さま。ずっと待ってい .... 果物はみな少なからず官能的だと思うのだけれど、桃なんてその最たるものだ。たたずまいや、匂いや、舌触りや、もちろん味も。
桃の皮を剥くのって、肌を剥くのとも似ている。薄皮を剥がす感じ。熟れた桃の、 ....
写真を撮らなくなって一年ほど経った。しかし少しまた絵を描くようになって、カメラを使っているときにはほとんど絵を描いていなかった、文章だけはいつのときも書いている。
物事をおこなう上で(ここでは創 ....
向かいの屋根の瓦にはまだすこし雪が残っている。祖母の家から預かっている蘭の葉が黄ばみはじめた。髪の先だけを少し赤く染めて、わたしは座っている。
選ぶことがすごく苦手だった。どうやって選んでき ....
彼は模試で学年4位を取ったらしかった。彼は誰にも話さなかった。定期テストでクラス1位の女子が興味ないという風に友達とはしゃぎながら横目で彼の用紙を見る。彼女は25位だった。

「先 ....
 めったにないことだが、仕事で都市部にでなければならないことがある。そんなとき交差点を歩いていると、あまりの人の多さに眩暈がするのだが、同時に誰かがつけていた甘い香水の匂いに触り、私は先輩を思いだす。 .... あたしは 今日も 錆びかけた個室で ベッドにはいった
いつごろからそうしてるのかわかんない けど 法律で決まってるから
{ルビ駅=シンシツ}は人もまばら そろそろ発車だからね
個室は最初 カタン ....
 とある町にとある平凡なアパートがあって、それはハイツユカリだとか、中町コーポだとか、なんだかそんな感じの名前のついた、べつにオートロックでなければガスコンロが二口あるわけでもなくて、ユニットバスだっ .... 祖父は人望があり教養があり武道にも長けていて体つきも良く美男で髪の毛が黒々としていて緩やかなウェーブを描いていてふっさふさだったらしい。
俺の近所には日本で初めての民間飛行機場があったというところが ....
君は黒猫が居れば「風景にストーリーが生まれる」という。
だから僕は、白みがかった鯖虎の飼い猫を黒くペンキで偽装することを妄想する。
「馬鹿じゃないの。頭大丈夫。」
「だって黒猫であれば、物語が生 ....
もういなかった。携帯さえ役に立たないものはない。二十歳は永遠に残らない。写真を見ると私はきまって泣いていた。言えなかった。声がない。もうどこまでも一人でわが道をシネスショコタービッチのような空をあ .... どれだけ走り回ったのか、最早わからない。
喉の奥から、ヒューヒューと変な音がする。
脇腹が悲鳴を上げ、自然と足が止まる。
「ゼェゼェ…まいたか…?」
後ろを振り返って見るが、人の追って ....
「三本目の煙草・僕らが帰りたい夜、二度と帰れない夜」


僕とロイドは、ライチが来るまでの間も、
イチャイチャにも満たない様な時間を楽しんでいた。
キスをする事も無く、ただ手を繋いだり離した ....
「二本目の煙草・牛込神楽のセブンスター」

僕は地下鉄大江戸線を降りて、改札を出る。
携帯に道順を示したメールが来たので、それを頼りに、彼女の家に向かう。
一度、通り過ぎてしまって、引き返して ....
アルカロイド:窒素を含む一群の有機化合物で、主に植物体から単離される塩基性物質。
分子中に窒素が結合していて、そのためにアルカリ性を示すので、
「アルカリもどき」を意味するのでアルカロイドの名があ ....
体の傷は癒えても、心の傷は癒えそうにない。


デッキに出る。潮風を浴びる。手を広げると微かな浮遊感を感じる。船団を組み、真っ白な帆を張り、未だ見ぬ神秘を目指し錨を揚げたのはいつの時代だったか。 ....
携帯電話の電池が切れかけている。私の電池も切れかけている。38時間近く眠っていない。忙しかったのではなく単に眠れなかった。眠剤がきかなかったのだ。時々こういうことがある。交替制の工場で働いていて生活リ .... 自尊心をちょうだい。
勇気をちょうだい。
なみならぬ身体能力をちょうだい。



橋で月をみていた、一人で。魚が泳いでた。
月はまるくてほのかに光ってた。私は池に落とされた。
 ....
別にそんなに私の名前が変わってるとか、あんまり思わないんですけどね、
いたって普通だと思うんですけどね。
だからそんなに興味ないと思うんですけどね…ぶつぶつ…
でも一応お答えしようかなと…ブツブ ....
 
 目からミルクを出して見せるのは電撃ネットワークの誰かだ。名前は知らん。おれの場合、ミルクを出す箇所はせいぜい鼻ぐらいなものだ。あのツんとくる衝撃は嫌なものだねえ。最近は出してな ....
アオゾラ誤爆さんの散文(批評随筆小説等)おすすめリスト(25)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
ちいさいのこと- はるな散文(批評 ...616-2-29
犬のこと- はるな散文(批評 ...512-11-16
まんぼうのこと- はるな散文(批評 ...312-3-23
アンチ・アンチ・アンチ- 榊 慧散文(批評 ...311-11-13
奪うのこと- はるな散文(批評 ...311-8-11
雪仏- paean散文(批評 ...111-8-8
桃のこと- はるな散文(批評 ...711-8-2
作るに関する覚書と考察- はるな散文(批評 ...611-5-9
美しいこと- はるな散文(批評 ...211-2-17
脱皮- 榊 慧散文(批評 ...409-12-31
花は女の匂いがする- 亜樹散文(批評 ...409-10-13
レールウェイの先は霞んでいる- 竜門勇気散文(批評 ...1*09-5-29
ハイツユカリだとか、中町コーポだとか、なんだかそんな感じの名 ...- リヅ散文(批評 ...3*08-10-29
彼岸- 榊 慧散文(批評 ...6*08-9-20
黒猫ストリート- 秋也散文(批評 ...1*07-9-25
___彼氏と彼女の最後の日- 紅山「そ ...散文(批評 ...307-9-14
Dead_or_Smoke_〜逃亡者〜- 虹村 凌散文(批評 ...2+*07-8-12
記憶の断片小説・ショートシネマ_「ロイド」- 虹村 凌散文(批評 ...1*07-8-3
記憶の断片小説・ショートシネマ_「ロイド」- 虹村 凌散文(批評 ...1*07-8-2
記憶の断片小説・ショートシネマ_「ロイド」- 虹村 凌散文(批評 ...1*07-8-1
今夜月明かりに虹を見る- rabbitfighte ...散文(批評 ...3*07-7-18
夢みたい(親指1000字エッセイ)- 佐々宝砂散文(批評 ...507-3-4
小さな一人旅- 李恵散文(批評 ...7*06-11-21
人生に影響を与えないような些細な疑問〜何故アザラシと戦うのか ...- アザラシ ...散文(批評 ...22*05-9-29
設計図なしで人間をつくる- カンチェ ...散文(批評 ...104-2-12

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