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鼻毛出てるよと言われた。
まあいずれにしろ出ていたので善しとした。
体調の悪そうな亀みたいと言われた。
まあいずれにしろ亀は好きなので善しとした。
あなたっていつも煙草吸ってるねと言わ ....
平凡でありきたりな人生に
幸せを感じる人もいれば
不幸だと嘆く人もいる
青い鳥を探す旅に出て
力尽き星になった人がいる
誰もが彼を嘲笑ったけど
その死に顔は満たされていた
どれが ....
年が明けたから新年なのだけれど
「あけましておめでとうございます」のことばが
カチンと一コマ カレンダーでくり上がる
久しぶり 夕暮れに大阪駅で降りると
HEPの赤い大観覧車のすぐ横に
....
ほら、あんなにさがしていた空が
ここにはたくさんあるじゃないか
気まぐれな
ときにはどしゃぶりで泣きついて
ときにはからっとした笑顔をくれる
ほら、あんなにさがしていた空が
....
自ら逝く勇気など始めから無いもので。
だったらいっそ。
あなたが逝ってくれねーかなぁと思ったりして。
でももし逝かれたらすごい勢いで崩れるの分ってるし。
忘れた泣き方なんて思い出しておもい ....
たとえば
地下鉄のホームにゆらめく陽炎を見ることができたり
たとえば
街中の吸い殻捨ての汚れが気になったり
そういう人だけが
私と出会えるのよ
そういう人だけが
私といても大丈夫で
そ ....
右足の甲に落ちた水滴が
全身のわずかな震えを止めて
律儀な夜は昼となり
見知らぬ今日が明るみにでる
私の琥珀色の影は
夢遊病のような顔つきで
あなたの記憶のどこかに
住 ....
花が好きだったばあちゃんに
花を摘んで帰ると
十日に九日は叱られる
「野に咲いとうのが｛ルビ美＝うつくー｝しかと」
だから摘んで来なさんなと
ばあちゃんの手のひらはまめだらけ
ばあ ....
美しい世界 光輝く世界
乱れていく心ではゆがんでしまう
かずかずの過ちを犯してきた
かずかずの試練に勝ってきた
負けてきた
こころが乱れて眠れない夜
朝の ....
小さな夜
小さな部屋に
小さな明かりを灯して
泣き叫ぶくらいならどうか
美しく歌わせてください
姿なく鳴く鳥の声は染み渡り
深く胸のうちで跳ね返り
まるであなたを ....
泣けるくらいの悲しみならば
それは言葉にならなくていい
シャウト！
吹き溜まりの街角で、自転車に乗ったおじさんが
何を言ってるのかわからないでいる
イカレテル
そん ....
農家の母屋を改造した学生下宿が
家賃一万円の住処だった
わたしは床の間のある客間の六畳
一二畳の居間には親友が
離れの六畳には先輩が
隣の六畳と四畳半には後輩が
それぞれ巣くっていた
....
さかさまつげ と診断され
父に手をつないでもらって
眼科に通って いた頃
診察してくださった先生は
遠くをみつめなさい と言った
遠くの山の緑 遠くの景色を
とても 眼にいいか ....
体温を逃がさないように
君は丸くなって僕の隣りで
いつものように
まだ寝息を立てている
まるで小さな生き物が
昨日も生き抜きましたと
陽光に告げるように
寒い、寒い、いつもの朝
....
