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小枝の先に小さな緑が現れる頃
もう何度も使ってきた
「新しい」という言葉は
やはり新しいのだと不思議に感じる
今まで使ってきた言葉に
何かが足され
何かが積み重ねられ
今までにはない感動 ....
朝焼け
太陽
昇らないで
照らさないで
すべてのものを
痛みや傷や
不確かなものまでもすべて
無慈悲に
暴力的に
曝け出させる
暴いてしまう ....
赤い風船は空に向かって上っていった
高いところから見下ろす風景を見て
ハイな気分になっていった
下から吹き上げる気流が
自分の足をどんどん持ち上げてくれる
もうすぐ雲に届きそうだ
すると雲 ....
未来なんて見てきたもんだから
毎日が退屈になっちゃった
未来なんて見てきたもんだから
想像する楽しみが減っちゃった
未来なんて見てきたもんだから
選択肢がなくなっちゃった
....
どこにでもある公園の
どこにでもある家族四人が遊んでいる
けれどもその家族には
家はなかった
それでも着ている服はちゃんとしていたし
髪の毛も長すぎず短すぎず
食べるものも食べている
と ....
鏡は自分にだけは
正直でありたいと思った
常に見るものに
反対のことを教える自分に
罪の意識を感じていた
だからせめて自分だけは
正しいものを正しく見たかった
だがそれは
自分が逆さま ....
生まれ出る感情は
どこから湧いてくるのか
わからないけれど
森の中の泉のように
こんこんと
形を留まらせずに湧き出して
全身に流れてゆく
ある流れは海のような夢へと
広がってゆく
あ ....
ひりひりとした皮膚の隙間から
言葉や感情が飛び出していく
熱を帯びた体はなすすべもなく
意識の遠のきかけた瞬間にまた
大事にしていた言葉一欠 飛んでいった
空に溶けていった ....
終点の駅に着いたので
降りようとしたら
網棚にかばんが置いてある
すでに乗客は誰もいない
きっと忘れ物なのだろう
駅員さんに届けてあげよう
かばんはとても軽かった
何も入っていないのかも ....
あなたは いま
せかいよりも
ふかく ねむっている
その ゆめのなかで
わたしは いかされている
*BGM→http://www5a.biglobe.ne.jp/~eis/j/h ....
歯車は旅に出た
今まで一緒に回っていた他の歯車と
どこかかみ合わなかった
自分の歯数を嘆いたり
他の歯車の歯数を責めたりもした
それでもやはりその場にいづらくなって
人知れず早朝に旅立った ....
今日はお姉ちゃんの卒業式だ
昔から卒業式はだいたい
今度入学する中学校の制服を
着ることになっている
お姉ちゃんもその一人だ
ぼくはいつものように
朝ごはんを食べている
いつもはみんな一 ....
道は眠っていた
空になった夢を見ていた
春の暖かさに包まれて
とても気持ちがよかった
こうして一日中のんびりと過ごすのは
久しぶりだった
時が止まって
このままでずっといられたらと思った ....
その鏡を見ても
その鏡は何も映さなかった
鏡から離れて
鏡が見えなくなるとき
その鏡は映したものを見せるという
しかもそれは映した過去ではなく
今そのものを映し出す
鏡が映した姿を見たも ....
ある日からだった
鳥たちがいっせいに地下を飛ぶようになった
空を捨てて森を捨てて
鳥たちは土の中へと潜っていった
地上には鳥の姿は見られなくなった
人間は鳥の居場所を探したが
かなり深くま ....
あたしの気持ちが解んないって
あなたいつでもそう言うけど
つないだ手 離さないって事は
あたしの気持ち解ってるって事だよ
ほら あなたの手
こんなにも暖か ....
時が吹いてる
風が経つ
風が吹いてる
時が経つ
なんの違いがあるだろう
おんなじ力の連鎖だろう
一生という時間を想うとき
一生という風を観てしまう
....
雲のように
雄々しく自由気ままに
空という人生行路を流れ行く
時には羊のように{ルビ溌剌=はつらつ}と
晴天の空を駆け巡り
時にはどんより{ルビ鈍色=にびいろ}に
大地を覆いつくす影と ....
空っぽになったぼくの頭の中は
乾いた風しか吹いていなかった
それでも
どこからか歌が聞こえる
初めて耳にするそのメロディーは
どこか懐かしかった
空っぽの頭の中は
それだけで十分だった
....
海だって
ずっともぐれば
マントルに着くし
空だって
ずっとのぼれば
宇宙になるし
宇宙だって
ずっとずっと先には
きっと終わりがあって
永遠なんて どこにも存在 ....
私は影でした
ずっとあなたの側に寄り添い
どんなときもあなたと
歩を共にし
あなたの見るものすべてを見て
あなたの感じる事をすべて知っていました
太陽の ....
逢いたいと、口に出してしまえば簡単だけど
わたしは自分でブレーキを踏む
逢えないこの時間も、恋の一部だと思うの
逢いたい
逢いたい
逢いたい
たくさんの逢いたい ....
海に穴が空いていた
ぽっかりとしたその穴は
なぜか魅力的だった
吸い込まれるように入っていくと
太陽がごうごうといびきをかいて寝ていた
邪魔にならないように脇を通り抜けて
どんどん下がって ....
朝から雨が降り続くからといって
今日の月は見えないわけではない
たとえ満天の星空だとしても
今日はもともと見えないのだから
それぞれがいつものように朝を迎え
いつものようにいつものような ....
やあ 今日もまた会ったね
どうしたのさ そんなに怖い顔して
嫌な事でも言われたのかい?
大丈夫 君が人を許せる事
僕は知ってるから
どうしたのさ そんなに悲しそうな顔して
....
その花を見た人は
誰もがきっとこう言ったであろう
何て美しい花なんだ
その花は暗い暗い谷底に咲いていた
その花を見た人は
誰もがきっとこう言ったであろう
何 ....
初めはわずかな風でした
やさしい風は
そっと教えてくれました
春はそこに来ています
いつもとはどこか違う風でした
やわらかい風は
ふっと通り過ぎてゆきました
春はもう来ています
....
私の空
君の空
私と君の空
今まで遠かったものが
近くなる
私の夢
君の夢
私と君の夢
今までバラバラだったものが
一つになる
私の喜び
君の喜び
私と君の喜び
今ま ....
ひとひら手のひらに舞い落ちる雪
触れたら溶けて消えるはかない命
かたくなな君の心を溶かすために
僕は幾夜も眠れぬ夜を過ごした
その冷たいまなざしはまるで雪姫
誰も愛することはない
....
ぼくはぬいぐるみ
くまだよ
白いよ
いつも笑顔だよ
この家にきてから
二十四年
ぼくをこの家につれてきた
おじいさんはもういない
おととし星になっちゃった
この家にきてから
....
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