すべてのおすすめ
できるだけ遠くまでいこう
できるだけ離ればなれになれるように
声もおもいだせないくらいに
いちばん遠くまでいこう
いちばん遠いもの同士になれるように
顔もおもいだせないくらいに
....
かいていのえきで
でんしゃをまっている
ホームにはだれもいない
ときどきだれかくるけれど
いつもきまって
うえのほうにうかんでいく
このごろは
でんしゃもくるようにな ....
はじけるから雨なんだね
ぽたり
静かな夜に
ぽたり
私の心にも
おちてこい
どうして
瞳が濡れるの
秋になったのに
秋を受け入れられなくて
半袖の腕を
抱きしめて立っている
もうそこに
真っ白な季節をみてしまい
ゆれる木々の
変化すらみていない
まだこない季節でばかり
過ご ....
切ない声も
切ないうたも
簡単に胸をしめつける
音 全部なくしたとしたら
あたし切なさなくすの?
文字は残るけど
温度 感じない
君が残してくれた永遠って文字は
何度触れても乾 ....
世界にはたくさんの場所があり
たくさんの営みがおこなわれている
その日、僕が
することを選んだのは
床屋に行き
髪を切ってもらうこと
ひどく ....
すきなものはなんですか
あなたがきいた
すきなものは
花
や木や真っ白な雲
どれも口にはだせなかった
あなたはもうそこにいないから
すきなものはなんですか
私もあな ....
おじいさんに ばらの枝を もらった
「土に挿しといたら 根が生えて
やがて花が咲くよ」
と言われた
素直に 土に挿して 水をやった
春になったら ....
しぃつがしろいな
しょうどくとがぁぜのにおいがするな
なにかにつながれているな
なにかのきぐがこきゅうしてるな
つめたいがあたたかい
まどがあいたな
かぜがふいてるな
はながさいてる ....
私に見えるのは青い空です
むかしむかしのお話で真っ白な山神の鹿が
かわそうな猟師に撃たれて死ぬ時に
倒れながら片目で仰いだその空です
そうしてさいごには
真っ白な鹿も猟師も病気の娘も
帰っ ....
今年の夏は暑い
一つだけ
君に言っておきたい
この世で最も静かなものは
薬缶だと思う
ナイフとフォークで
白い雲を少し切り刻むと
青い空がするりと落ちてきた
傍らに小奇麗な色で衣替えした
収穫の時間を置くと
秋の形が出来上がった
味覚を一つずつ競うように
....
私は私を
やり直したいとも思うし
捨ててやりたい
とも思う
どちらもできっこないから
安心して悲しめるんだ
君に甘える
そんな夢がみれるんだ
同じ空の下で
なにが起こったのか知っ ....
光は
空を見ている
いつも。
風と遊んでいる
こどものころから。
ところで、
と、言うのだ
光が。
ところで、
ワタシヲ
ウゴケナクシタノハ
ダレ?
ね、だれ?
....
繰り返される日々の只中で
長い間{ルビ蹲=うずくま}っていた私は立ち上がり
澱みきった自分の姿に
力一杯ひとつの拳を、振り下ろす。
言葉にならない叫びが
青い空の鏡を、震わせる ....
庭は
しめっている
しずかに
でも
着実に
窓際には
枯れた花が
咲いている
わたしは
濡れた戸を背に
立っている
あなたが
部屋のなかにいるのがみえる
....
かあさんのあいしてるは
おつきさまみたい
やさしくつつんでくれるから
こんやもぐっすり
とうさんのあいしてるは
とうさんのせなかみたい
しんぶん ....
月の光に飽きてしまい
深く眠りにつくと
君が
僕の手を切断し
それを使って一篇の詩を書いた
朝、
それは元通りに
手首にくっついている ....
出会ったかずと
別れたかずは
さいごおんなじになる
いくら別れがあろうとも
すべて出会ったかずなんだ
どんな別れがあろうとも
たんに出会ったかずなんだ
出会っ ....
クロッキー帳に僕は絵を描いた
麦藁帽を被ったあなた
はにかむように微笑んで
そのとき僕が目にしたすべて
あなたは絵にインクを一滴こぼした
ワンピー ....
老人施設とは
終着駅のようなものとおもっていたが
通過駅にすぎなかった
口をあけたままの老女も
うつろにみえる老人も
どこかへゆく途中だ
雄々しく背中をふるわせて
幼児にむける
....
僕が死んだときには
僕のペニスを切り取っちゃってくれ
抽斗に
ナイフを入れておくから
残りの部分は燃やしちゃってくれ
僕が死んだときには
僕 ....
セミが鳴いている
それだけのことなのに
ぼくは宇宙にたったひとりだ
今から出発したら
どちらが早いだろう/着くのは
今朝と明日の朝
できれば戻りたいさ
あなたはきっとそう言うね
月をみながら歩いたら
きっと明日へたどりつける
真っ黒な木々がこ ....
少年の頃
食物をせっせと運ぶ蟻さんを
踏んでしまい
何故か無性に、胸が痛んだ
大人になった今
嫁さんは家の中で虫をみつけると
つまんで窓外へ逃がすので
僕も見習い、ある ....
降りしきる、夜の雨に身を濡らし
{ルビ蝸牛=かたつむり}は真横になって
塀に、張りついていた
通りすがりの僕は
(君は退屈そうだなぁ・・・)
と思ったが
ちょっと待て ....
駅のホーム
立つ場所を昨日と変えて
七月の日差しを避けてみた
イキカタヲ、カエテミマショウカ
そう思った日
身体の中でボタンが押された
大きな力に
選ばれるのを待っている ....
新緑の木々と風が
奪い合うように睦み合うそばで
夕暮れの光とあなたが
隔て合うように惹き合っている
もしも生まれ変わることができたら
同じ時に同じ ....
草刈り後の、草の匂いがする
人の血の匂いは
ここまですがすがしくはない
もっと
体中がカッとなるような
そんな匂い
刈られなかった
花壇の花たちは
この匂いを嗅いで
体中がカ ....
細い糸
端と端
互いにもってひっぱって
どんどんどんどん
どんどんひっぱって
切れるわけないよ
伸びてゆくよ
世界がかぶさって広がってゆくよ
円と円
縁と縁
まるければきっ ....
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