サンディの煙草は誰にも止められない
と、誰もが思っていることを
サンディはなんとなく知っている
黒く長い髪
茶色のひとみ
その他の身体的特徴
にもかかわらず
サンディといえば
....
造り上げた大きな夢は
それよりも大きなものに ....
それは明け方病院からの訃報
病の床にあった父親は
生命を生きることから開放され
静かに去ったという
今を生き残るものたちは
悲しみはさておき
思い出話を必死にかき集めるが
肝 ....
昔。高校生の頃だけど、「一番星」って作品を書いたことがある。これは歌詞なので、まあ歌えちゃったりするんですけどね。
* * * * * * * * *
....
茶を飲みながら緑を重んずる
美しい景色に和歌を捧ぐ
あのキレイな人になりたかった
わたしは口が下手で
いつもあなたに負けるし
ろくに文章も書けないので
手紙も出したことがない
....
久しぶりの帰省すると
父も母もさらに
小さい
そのくせ
私の好物に
ことのほか敏感
いなり寿司とか
フルーツとか
裏手にある斜面の先に
小さな墓地があり
花を ....
それは
いまにも
きえいりそうに
ふわふわと
ぼくらのまえに
あらわれ
ながれにおち
うすみずいろに
ひかりながら
ながされていったけれど
あのひ
こげちゃい ....
家のそばに浮かんでいる
家と同じかたちのふちどり
それがなにかわかりません
晴れた日にも曇りの日にも
空に無数にきらめく粒子
それがなにかわかりません
まじわり ....
タクシーで溺れた
昔はあんなにうまく泳げたのに
手足をばたばたさせても
座席の底のほうに沈んでいくばかりだ
ナイター中継を聴きながら
運転手さんが舌打ちをしている
水の中では舌打ちすらでき ....
まいにちに
ぽつりと いってき
かなしみを おとすと
どんどん どんどん
ひろがって
やがて
なんだかわからない
なにかに
なってゆきます
とろりとした夜に
とろりとしそこなったセックスをしながら
ふたりは
2は、どうしたら1になるのかを
しゃべりあった
1を、
....
もし月が地球に落ちてきたら
全世界の人々は両手を天に掲げて
月を支えようとするだろうか
うまく笑おうとすれば
すっかりゆがんでしまったのは
自分の心だと気づいた
小さい頃
クレヨンで描いた自画像は
まるで似ていなかったけれど
それはきっと
心で描いたからなんだ
....
最近妻のご機嫌がよろしくない
夜毎夫がパソコンで
やれDAHONのシートポストの軽量化だの
スギムラRCB-1の後輪のインチアップ計画だのと
自転車三昧なのを横目に見ながら
「今年 ....
眠る君を描いていた
ひいやりと冷たくなった指先を
ガスストーブで暖めて
背骨をなぞる
腰から辿り
肩から首へ
すべらかな皮膚は
美しき筋肉を
骨を
透かす
薫製肉のよう ....
(詩と作者)
私が詩とつながることはいい。
私が詩とつながらなくてもいい。
私=詩でも、私≠詩でも。
また、
作者=詩でも、作者≠詩でも。
ただ、詩の「作品」を、作者本人に結びつけ ....
われ先にわれこそ先にと同じ日に蒔かれた姉妹の朝顔の咲く
狩りそして狩られることの無き国の王女の不在のごとき静けさ
水中を沈みゆくバス、運転手、乗客らみなほほえむ夏日
コン ....
地へ圧し掛かる空と
空へ高揚する無数の緑の視線との間
夏の声帯が震え、静かに感情を燃やしている
若い耳で、耳鳴りが日常になってゆく
若い目が、陽炎に依存してゆく
信じられるものを ....
http://maps.google.co.jp/
たくさんの方がもう使っていると思うのですが、これは感動ものです。軽いし。
「サテライト」がある地域はさらに素敵。
僕はこれでいくつか詩を書 ....
ある日を境に
名前も住所も失った
私はただのコンマでしかなく
コンマでいるのは
たいそう居心地が悪い
誰か一人でも
私の名前を思い出してくれないものかと
お茶ばかり飲んでいる ....
お伽話に、愛はある
世の中に、こんなに善い行いがあるって
子供に教えるべきだから
お伽話に、恋はない
世の中に、こんなに辛い行いがあるって
子供に教えてはいけないから ....
恋を知り少女がひとり懐かしむ灰をかぶった安寧の日々
階段の踊り場の恋は吊り橋の上の恋よりまことしやかに
12時で魔法は解けて ここからは本気であなたを落としにかかる
ラン ....
むじゅん、って
じゅん、って
たとえば
コンビニ花火を終わらせる
水面に
じゅん、って
もう 二度と
きらめいたり
しませんように
かなしいまぼろしを ....
たとえば
君が僕の背後に忍び寄り
両手で目隠ししても
見えちゃうものは見えちゃうよ
君の指先は細くてやわらかいから
ついでにぺろりとしてあげる
隠すから見たくなる
子供には毒って言い ....
今日も額に汗を滲ませて
門前払いは覚悟の上
蝉の鳴き声しか聞こえない
住宅地のあちらこちらを歩く私は一匹のありんこ
無数のピンポンを押して
ようやく玄関のドアは開いて
満面の笑みと話術 ....
あっさりとひねりあげては
なぐって
またひろいあげる
泣いていました、ずっと
どうしようもなく 名づけられてしまったものを
青いねえ
たっちゃんは確か そう言ったので ....
どこからか
うまれた
しあわせは
てをつなぐように
であって
すなをくずすように
かわっていった
今時マニュアルシフトなんて流行らない
二人の行為はオートマチックで
燃えあがる
ハンドルは君の肩
僕がアクセルを踏み込んで
君の肩を軽く揺らせば
甘くさえずる君はカナリアになって
....
言わせてはいけないと
思い続けていた言葉を
言わせてしまった
苦しそうに飛び出したその言葉を
もう一度押しこんであげられなくて
ごめんね
どんなに薄めても
悲しみは消えませんでしたから
少しずつ明日を
塗り重ねてゆこうと思いました
悲しみは複雑すぎて
はじめとおわりの区別もつかないけれど
晴れわたる空に喜びは
....
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