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千年の紀憂の後
青天の霹靂
四月--最も残酷な月を経て
「日常」のここかしこにぽっかりと穴が開く
 ....
線路内に飛び込んだイメージは
本能のしなやかなスプリングにより
ひといきに放り出される
ポップアップ式オーブントースターで焼き上がった食パンのように
こんがりと軽やかなトラフィック

 ....
 ムーンライトは首を傾げ
 夢見る素振りの、ああ、や、いい
 や、うう、などを零した
 静寂には幽霊は溢れ そこから見渡すかぎり
 幾つかの季節を駆け回って眠った
  ....
かいていのえきで
でんしゃをまっている

ホームにはだれもいない
ときどきだれかくるけれど
いつもきまって
うえのほうにうかんでいく

このごろは
でんしゃもくるようにな ....
  猫よ
  おまえは邪魔だから
  どこまでも流れていってしまえ
  そう言うと僕は
  ギャアギャアとあばれる君の飼い猫を
  便器に放りこんで
  「大」のレバーを回したのだ ....
* そよ風が 頬とカーテン 撫でて行く

夜になると 気温もグッと下がって
汗だくだった身体も 
少しダケ 涼を 取り戻すけれど
ピタッと張り付いた シャツは 脱げない

サラっとした  ....
数々の産褥の果てに成就した呪いを包みこむように祈る赤い赤い
赤い世界に枯れ葉の落ちる落ちる腐り落ちる
嘆きのキスを吐き出して誰かに抱かれにゆくそれは
埋める埋め続ける腐り落ちる祈りはうずめる
 ....
空いた
椅子の上には
ゆうぐれが降っていて

絵描きになれない風たちは
せめてもの代わりに
言葉を混ぜて
去っていく


取り残された場所に
おそらく施錠は
必要ない
 ....
自転車で
スローダウンして
見上げた初秋の青空に
アオスジアゲハ
自然にまかせて舞おうとする
あなたのようだと思う

今朝気がついた秋は
褐色の落ち葉
乾いて道端に身を寄せ合って ....
 
 
フェンスがどこまでも
長く続いている夏
午後、知らない所で
知っている人は逝った
乗客も乗務員も置いて
青い列車は海に向かって出発する
座席には誰かが忘れていった
大人用の眼 ....
わたしが うたえるのは
あなたが ここでねむっていてくれるから
その細くあたたかい寝息が
わたしの血を走らせて
うたいたい
うたいたい
気持ちにさせてくれている

東京のはずれ
今日 ....
明け方
碇は頼りなく
右奥の石臼が
歯軋りのように現実を粉砕する
わたしは急須の中で
丁寧に開かれているようにみえて
何層もただれていて
歯をくいしばって

  《七歳のF》
   ....
6月の中旬

いつもと感じが違うメールがあった

いつもだったら

<いまおきた>だったのが

<いまおきましたよ>だった

ぼくは勝手にひどく傷ついて

それから

<〜 ....
水か影かわからぬものが
器の底を囲んでいる
円の一部を
喰んでいる


またいつか会おう
会うより速い別れを
くりかえし
くりかえし


見えると見えないのはざ ....
膝の上の猫
まるで愛おしい生き物でも見るような目で
わたしを見てにゃーと鳴くの

通り雨降る、夏の午後

その視線を
すり寄ってくる体温を
振り払いたくてそっぽを向いた

うっとう ....
みずうみへ
冷蔵庫から取り出した氷たちを口いっぱいにつめこんで走った
夏休みのティーンエイジャーはただただ暇だったのである
ウェディングドレスは溶けだし足手まとい管理職就任
主人はストーカ ....
 
 
誰もいない夜明けの街を
少年が黙って自転車をこぐ
真面目に呼吸を続けながら

サルは今も進化と退化の中を
死にそうになりながら
生きているころだろう

エロい身体をした僕は ....
【アカマきつね】

そのお社は
今は大きなスーパーの駐車場になっていて
たくさんの乗用車が窮屈に並んでは
ふうふう息をついています

(アカマきつねです)

蝉の声が木々に焼き付く田 ....
ペットボトルで
金魚を飼っている男が
近頃は断水が多くて
ままならないという
言いながら口をつける
そのボトルの金魚が
今飲まれるか
今飲まれるか
気になって仕方ない
六十六年まえの今日

セミが朝からの暑気を鳴いていた

あのひかりや

爆風や

炎熱の地獄のなかに

どうしておれはいないのだ


六十六年まえの今日

いまのおれのよ ....
子宮ではなかったという。
母でないものから生まれたということだった。
私たちはかつて男の一部を削られて
この世に生を享けたと
せんせい、ではこの器官は誰の名残りなのですか。


 ....
○電車――走る匣体。棺。中には死人が詰まっていてぼくたちはホームと電車の隙間の21mmを各々の足で越えることで死と生を繰り返す。


○ポニーテールの幼女――黒のギンガムチェックのワンピースに黒 ....
鋭い痛みが走る
きつく押さえた指の間から
血が流れていく
ポタポタと落ちて
流しに広がる

息をのんで立ちすくむ

いったいどれほど切ったのか
怖くて見られない
ニンジンを見つめた ....
観覧車が太陽と同じ様に空にへばり付いている。観覧車、観覧車の籠が、観覧車の車輪状の手足が、回転している。
辺りは太陽が燻っているかの様な厭な匂いがする。或はオレンジ空にありありと浮かぶ籠が燃えた後な ....
あなたのことが心配で戻ってきました 
と言う男がいて 
へっと思った
あたしは 
その男のことをそのとき初めて見たのだけれど
まるで ずっと昔から知っているようなふりをして
腰のあたりで  ....
金魚鉢に金魚
上から覗き込むと金魚
胸鰭を動かし
尾鰭を動かし
背鰭を動かし
何となく静止する金魚よ。

夏だけ生きている金魚
ほんの数リットルの水に漂う金魚
横から観ると大きく見え ....
  僕が死んだときには
  僕のペニスを切り取っちゃってくれ
  抽斗に
  ナイフを入れておくから



  残りの部分は燃やしちゃってくれ
  僕が死んだときには
  僕 ....
今日、秋葉原の、
コインパーキングの前で、千円札を拾った。
ぼくが拾わなければ、
ぼくのうしろのやつが拾うのだから、
ぼくは迷わず拾ってやった。
千円札を拾うのは、小学校の、5年生の時以 ....
その日いつもなら
それぞれが
それぞれの場所で
夕飯を摂っている時間
私はおとこと向かい合って
注文したパスタとピザを待っていた
いつもより私はよくしゃべった
髪をきれいに固めた店員が
 ....
桃のにおいの手が
空を混ぜて
はじまる


闇のなかを見つめ返す
まぶたの奥の水があり
ひとつの葉に隠されている


海岸と夜
手のありか
通り雨


 ....
松岡宮さんの自由詩おすすめリスト(1198)
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