温泉旅
たにい

信濃の森の山深く
一筋流れる清流の 
脇にいでたる温泉に 
ずぼりと飛び込む心地よさ 
男子の本懐ここに有り
手ごろな岩に頭載せ 
手足を泳がすお湯の中 

眼閉じれば思い出す 
父と二人の温泉旅
硫黄の匂いも懐かしく 
あれは九州阿蘇の山 
バスの轍も黒々と 
雪の多い冬だった

折しもポツリと小粒雨 
川辺の桜葉風が弄る 
そろそろ帰れと天の声 
ああいい夢見せてもろた
ありがとう天の神様 
今日も一日見ていてね 
あなたに恥じない男になる 


自由詩 温泉旅 Copyright たにい 2012-05-01 14:36:18
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