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腰の曲がった老婆がひとり
大雨の中を歩いている
両手を鎖に繋がれて
重い足枷を引きずりながら
濡れるに任せ歩いている

彼女にも愛は確かにあった

独り暮らしの雨は寂しい
愛は何処へ ....
いつもいつも
私の傍らにあったもの。

いつもいつも
私を見守ってくれたもの。

でもね
この日だけは違うんだ。



見えなくたって
そこにあるのだよ。

見えないだけで ....
灰色の世界に
黒き髪を濡らして
よどみない雨にかたむく
私という空間
よりそう透明に色が映り
声が風に舞い上がる

つながっている命の音色は
かすれることもなく響いて
光に染まる闇の ....
それは、いつだろう
遠くないかもしれない、毎日、かもしれない



水平線、その丸みが空に一番近いところ
大型船が突き抜けていくのを
海辺で、並んで、手を振って
ただ眺めている人たちの ....
清流に身を沈め
両手を広げて目を閉じる

上流から押してくる
強い圧力に
決して負けない

循環する旅の途中の
冷たい流れが
この身体を貫くまで

美しい透明のものたちが
わた ....
夏の終わりの淀川の河川敷の芝生は
生臭いほどの濃い緑に染まっていて
月曜日だというのに
真っ昼間からビールを飲みながら
バーベキューなんかやっているロクデナシどもが
ロケット花火を打ち上げて ....
ひまわり畑の上を
一羽のペンギンが羽ばたいていく
僕はその意味がわからないまま
男の人と手を繋いでいて
見送るより他なかった

ぎゅっと握ると
男の人の手は少し汗ばんでいて
何 ....
サフラン色の吐息をつめた
紙風船に
虚空の稚児は
灰色の笑みを浮かべている

道なりに歩いていると
小さな星がすすり泣いていたので
モザイク柄の
傘をさしてあげた

陰った景色は
 ....
ふと声をかけてみた
その外国人は
「ロマンスカー?」
と言って
少し笑った
新宿駅西口で

そうなんですよ日本には
ロマンスカーがあるんです
ロマンスカーはみんなを乗せて
ロマンス ....
「あとにのこされたもの」

雲の隙間から
羽毛がこぼれおち
風にのる
海峡を渡り
山脈を越え
遥かかなたの砂漠まで
幌馬車が届けられない
あの砂漠まで

「月は地球の衛星である前 ....
夜店で釣ってきた金魚を庭先で
バケツに放して
しゃがんで
じっと見入る
窓からのあかり
空からのあかり
遠くに響く祭り囃子
黒い自分の影

しゃがんで見ている子供の私
その一点の風 ....
胸の奥につないだ
遠い思い出の時間は
時折
甘美なひとときを
わたしの中に
もたらしてくれるけれど

つなぎめが
とても痛くて
ささえきれなくて

今にも
ぷつんとちぎれて
 ....
はりついたちりぢれの 
鱗のようなゆううつを以ち 
こうして居る君は
見るもの全ての目に留まり 
詩のように据える
それを誰もが秋だと覚え 
ひとつの忘却にあてがい 
それぞれの食卓に眺 ....
白い胸に
その小さな胸に脂をぬりこんで
肉体の陰を分泌した皮膚が
蛍光灯に反射している
緩みきったくちびるを
うるさい胸の
ぼんやりとした亀裂にあてがい
だらしなく
涎を垂らし
指で ....
輪郭だけをのこしたまま
あのひとがいなくなってしまったので
いつまでもわたしは
ひとりと半分のからだで過ごしている


明かりの消えた部屋で ひとり
アルコールランプに、火を点ける
ゆ ....
君は知っている
自らの命のはかなさを
自らの行く末を


生後僅か百八十余日の命


それでいて綺麗好きな君は
けなげに身の回りを整えている
与えられた僅かな命のために餌を食む
 ....
3分遅れている時計は、決して正確な時刻を刻むことはないけれど
止まった12時間表示の時計は一日に二度も正しい時刻を告げます

ならば止まった時計のほうがより正確なのでは?
そう勘違いして死んで ....
三月から
止まったままの針さきを
ゆっくりとまわして合わせた
雨の朝に目を覚ませば
あなたは 
まだ


白くあわたつ
菫のような朝
からだにおさまらない もじ
柔らかな葉が ....
例えば、ゆるゆる喉を下る
ぬるい水、ひとかたまり
心臓を掠めそうで掠めない
何処にも、何も、満ちない


真昼を怠りたくて怠る身体では
空ろまで無気力な
ほら、 ....
入眠の際が瞼の奥で細い光を放っている
生と死の曖昧な絆という楔を
今は、強引に断ち切って 眠りの森へ
木漏れ日を抜けて下方へ沈みたい



怖さに尻込みした夜の
怖さに涙した夜の
夢 ....
”管制塔
 管制塔
 
 わたし、もう大人です”


インカムをつけた父親たちの
腕組みと低調な呼吸音
誰かが返答をしなければならないが
彼らは呆然という姿勢で腰掛けたまま
 ....
私には保証書がない
雨は灰を帰すから
空が大地が、きらめいている
くやしい
鮮やかすぎる日中

それでも静かにお茶する。
珈琲の苦さが、じんわりと重みのなかを通過して沈み広がる
夏でも ....
君は芝生の上でバランスを取る。


一糸まとわぬ露わな姿で
豊かな乳房を宙へ向けて解放つ。


日差しは、もう秋の方に傾き加減で
夏の終わりを告げている。


時代の息吹を君は背 ....
 生命(いのち)が
 直列の文字で記述された糸切れであるとは
 なんと不思議で美しいことだろう。
 あなたも
 そして私も
 短い命の糸切れ。
 しかしその短い糸切れが撚り集まって
 太 ....
てとらぽっとは海につながれて
夕日が燃えて琥珀に変わるのを
見ていた

さよなら
さよなら
さよなら


駆け足で過ぎようとしている夏の
スカートの裾 ....
空が割れて
夏で満たされたプールで
泳いでいる
さかなのアンテナで
誰とも触れることなく、すり抜けて
泳いでいる
すれちがう誰もさようならをうたわない


体の中心がどこなのか
わ ....
追われてゆく、陽の速度に倣って、大気は燃えている。すべての失われた魂を鎮める夏。その高温へと連れて行かれる。靴の紐がほどけている間に、素早く足裏をさらけ出し、女の後ろ髪がほどかれる間に、どうにかいまを .... サンディの煙草は誰にも止められない
と、誰もが思っていることを
サンディはなんとなく知っている
黒く長い髪
茶色のひとみ
その他の身体的特徴
にもかかわらず
サンディといえば
 ....
明けない夜はないんだよ、と

良く人は言うけれど。


私は歩く。歩き続ける。

私は朝の光ばかりを歩いてきた。


強がりの顔で。戦いの腕で。
光の先へと。輝きの果てへと。
 ....
その角を曲がると
いつだって彼女は立っている
そこに、体に付いたしずくを払って
その度に小さくなっていくようだ
しずくが地面に消える分だけ
ビルはその背丈を伸ばして
猫たちの逃げ込む隙間を ....
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