清志


僕に
やれ
ここに来てくれ
やれ
あそこに行けよと
手紙をよこして
僕が
そこに行ったりあそこに行ったりする度に
君はちっともこないじゃないか
そんなにいつも約束破る ....
冬の月中天にさしかかるとき人魚は難破船を{ルビ欲=ほ}りゐる

憎しみに冴えたるこころ煌々とはげましゐたり冬の満月

冬月が鉄橋の上に待ち伏せる窓にもたれる男の額




 ....
 


はりつめて切れそうだから目を閉じてあんまり空気を吸わないでいる



ひとりごと、白くかたまれ歌になれ風に飛ばずにここに留まれ


鍵盤にひとつぶ落ちる(きん、たたーん)か ....
  夕暮れのスケートリンクすみれいろ映画のフィルムにひとすじの傷





                     吹きさらしお腹の弱い星たちが
                    ....
おひょろ


こわいねえ、
こわいよう、
にんげんよりこわいの。
そりゃ、おひょろだぜ、こわいよ。
おひょろは、こころがないんだもん、こわいよなあ。
にんげんは、こころがあるから、わる ....
どこにも行かないバスに乗りたい。君の拙いお弁当を持って。


雑草といっしょに雑草以外のものも抜いた真夏の裏庭


家に帰る途中、下水道工事をする父を見かけて手を振る


ノック ....
心がもう
使い物にならなくなってしまった
と言いながらも
あ、
涙 流れてる


何もかも捨てたつもりでも
夕陽は
別腹らしい
さようならみぎては君の奴隷でした繋いだはずの手錠は無くても

さようなら僕のちゅうしんに君がいてコンパスはやくにたちませんでした

さようならうたうようには暮らせませんあのCMのように嘘をつき ....
うふふふふ。
いいもんだ。
もう引き返さなくて良いのは。


良かったじゃないか。
僕なんかの思い通りに
ならなくって。


すべてうっちゃらかして、ぶらぶら。
ご近所の真っ昼間 ....
夏をつれてくる妖精がいないから冷やし中華を初められない


泣きながら闇夜に響く帰り足コンクリートは{ルビ夏=プール}の青み


ウェディングドレスの中で夏に埋む指の日灼けを抱いて遠くへ
 ....
水深5キロメートルの恋に落ち プールサイドで墜落する午後




砂浜の午睡からうつら目を覚まし すいかの縞の波に溺れる




ピーラーで削がれ半裸になりしきみ 水にさらせば ....
放課後のプールサイドに一人きり石を投げれば割れる太陽


まだ細い腕もいつかはヘラクレス鏡にうつる半裸少年


肝だめし墓場を歩く君とぼく怖くないよと結ぶゆびさき


花火あがる綿菓 ....
星たちを耳に手首にぶらさげて羨望の矢をへし折る少女


「牛乳をスプリンクラーで噴射して虹がでるのを待ってるの。あ」


「おつかれさま。今度はあたしと遊ぼーね」蝶は埋められ、そして天へと ....
愛なんていらねぇからさ、温泉で混浴チョメチョメしてぇのよ、夏。

君が持つ花火の描く曲線が僕らの絆の擦過傷です

都合よく凸(でこ)と凹(ぼこ)とがあるのに僕ら蚊帳を隔てて交わりもせず

 ....
かつていた冷凍都市を思い出すような小説書いている初夏


再放送されてる温泉番組を観ているぼくを見ているかか氏


転校生だったあの子は元気かなどおんどおんと胸打つ花火


 ....
{引用=「夏の思い出」}
うつくしい足は流れに浸されて思い出の澄む初夏の温泉



涼しげなうなじを一輪緋の色の鼻緒つっかけ見つけよ花火



小さき子手綱もないのにばしゃばしゃと御 ....
太陽の垂直父性に卑屈な笑み死んでいるのだ夏の日はただ

逃げた月誰もが自分の声を出す取りこぼされた知覚の外で
どぎついサンセットで終わった一日
夜のはじまりに静まり返る東シナ海
水平線の果て光り輝く香港の淫売宿を目指して
我等が実験艦シュレスヴィッヒ・ホルスタインがひた走る
ふらふら揺れながら傾きなが ....
一行で勝負しようぜ僕たちの愛する言葉がグーチョキパーで




駅前でカップチーノを飲み干して横山剣からギャラを受け取る




君は何故毎年秋に亡くなるの、紅葉だからよ、 ....
いつまでも鳴らないチャイムがあるとして今ぼくたちがいる長い放課後









約束を守れば破ることができないのバイバイ昨日のぼくら


ばらまいたマイナス+ ....
{引用=
十四の黒い薔薇の歌





   ●
愛を忘れて
自分をおいて
き●っと
どこかか●なたに消えていったぼく
きみの微笑みがあせた
壁にかかった●ワンピースばかりを ....
ミッキイのおもいでばなし


きみとぼく
いかしたマウス
キャンデイを山ほど食べちまって
虫歯が痛くて
毎日
泣いたね
子供の頃
粗大ごみ置き場があったんだ
いまは粗大ごみをすてるのにお金をはらわないといけなくなってるけど
あの頃は金など払わずなんでもぶち込んでた

粗大ごみ置き場はぼくらの基地でもあった
 ....
守るべき君主はいない 少年の夏を照らした城下町にも

高い波蹴飛ばし歩く夕暮れにあによめとなるひとは手を振る

好きな娘の前では翼を折り畳む 仲間が傍を通り過ぎてく

受賞式当日なにもない ....
            丼

扉を開けば波打つ涙晴海の穴ぎょろりと不動明王の瞳がな、
扉を開けば波打つ涙晴海の穴ぎょろりと不動明王の瞳がな、
扉を開けば波打つ涙晴海の穴ぎょろりと不動明王の瞳が ....
ソーダ水で出来た犬が
門扉に挟まり痛がっていた
放っておけばどこまでも
転がって行きそうな僕の身体は
僕の心の中でまだ眠り続けてる

橋を渡る
腐食した金属のようなものが落ちてい ....
何かを待つ
ということは
何もしていないことに酷似している
と、感じて
せめて俯いた
アスファルトが好きです、って目つきで


いま
手のひら
差し入れたポケットが
 ....
まあ、いきなりマンガの話です。昔のマンガですね。原作者は吉沢やすみ。
昭和45年から50年にかけて連載されたこのマンガ、ぼくの世代ではアニメの印象がかなり強いです。アニメも大ヒットで、実に103 ....
 
私はとても小さいので
海を見れば
海でいっぱいになってしまう


私はとても小さいので
空を見れば
空でいっぱいになってしまう


私はとても小さいので
風を匂えば
風で ....


珈琲の苦さも世界のおしまいも飲み干せばやわく浸透してく


* *


爪を噛み 吐き出してみた そのかたち すべてこの世のひらがなみたい


鱗粉を 撒く蝶々を 姉が追い ....
容子さんのおすすめリスト(164)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
清志- m.qyi自由詩306-12-18
冬月- 渦巻二三 ...短歌706-12-18
【短歌祭】きん、たたーん- たたたろ ...短歌11*06-12-17
【短歌祭】雪の降るふるさと- ふるる短歌22*06-12-8
おひょろ- m.qyi自由詩706-11-24
最終バス- たもつ短歌1906-11-9
別腹_1_(夕陽)- AB(な ...自由詩806-11-6
さようなら君の奴隷- たにがわ ...短歌306-10-23
マーキング- 大村 浩 ...自由詩18*06-8-17
【短歌祭参加作品】ゆめのなかのこいびとたち- ピッピ短歌1106-7-28
【短歌祭参加作品】半透明の夏- 望月 ゆ ...短歌29*06-7-25
【短歌祭参加作品】半裸少年- 石瀬琳々短歌24*06-7-21
少女の域- たたたろ ...短歌9*06-7-16
【短歌祭参加作品】サマー・サマー・サマー- ミチル短歌6*06-7-12
【短歌祭参加作品】あしたも夏でありますように- 本木はじ ...短歌14*06-7-3
【短歌祭参加作品】「なっちーのおとめちっく☆ぱらだいす・夏」- ふるる短歌11*06-6-28
垂直父性が降り注ぐ昼/代弁母性の消えた夜- チェザー ...短歌4*06-6-12
夜に向かう実験艦シュレスヴィッヒ・ホルスタイン- 大村 浩 ...自由詩15+*06-5-9
一行で勝負しようぜ- ピッピ短歌1906-4-21
屋上日和- 本木はじ ...短歌906-4-10
十四の黒い薔薇の歌- m.qyi自由詩606-4-5
To_Mr._Carter_1:_ミッキイのおもいでばなし- m.qyi自由詩306-2-6
物欲だけの愛の無い欠片- よだかい ...未詩・独白706-1-22
選ばれし歌- 吉岡孝次短歌5*06-1-9
- m.qyi自由詩506-1-8
真夏- たもつ自由詩606-1-7
自然淘汰、ポケットの- A道化自由詩1306-1-7
ヒロシと寿司と母ちゃんと(吉沢やすみ『ど根性ガエル』)- 角田寿星散文(批評 ...6*06-1-3
私はとても小さいので- 松本 涼自由詩114+*06-1-2
『MIX&REMIX』浸透率- 汐見ハル短歌8*06-1-2

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