物欲だけの愛の無い欠片
よだかいちぞう
子供の頃
粗大ごみ置き場があったんだ
いまは粗大ごみをすてるのにお金をはらわないといけなくなってるけど
あの頃は金など払わずなんでもぶち込んでた
粗大ごみ置き場はぼくらの基地でもあった
それはとても冒険に満ちていた
粗大ごみと粗大ごみを乗り越えて
五月人形の刀を手に入れて
武器を入手
軍資金もある
ボードゲームの中のお札たち
たまにこれがなんなのか
わからないものまで
あった
夢の中で出会った
粗大ごみのなか
ぼくは
古い柱時計や値打ちのあるものを掻き集めて
ぼくの家に持って行こうとしていた
ぼくは物欲にとらわれていた
彼女がぼくに時折話しかけてくる
ここから去る
引越しをすることを
ぼくはその彼女の言葉を聴いてる振りして
彼女の家で捨てたものを
掻き集めていた
彼女は夢の中のこどものぼくと
同じぐらいの年だった
彼女には気品があり
世の中のすべての事を
見透かしているように見えた
そして何か
もの寂しいようすだった
彼女とそのとき旅に出た
財宝や値打ちのある古い柱時計を捨てて
旅に出た
どこにいこうか?
大きな道路を渡って白い公園に行こうか
彼女からの最後のプレゼント匂い球
名札の裏に入れておこう大切なものだ
ぼくは彼女のことを考えず自分の私欲を満たしていた
そんなガラクタ捨てて
大きな道路を渡って
あの白い公園にいけばよかった
ちゃんと二人とも毛糸の手袋をして