汗ばんだ手のひらの上で春を転がして
その小さな重みを感じる
夜の町は霧に閉じ込められたまま
淡い街路灯のオレンジに色付いた水槽のように
音のない波が打ち寄せる

知らない街に行こうと思う
 ....
かのん、は
「入院」がだいきらい

だから高熱で白目をむいて
こんなにも
「あつくてさむいよお」ってふるえているのに
「いきたくないの」って
ベッドから起き上がっておかあさんにしがみつく ....
北風 吹いたら 雪が 舞う
真夏の 太陽 凍って 煌めく
ぐるりと 宇宙を 廻った 帽子
かぶれば 空が 落ちても 平気さ

心の 穴から 零れ 落ちてく
涙の 雫を おっかけて いこう? ....
きみがぼくにすてられたって
そんなふうにおもっているとしたなら
それは 
とんでもないまちがいなんだよ


きみ、
ぼくとであうまえにだって
だれかとであってたんだろう?
だれかとキ ....
小さな木の下に
あなたは立っていた
足もとには虫食い穴があいた栗しか落ちてないけど
それでも栗ごはん作るってかたくなに
ぼくの前髪などをあしらう
夜が迫ってくる前に
早く必要な分の栗を拾わ ....
ディアー マシュマロ

こんな寒い冬の日には君のこと思い出します
公園で初めて君に出会ったときのことを

その日空は曇っていて今にも雪が降りそうでした
僕はベンチの片隅に座って
買う気も ....
携帯電話で話しながら

「近くのはずなんだけど、、、わかるようにスッキップしてみて」
と言われて正直にスキップする僕は
どうしょうもないバカだ

そんな僕を見て
君が笑ってくれ ....
人間は 空を飛べないわけじゃない 空の色が 気に食わないだけ。 その女の人は、ずいぶんと寡黙な人で
その寡黙さが
しきりに語りかけてくるのを
熱心に聞いていた

薄い手のひらでくるまれた
さらに繊細な指先は
紙袋のひもに引き伸ばされて
青く静止して ....
 数年前、引越しの際に荷物を整理していたら、和室の天袋の中から、昔父が書いた詩の原稿が出てきた。以前から、僕の父親は若い頃に詩を書いていたらしいと、聞いてはいた。だが、僕の知る父の姿からは詩を書くこと .... ねぇ、ホットコーラだよ

甘い匂いをただよわせて
黒くどろどろしてるんだよ

はじけるように笑ってた頃
涙がかわくのもはやかった
小さな世界から飛び出そうと
圧力に押されながら生きてい ....
感情の糸をわたる指先は
安いヴァイオリンのように響いて
逆立つ髪を宥めれば
傾いた首の方へ流れてゆく


(鼓膜を抜けて届いた先には
 やわらかいあなたがまるまっている)


明滅 ....
遠く、遠く、遠い場所で
何かが揺らめいている
ように見えるんだ
そして消えるんだ
追いかけないんだ
そこにいるんだ

交接、の前の
寂しさが好きだ
触れる直前の、一瞬の孤独
 ....
僕の名前はベンジャミン。
昨日の夜、月をながめていたら、かぐや姫が降りてきた。
あなたを迎えに来ましたなんて突然言われても、僕は困ってしまうので丁寧に断ったのだが、かぐや姫はやけに必至で、なんでそ ....


「柴又ぁ〜、柴又でございます」

京成の電車を降りて{ルビ瓦=かわら}屋根の駅を出ると
前方には旅に出てゆくとらさんの像が{ルビ凛=りん}と立ち
柴又の町を振り返り、みつめている
 ....
 田村隆一は太平洋戦争後の荒廃した社会を的確な詩語で捉え、戦後詩壇を代表する存在になった。と、日本の詩の歴史ではそういうことになっているらしい。僕は言うまでもなく戦後生まれ、それも高度経済成長の真っ只 .... ぴちゃぴちゃと猫の森
ミルクの白い皿
舌で君を探す
探る

乾いてはくれないの
君は遠くから
揺れる
揺り戻す
ぎゅっと目を閉じる

他愛ないルール
終らない夜の
少し意地の ....
今日もまた水平に生きてしまった
床に零れた水のように
だらりと二次元に広がる憂鬱
その中で私は
音楽のような殺意を胸に秘めて日常に微笑む
空に観察されている
私は何者でもない

冬の山 ....
床に
散らばる水銀を
指先でなぞる

あり得ないやわらかさ

さわっちゃ駄目
それは
爪のすきまから
毒になって体中を
銀が回るよ、と

母の言葉が
だから
ずっとさわれな ....
右手にもったきゅうすを傾けたら
青い湯飲みの底に花が咲いていた

一瞬にして
そそがれた緑のまどろみの下に
花は消えた

この湯飲みで
数百杯の茶を飲んでいるというのに
知らなかった ....
なんだか重いな寝苦しいなと思うと
大きなわけのわからない生き物が
胸にのっているんです
そんなことが毎日です。

ふうっと煙草の煙を吐いて
彼女はティーカップにくちびるを寄せ
とつぜん苦 ....
水滴を鏡に落とし異世界の虜となりぬその未亡人

遺伝子の螺旋ドレスにして踊る女の口はひたすらに赤

水銀のぎらりを飲んでみせるからわたしと一緒に歩いて下さい

丸ボタンひきちぎっても ....
*
声とともに遠ざかる
深い闇はいつも僕の外側にあった
それは宇宙とつながっていて
私はそこにひかれたの、と彼女は言う

その声に僕は身をかたくする
夕暮れに開け放たれたテラスに
路地 ....
目を閉じて目を閉じないで目を閉じてそんな器用な真似はできない


手応えを感じているの?ラケットにガットも張らずに打ち返すきみ


舌を出し振り返るきみほらそこに妖精みたいな花が咲いてる
 ....
あなたの子供は駈けていきました
あなたの急を知らせに
道の向こうの
そのまた向こうまで
私が知らない間に
他の多くの大人たちが
それぞれの世界の片隅で
何も変えられないでいる間に
あな ....
今朝、あまりにも小鳥がうるさいので。

・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・

・・・・・闇で射った。

・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・
・ ....
■宮澤賢治

 さて、先日図書館で宮沢賢治を借りてきたのです。ネットで詩をはじめた自分にとってあんまし本てのは食指が動かんかったわけです!!!!(ダメすぎ)面白いくらい詩を読んでないわけなのですが ....
オトナにはなりきれなくてコーヒーも砂糖とミルク入れてしまうの

オトナにはなりきれなくてお刺身もワサビをつけて食べられないの

オトナにはなりきれなくてバーボンもコーラで割らなきゃ飲みきれ ....
娘は将来アイス屋になりたいと言う
好物のアイスを好きなだけ食べられるから
ではなくて
沢山の人を幸せにしたいからだそうだ

いっしょにお風呂に入ると必ずその話題になって
バニラ ....
あり
今日は水を飲む

あり
バイキンで足が甘い

あり
あられもなく裸だ

あり
もどかしい心臓の歌を聞いて

あり

産んでいる左手
倦んでいる右手
行列する頭
 ....
汐見ハルさんのおすすめリスト(137)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
さくらもち- 魚骨堂自由詩205-3-15
『かのん、の、「入院」』- 川村 透未詩・独白30*05-3-13
崩壊- 魚骨堂自由詩305-3-8
りさいくる- 望月 ゆ ...自由詩3*05-3-7
お墨つき- かなりや自由詩105-3-6
ディアー_マシュマロ- 魚骨堂自由詩305-3-6
僕はスキップする- ベンジャ ...自由詩12*05-3-6
飛ぶ- くしゃみ短歌6*05-3-5
今日、電車の中で思いついた言い訳- ベンジャ ...自由詩9*05-3-5
父が書いた詩- 岡部淳太 ...散文(批評 ...6*05-3-5
ホットコーラ- ベンジャ ...自由詩405-3-4
慟哭- ベンジャ ...自由詩16*05-3-2
セックスの話をすると腕が痺れるのでセックスの詩を書こうと思う- いとう未詩・独白12*05-3-2
かぐや姫とベンジャミン- ベンジャ ...散文(批評 ...5*05-2-22
風の寅次郎- 服部 剛自由詩12*05-2-21
田村隆一(その詩行のかっこよさから語る)- 岡部淳太 ...散文(批評 ...30*05-2-20
猫の森- umineko自由詩205-2-19
私たちの空- 岡部淳太 ...自由詩9*05-2-19
銀の星- umineko自由詩405-2-18
顔のうらがわ- 服部 剛自由詩10*05-2-13
ガーネット- 佐々宝砂自由詩405-2-11
貝殻骨- 佐々宝砂短歌905-2-9
- カワグチ ...自由詩6*05-2-6
SUNDAY- 本木はじ ...短歌8*05-2-3
駈けていった- 岡部淳太 ...自由詩12*05-1-30
ルーシー・ダウト- 佐久間  ...自由詩3*05-1-27
宮澤賢治に寄せて- 嘉村奈緒散文(批評 ...53*05-1-21
「オトナになれない」(子供騙しのモンキービジネス!)- 山田せば ...短歌604-12-29
十階の家族- たもつ自由詩100+04-12-11
あり- りっと( ...自由詩204-12-10

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