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どんなに薄めても
悲しみは消えませんでしたから

少しずつ明日を
塗り重ねてゆこうと思いました

悲しみは複雑すぎて
はじめとおわりの区別もつかないけれど

晴れわたる空に喜びは
 ....
目の前を何回か通り過ぎたと思ったら
いつのまにか腕の中にいた

陽だまりのなか
生まれた熱をくるむようにして

うっとりと瞳を閉じたのは僕の方だった

     
寝ぼけ眼で目覚めた朝
伸びをしてそれに気づいた

目の前の鏡の中で飛び跳ねる
悪戯っ子のような髪
黙らせるように押さえつけても
すぐに飛び出す反抗期
大人しくなってしまった自分と対照的で ....
始まりの声に耳をすませば
それは静かでも力強いことに気づく

あなたは
不確かな未来を希望にからめて
堅く結んだ約束を口ずさむ
こぼれたいくつかは落下して砕け散っても
受け止めたいく ....
君はとろけるくらいの未熟さで
むきだしな僕を包んでくれる

その優しい色は
あざやかでなめらかな感触
デミグラスソースの中に沈みそうになっても
小さな浮島のように寄り添って
深い味を奏で ....
携帯電話で話しながら

「近くのはずなんだけど、、、わかるようにスッキップしてみて」
と言われて正直にスキップする僕は
どうしょうもないバカだ

そんな僕を見て
君が笑ってくれ ....
その女の人は、ずいぶんと寡黙な人で
その寡黙さが
しきりに語りかけてくるのを
熱心に聞いていた

薄い手のひらでくるまれた
さらに繊細な指先は
紙袋のひもに引き伸ばされて
青く静止して ....
ねぇ、ホットコーラだよ

甘い匂いをただよわせて
黒くどろどろしてるんだよ

はじけるように笑ってた頃
涙がかわくのもはやかった
小さな世界から飛び出そうと
圧力に押されながら生きてい ....
感情の糸をわたる指先は
安いヴァイオリンのように響いて
逆立つ髪を宥めれば
傾いた首の方へ流れてゆく


(鼓膜を抜けて届いた先には
 やわらかいあなたがまるまっている)


明滅 ....
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