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恋がまだ私に生きていたころ
私は

夏の校舎を一周する
鼓笛隊のパレードだった


恋がまだ私に生きていたころ
私は

夕暮れを味方につけた
見えない星だった


恋がまだ ....
水圧に耐え得るように
甲殻を得て

暗闇を
当たり前と思えるように
その目を 潰した

正しいと思えることを
ここは深海
届かない砂の底

尾びれを
左右にゆっくりと
振る
 ....
哀しみも
さみしさも
なにもないよ

空は
まっすぐに
晴れたよ

私は
まっすぐに
生きるよ

もう
未来しかないんだから

私は
からっぽなんだから
 
 
 ....
たった今
沈んだ太陽と
入れ替わりに東へと

十五夜

最も
輝かせるために
180度遠くに立った

雲も寄せつけず
風も追いつけず

ただ美しくあるために
冷たいくらい
 ....
昔。高校生の頃だけど、「一番星」って作品を書いたことがある。これは歌詞なので、まあ歌えちゃったりするんですけどね。

  *  *  *  *  *  *  *  *  * 

 ....
夜も9時を回るとさすがに
閑散とするオフィス
空調の音がやけに
ひびいて

ジュースを買いに行く
自販機までの足取りが
けだるく
なりませんように

つまさきナイン・オクロック
 ....
えーオトナな人たちだけにむけて書きます。この前出張にいったんですけど、楽天ですげー安いホテルをとったんですけど、まあなんつうか、壁も安っちいわけですねそゆとこは。

で、となりのひとの声とかも聞 ....
えー
目下のところの目標は
全国縦断ツアーをやりたいです
小さな港町
あるいは政令指定都市
アリーナとはいわないですから
ライブハウスでオッケーですから

まあ
問題は
うたをうた ....
新しい惑星に
私はなりたい
あなたの

楕円軌道で追いかけて

あなたの日常を
照らすこともない

私は
小さな氷のかけら
それでも

見つめる
くらいはいいだろう

 ....
みんな投げやりだってこと
私たちは
体感したいのだ

本能には抗えないってこと
おなじ
罪人になりたいんだ

しかたないよねって

あなたの言うままに
ハンドルを切る
国道は
 ....
−詩に没頭してるオトナって、やばくない?
そうそう。ある意味ね。

−だから学生さんとかが、ばーっとイベントとか、やればいいんだよね。
−オトナは無理だよ、無理無理ー。

詩を中心としたイ ....
君はどんどん奪っていく
やすらぐ
はずの思い出を

蒸発するだけの
存在と

信じられたらよかったのに

どれだけ
季節を繰り返し
君が過去へと沈んでも

君はどんどん奪って ....
わかりあえない
という
隙き間を

麻痺させるために
キスを する

まぶたを閉じるのは
酔いしれるためでなく

誰かを
明確に思い出すため


ある種の昆虫は
だ液と漆 ....
夢 とか
朝日 とか
キラキラ とかの
ことばがわたしの
語彙から消えて

抱きあって とか
そら とか 
帰れない とかの
ことばが増えた

セックス
という単語を
使える ....
ぴちゃぴちゃと猫の森
ミルクの白い皿
舌で君を探す
探る

乾いてはくれないの
君は遠くから
揺れる
揺り戻す
ぎゅっと目を閉じる

他愛ないルール
終らない夜の
少し意地の ....
床に
散らばる水銀を
指先でなぞる

あり得ないやわらかさ

さわっちゃ駄目
それは
爪のすきまから
毒になって体中を
銀が回るよ、と

母の言葉が
だから
ずっとさわれな ....
ほら
こうして
鈴をつるしたフラスコの
空気をだんだん抜いていく
鈴の音はやがて
震えるだけの記号となって       

あのフラスコにわたしは
どうしても
ティンカー・ベルを入れ ....
けたたましく
鳴いて
鳴いて
地面に頭打ち付けて

知らしめて
私はここ
私はここ
踊り場を蹴って

縦横無尽に
首を振るけど
あなたは
そこにいやしない

もう終わりだ ....
 とある日
 父と母はSEXをする
 うらぶれた
 障子の影で

 佳き日の御縁で
 迎えられた若い女性は
 しかし
 戸籍に入れない

 「ちゃんとした
  跡継ぎが産めるかど ....
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