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光に照らされ 透けて見える川底
流線型の魚影が うつくしい
フォーメーション
薄雲が川に陰りを与えると
失われた魚の影
代わりに現れたのは 鱗の煌めく魚たち
わたしは、だれとも 会 ....
造ったものを埋めようと思い
草原を掘っていたら
本物が出てきてしまった
その土偶に
隣のミヨちゃん
という名前をつけて
博物館に送った
ねぇミヨちゃん
僕は あといくつ
....
愛娘が毎朝八時に起こしに来る
歪み捩れた時空の層を超えるのは
なかなか大変だそうだ
)合鍵を作ってやろうか?ちゃんと電車に乗って来いよ
おはようのキスをしながら僕は言う
)そんな ....
二人で珈琲を飲んでいると苺のショートケーキを思い出した。
ひとつしかないので二つにわけることにしよう。
飾りの苺はいらないからと彼は言う。
境界線を測るのは面倒だ。
仕方な ....
(うしろの正面ダアレ)
、いきなりですが
羽根を持ちあげては殺しあう
郭公が鳴いた
鏡に映るのは化粧の白い羽根
声音を十二階変化させ
モノマネをする
知らない
....
ぽつぽつ
ぽつぽつ
雨が降る
ぽつぽつ
ぽつぽつ
ついた嘘
車が轢いて
過去も未来も
じゃーっと鳴った
消えて浮かんで
また消える
巡 ....
御存命でしょうか
なんて言われたらあなたはどうします
餌が鳩を縛るまま
衰退は止められなかった、と
御存命でしょうねたぶん
ただ、絵筆に描く人が見あたらない
それが哀しいのです
....
年の瀬も終わりがちかづくと考えてしまう
ことしは雪が降りつもるのだろうか、と
~重い冬用タイヤが心配になるのだ
交換すればお金はいくらかかるのだろう
古着から薄着を折りたたんで収 ....
右へ直角に折れると行き止まりで
/引き返してまた右へ折れたら
これは売り物ではないのです。と、
店員さんに断られたよ。
やっぱりお安くなってない、バカはいつも戦車を欲しがるんだ。
トイレ ....
デイサービスをやめて
寒くなってきて身体が硬くなってキツいから
寝る時に貼らない簡易カイロを左肩に敷いて寝た。
低温火傷していたなんて気づかなかった
次の日の夜背中が痒くて孫の手で掻いたら ....
釘は六寸に引っ掻いた胸の痕跡
左は股の付け根から膝がしらにかけて
合わせて一尺近い縫い込みの跡が盛る
想像するリアル怪人(例えばフランケンシュタインとかゾンビだとか)
切り裂き息を吹き返す ....
優しいだけの空の青、
広がっている 輝雲は流れ
俺は何処へ行くのだろう?
入退院を繰り返し
燃える紅の冬薔薇に
季節はまた一巡し
優しいだけの空の青、
広がっている 応えはなく
....
もうすぐ生えてくるよ。いまにみてろ。
0+1+0=もうすぐだよ。
ふたつあるお釜が重なって大きな鍋になる。
なるわけないじゃない
ひとつとひとつのお鍋が重なって大きな釜になる。
どんだけ ....
凍結した大地
彷徨する雄の白熊
雌の匂いを頼りに
年に一度の交尾求め
蒼白い氷壁の上
雌雄は獰猛に唸り
出逢い対峙スル
選択の余地はない
生き残って来た自然
彼らの ....
朝日の中にきらきら
見つけた星たち
貴方へ届ける為に
いま、手のひらの中に集めたわ
少しだけ待っていて
走って行くから
ひっくり返した中華鍋の底に毛が三本
渋滞ならほどけるまで待つそれが男の心意気さ
貼り付いたのは縞馬/海面の緑
うちあげられているタグの思い出
焦げ付いた模様をチラつかせ
おまえは自慢のヨ ....
写真屋おやじは知っていた
彼女の家族と好きなもの
二人の出会いと思い出も
子供の元気も成長も
大人の遊びもトラブルも
みんな誰もが我先に
おやじに見せにやって来た
おやじは理由を探ら ....
わたしは詩人じゃない
わたしは詩人じゃない
わたしは詩人じゃない
わたしは、
、聲を殺して呟いてみよう
すると
ほら、
砂埃をかぶった
詩人のほうからやって来たりして
....
剥き出されている
神経は逆立ち
風雨に鳥肌立つ
紅の樹木は激しく波打ち
瞳をくりくりと輝かせた
木登り少女は姿を消した
何にもない、何もない
意味は全て剥奪され
記号だけがひょ ....
苦行とは、なにをもって苦行にも値するのだろうか
ほんとうの苦しみとは如何なる場合を指し示すのか
またよろこびとは、救われることのみにおいて真実なのだろうか。
他者とは己自身とは
何気な ....
色のついた反射ガラスは
町をリアリスティックに映していた
赤い建設機械がガラスの中では
錆びているように見えた
工事現場の入り口で
監督がパイプ椅子にだらしなく座っていた
きっと彼は強いの ....
紅茶山に陽が隠れて
キャンプを張るには少し肌寒い夜だった。
焚き火の根元をいじってるとムスコが問いかけてきたのだ。
(ねえ、法王様と天皇様ってどっちが偉いの?
枯れ枝で炭の棒を探る、こすり ....
まだ、会える可能性があったとき、このワンピースを作ろうと思い立った。
その勢いでクレジットカード決済で、この布を買った。型紙も買った。
そして、1か月以上放置し、裁断してあったものを昨日今日で形に ....
土塊を捏ねる
指先に気を集め
煮え立つ熱を流し込み
ゆっくりしっかり力入れ
未定形の粘る分厚い土塊を
思い思いのまま捏ねくり回す
捏ねくるうちに不思議なこと
土塊と指先は拮抗しながら ....
木漏れ日がゆらゆらと揺れて
子供達の飛び跳ねる声が木霊して
聖歌隊が通り過ぎる
微睡みの午後三時、
萎び俯く花々は
遥か地平から流れ来る
真っ白な鰯雲の群れたちに
ゆっくりと包み ....
際立つ一本の水銀柱が立ち
僕は眠りから目覚めた
曳航されていく純白のヨット
青い青い水平線
ここは何処だろう?
肝心の居場所がやはり見つからない
今朝感じた冬の空気と
正午に感じた秋の陽が
喧嘩もせずに
ゆっくり交わった
夕暮れは
追いかけもせず逃げもせず
変化を続ける
カーテン越しの青空の方が綺麗だからと
閉め切っていた心 ....
白い部屋に横たわり
独り時が過ぎるのを
さっきからずっと眺めている
)右足の親指が急につり
)反り返ったまま動かない
無音無言の部屋のなか
時は流砂のように流れていき
私が上げる ....
「生活習慣の改善」
捨てたのだ。躰を
鳴き声に眼が覚めて、土の魚は焼かれた。
そして人間は泡から生まれたと水はいう
それは泡に生まれ変わるのだともいう
気になるのは置いてきた框の景色
....
連投はいいのか?という疑問符を付けておきます。
箱庭という園遊会に誘われたのは何かの間違いだろうと思うからです。
案の定大きな柘植の隙間からこちらを覗う黒い瞳が見えてきた。
いや、あれは光を ....
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