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二〇一四年八月一日 「蜜の流れる青年たち」
屋敷のなかを蜜の流れる青年たちが立っていて、ぼくが通ると笑いかけてくる。頭のうえから蜜がしたたっていて、手に持ったガラスの器に蜜がたまっていて、ぼく ....
月は夜空に煌々と
波は浜辺に打ち寄せて
酔いどれ共が歌っていく
銀の夜道に眩めきながら
酔いどれ共が歌っていく
波は白波
満月の
光に照らされ
行くあてなく
土塊と化した酔いどれ ....
ドアは開いたままにしておいた
大型の遺体処理装置が台車に引かれ入りやすくするために
小さな窓からレース越しに薄く幅を調整したLEDの光が差し込んでいた
朝だ!ピクセル形式に時間は感覚に標す。 ....
血を捨てる人もいれば血を拾う人がいる。
否定された/言葉は宝物
どちらにせよいったん保留してしまえば人間であることに違いはない。
休憩時間になれば袋からピーナッツを取り出してポリポリと囓 ....
旅の人は足を止める
道は遥か地平迄伸びていく
旅の人は休息を必要とする
身も心もつかれ果てて埃にまみれていた
旅の人は道端の叢に倒れ込む
仰向けにねて見上げた空を鳥の群れが飛んでいく ....
今日歩む道、暖かく
急な変化に神経乱れ
沸き起こる不安感に
吐き気を覚えながら
垂直に見上げる空の青
半球描き何処までも
遠い遠い記憶の余韻、
胸奥から懐かしく響き
私は進む、
前へ ....
純水とは何も生み出さず何も破壊しない。 by 多児眞晴
含有量0,1パーセントしか含まれてはいない精液のことを精子と呼べるのだろうか。 みんな死んでいる。
これを愛の力強さで甦らせてみ ....
真っ直ぐなんて歩けやしない
平らなところで つまずいて
ぬかるみで ぐっちゃりなんて いつものことだし
おいしくない水だって 飲んでしまうし
....
二〇一四年七月一日 「マクドナルド」
けさ、近所の西大路五条のマクドナルドのカウンター席で、かわいいなと思った男の子に、ぼくの名前と携帯の電話番号を書いた紙を手渡したら、大きく目を見開かれてし ....
鼻が詰まる季節にはガソリンに気をつけなさい
「こ、この腕、ぃ一本、ぉおいくらでしょうか」?
宣伝(CM)の前には障害のある子にそう言わせている
これが世間的には欲望の話題の対象に ....
あしおとをきいてみよう
どすどす おこってるのか
ばたばた あわててるのか
とたとた かわいいあしか
ちりとてちん らくごかさんかな
ちどりあしの よっぱらい
ずんずんずん つま ....
過ぎ行く街並みは
コバルトブルーに浮遊して
薄暮を迎え
風はもう絶えず吹き
透き通っていく、透き通っていく
外へ外へと向かいながら
夢のなか、外に出るのは久し振り
その夕暮れ時の光景 ....
生まれたときは黒曜石のかけら
溶け出した粘綿のように
光の粒が眩しかった
唐突に
知覚らは認識の文字を学び
記憶を辿ればただの生き物と叫ぶ
そこはかとなく 溜まる ....
蝶番が何億光年か先にある大きな部屋では
たくさんのことが大変だ
想像してみて
太陽系はその部屋の住人の
鼻の穴の鼻毛のそよぎのようなもの
鼻毛を横切る彗星とアポロの夢
エウロパの謎 ....
土曜日の夜
テレビ番組を目で追っていると
都心の映画館で見た懐かしい題字に目が留まる
水割りを用意する
ダブルで いやトリプルだな この映画見るには
第二 ....
あの日、若くして病に倒れ
この世を去っていった歌姫よ
あなたは姿のない絶望の闇と向き合い
動悸の乱れる日も
副作用で口の中が傷だらけの日も
死の不安に独り…震える深夜も
最後まで、生 ....
どんどん
書けなくなる
次第に
言葉の壁が四方から迫ってくる
盗掘したわけではないのに
インディージョーンズでもあるまいし
スナイパーが潜伏しているらしい
フレーズの ....
冴えない身なりをして
うらぶれた街を歩きたい
擦り切れた靴を履いて
ボサボサの髪で
この世の終わりの方角を見るような眼をしながら
行くあてもなく
彷徨い歩きたい
うす汚い帽子は
....
二〇一四年六月一日 「偶然」
あさ、仕事に行くために駅に向かう途中、目の隅で、何か動くものがあった。歩く速さを落として目をやると、飲食店の店先で、電信柱の横に廃棄されたゴミ袋の、結ばれていたは ....
{引用=「アルタイル(ひこ星)」
めをつむると
いたって
砂さばくです
ずっと
ふたはあけた{ルビ儘=まゝ}
眼には
さぼてんの花
{ルビ如何=いかん}
せん
いか ....
明るい声で
おはようの言葉を浴びると
太陽の光よりも温かく感じるよ
それは君からだけじゃないんだ
目を向けてくれた人
誰からでもそうなんだ
でもね ....
理不尽に向けられる言葉の剣は
想像力の欠如
以前ならば傷付いていたかもしれない
でも、私は知ってしまった
怒りの感情
静かに燃える負の感情
怒りは隠しておいた方がいい
誰もが不機嫌の ....
坂道に
水の流れ、
大量に
夜の透明、
車は行き交い
飛び込んでいく
人、人、人
君はスマホの
中に居て
綺麗な声で
歌っている
聴いたことのない
異国の歌を
夢見心地 ....
はららとため息でるような
穏やかな陽射しの秋日に
光の道を歩んで行く
私の心は平安だ
長閑なお昼寝の時間帯
子供は遠い夢見のなか
微睡みうっとり揺蕩って
はららとため息でる ....
{引用={ルビ襷=たすき}がけの
やわらな眼にて
なぞるのは
左岸の萩
たれては
波にことごと
忘却をすて
むらさき色した瞑想
その
ひと房の
ながれては寄る
幻
にぎ ....
庭を走り回り
外をのぞく
悪い奴、近付くな
オレの領地に
生け垣から鼻だけだして
ワン!
ただ歩いている人に
それはないよ~
もう、責任感強いんだから
産んでくれなんて一度も頼まなかったのに
よけいな真似をしてくれた
母さん
何言ってるの
母さんだってあんたみたいな子供に育つと分かっていたら
死ぬほど痛い思いして産んでいなかったわよ
....
真昼の空、俄に暗くなり
青い青い地球 巨大に浮かんでいる
凝視しながらわたしは
驚きの余り震えている
存在していることのただ異様
青い青い地球 ぽっかり浮かんでいる
....
漂い
彷徨い
移ろう
ヒトの想い
切り裂かれ
引き裂かれ
付けられた傷の痛みは
容易には癒えない
明日の方角がわからない
ヒトが通るべきは
人の道
なのに
ケモ ....
繁華街の雑踏で背後から呼び止められた
気がして
思わず立ち止まってふり返ると
自分ではなかった
と女は落胆した
知らない誰かが知らない誰かと
そこで偶然再会した様子だった
ただそ ....
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