神がなかったので
運命もなかった
われわれは 偶然
この世に産み落とされた
ただのうたかた
きのうも明日もない
つかのまの
たわむれ

よるべない この胸

だから

むし ....
どんなにおそろしいか
どんなにふあんか
まくらやみのなかで
ふみだす そのいっぽ

声をかけられなかった
ずっと昔
学校帰りの交差点で
その人は白杖を持って
信号待ちをしていた
声 ....
人型サボテンは狂い咲き
愛人は血を流し過ぎたのだ
肌蹴た胸に呪詛めく黒子口移しで
器から器へと移動しながら
情熱は霧散して往く愛は
溶けないままで重く沈殿する 


裂く天つめたい銀河 ....
 砂は いった

ぼくは 砂に
のまれた

 節の 娘

射し込んでは 突き刺さるだけの
眼球 に
一つに
一つに
一つに
一つに
一つに
一つに 砂が紛れて いった

 ....
諦めて、抱擁を解いて落ちる。

蟻が衛星のように周囲を巡る。

端から欠けて地に一つ。

月が、満ちて笑う。
ぼーとテレビを見ていて
半開きの唇から
涎が一筋
急いで手で拭き…
認めない
涎を垂らしたことが老いのせいだなど
ただ 口を閉じていなかっただけ
幼児は涎を流し
若者だって 口角泡を飛 ....
          IEでまた知った
  名のあるひとが鬼籍に入った と
    空洞にしてもちろん名もない
      おいらの齢(よわい)より
       五年も十年も若いのに
  な ....
十二本の骨で護られた
私の心臓が
八本目から露わになって
飛んで来た石の鏃が突き刺さる

傷口から溢れ出す黒い血は
鳩尾の星の下をつたい
裂けた林檎の割れ目に溜まり
滴り落ちて
 ....
いちじくがなりすぎて
おしうりされて
いやになる きみの
ことがだいきらいなわけではないけど
だいすきなわけでもない
いっそきらわれたほうがましとでもいうように
そのみはすこしわれていて
 ....
春は唐突に、桜のことを思い出させる。
夏は積乱雲を、
秋は紅葉を、
冬には静電気を、

思い出さない。

それらのことを、別の季節には。
桜の並木道を抜け、
日差しを雲がさえぎり、
 ....
今日街で
出歩く人々の背中を見ていた
僕も 彼らの流れに分け入って
流れる方へと歩いていった


だけどどこへ向かっていくのだろう
ここではない 心の中で思う場所へ
だけど思いもしない ....
網膜を行き過ぎる詩語硬直の行列
心は、始めから無い表情を隠し
意味は美を名目に犬となって瞑目する
      ――沈黙するロバの耳


灰色にずっと燃えている虫はかすかに
茜色の玉を胸に ....
黒い視線がデッサンを始める

 その前に

匂やか印象だけを舌先に灯し

  駆け引き

{ルビ張子=はりこ}のロマンス欲情田舎芝居

   止まずに

降り続く冷たい天使の死 ....
テロリズムの定義を歪めた
罪を意識しない国家体制は
ここに確立されてしまった

国家の行う恐怖による
人心支配が正当化された

テロ「恐怖」とそれを行使する
国家体制が承認されたのだ
 ....
砂浜の砂を握りしめ
手を開けば
崩れる砂
崩れた砂を見ると
砂は砂粒と砂粒だった

地球はひとつでも
本当の地球は
個々の人々や生きものたち
一粒一粒の砂粒

この世の中の本当の ....
   待宵の支度を重ねながら粋に古を覗く上向きに
   女の割合の多い その丸い姿に時に 男にも見える

   只の円

   人々に想いを凭れ拝まれ馳せられ 逃げたまま

 ....
月夜の帰り道
青白い横断歩道で 拾った
白い帯にぽつんと 真っ黒い穴
無造作に転がっていた 黒い石

指先が ぽっ と暖かくなったような
無機質な石よりも 柔らかい感触
左折してきた ....
飲み干したラムネ瓶から玉とれず入道雲がひたすら白い 夢の終わりに
尾ひれが跳ねて
視界の隅の
水面が揺れた

耳奥に流れる
遠い海からの便り
風が叩く戸口を
そっと開くと
千の夜を留めた星が
瞬き瞬き
手招きをしている

 ....
誕生日だね
おめでとう

生まれてきてくれて
ありがとう

そして今日まで
生きてきてくれて
ありがとう

君の愛する家族と
君を愛する友人たちのすべてに
ありがとう

い ....
{ルビ踵=かかと}二つ 凍えそうな夜 エーゲ海の支配者は小舟を漕ぐ
胸の中 {ルビ彷徨う=さまよ}ままに海を眺める
夜明けに近づくにつれ 帆は鎮まる 海の支配者は朝眠る
君が引きずっているのが
くだらない過去だというのなら
そのまますりおろしてしまえば良い

君が隠しているのが
誰も知らない色の絵の具だというのなら
そのまま足跡に垂らしていけばいい

 ....
Helloから繋がろうとする世界
バスタブの憂鬱、しゃぼんの気紛れ
熱を帯びては溶け出してドロップアウト
洗い流しても残るのは、スリップダウンのお誘い
固形物であることを裏切りたくなる雨の日の ....
水底の傷
陽を見つめつづける
水底の傷


霧の奥の棘
言葉を抄えない
霧の奥の棘


空き地をわたる風が
目を潤ませる
昨日の雨
昨日の文字


 ....
ちいさなちいさなかっぱちゃん

あめふりあめふりだいすきさ

かっぱだからあめもみずもへいちゃら

おおきなおいけをぴしゃんぱしゃん

ぼくはおいけのかいじゅうだ

おそらのくもも ....
三日月みたいな瞼のカーブが好きだ
わたしの唯一の取り柄のきれいな奥二重のカーブ
細まったり大きく開いたり
わたしの瞼にはお月様が宿っている

ある朝目覚めて鏡の前に立ったら
ピンと張った輪 ....
どうしようもない気持ちだけを抱え
90円を握り締め
僕は今、電話ボックスに
電話をかけた事のある人なんて
僕にはいないけど
今時誰も使わない電話ボックス
重いドアを開け
暑苦しい ....
郊外上空/

図書館からコンビニまで
君の言葉が消費される
ビルの屋上では詩集が燃やされる
もう、僕は、
自分を疑っているんだ。
響きまくる音、音、音、
あらゆる音が郊外上空を支配する ....
青白く痩せた肉体が
強い熱で焼きつけられたような木立の影
生命の湿気を含んだ呼気は
生まれたそばから掻き消えてゆく


君の祈りを
君の祈りを
君の祈り ....
四角四面の黄ばんだ夜
私はどこにも存在しない
ハレーション しばし応答を待つ
穿つ 育つ 非鉄金属

意識を黒く変えろ
消し飛ぶ構造
由木名緒美さんのおすすめリスト(3340)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
絶望の種子- 浩一自由詩3*14-9-11
白杖の人- そらの珊 ...自由詩23*14-9-11
煮詰められた腸- ただのみ ...自由詩17*14-9-10
砂は- 佐藤伊織自由詩314-9-9
「月と蝉」- 宇野康平自由詩114-9-9
認めない- イナエ自由詩21*14-9-9
片影におびえて(六)- 信天翁自由詩314-9-8
血塗られた石鏃- 衣 ミコ自由詩214-9-8
いちじく- そらの珊 ...自由詩18*14-9-8
巡りはしないけど、そのような季節が- rabbitfighte ...自由詩414-9-8
通り過ぎる街で- 番田 自由詩414-9-8
_詩骸のソネット- ハァモニ ...自由詩5*14-9-7
たばこを吹かす女- ただのみ ...自由詩20*14-9-7
アメリカの罪と罰- ドクダミ ...自由詩514-9-7
だから僕は時々空を見る- ichirou自由詩15*14-9-7
待宵- 朝焼彩茜 ...自由詩12*14-9-6
黒い石に- 藤原絵理 ...自由詩6*14-9-6
飲み干したラムネ瓶から玉とれず入道雲がひたすら白い- 北大路京 ...短歌1514-9-6
鬼魚の目覚め- 衣 ミコ自由詩6*14-9-6
誕生日___(親愛なる友へ)- Lucy自由詩13*14-9-6
年老いた海賊- 陽向自由詩8*14-9-6
僕に足がある限り- Neutral自由詩414-9-6
Electric_States- 楽歌自由詩2*14-9-5
午後と手のひら- 木立 悟自由詩6+14-9-5
かっぱちゃん- ただのみ ...自由詩17*14-9-4
三日月- ゆきむし自由詩5*14-9-4
電話ボックスから- 凍月自由詩9*14-9-3
4つに切れてる現代詩- 左屋百色自由詩14*14-9-3
歯痒さで発芽する- ホロウ・ ...自由詩8*14-9-3
コーヒー- 有無谷六 ...自由詩214-9-2

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