一機の ヘリコプターが
  交わりをひとつずつ置いていく
      海色の稜線、わたしたちの
      茹だり、かげ沿いに膿んでくる、疼痛の粘り気
      冷えすぎた{ルビ ....
あなたへ、

人の顔を見るのが怖かったね

中心にポッカリと空いたブラックホールに吸い込まれて
2度と帰れないと思っていたね
きっと宇宙の中に私はいないと思っていたね

臆病な ....
明滅がせわしなくてうつくしい

渡されたまま 騙されたふりをして
わたしたち
殺された草を食む
なんという動揺のあとの
なんという静寂

 〈たくさん毒を食べるから
  たくさん薬が ....
春の日差しに照る光
影と陽の二重音奏は
日常というリズムを奏でている

自然の一つ一つに
咲き始めた根を張る花弁に
青空のキャンパスを渡る一片の白雲に
私達の一つの想いに
無数の生活に ....
路面に、跳ねた
鳥の糞すら
書家の一筆の如き、あーとだ

――この世界は
  詩に充ちている
  床への
  暮れどき
  バナナ、薫り
  ふさがれる
  夢の耳


  碧い
  シャツの海では
  あなたらしき丸みが
  ちぎりすてた影が
  つぎのひかりを ....
滝壺の向こう側にその世界は在った
とうとうと清らかな水が流れ
樹々には瑞々しい木の実がなり
人々は思い思いの楽器を鳴らし
踊りながら行列を成していた
ぼくはあっけにとられ
立ち尽くしている ....
例えば今、口内に広がる血の味を
言葉で拭いさることができないように
例えば今、君の首に絡まるその縄を
わたしの言葉でちぎることが出来ないように

言葉など、非常に無意味なものであるのだ
そ ....
扉の向こうでどんなことを思ってる?
怖くて不安で…
なんて少しも感じさせない人
君は強くてちょっと切ない人

お腹の向こうでどんな顔してる?
またそっくりな顔でも
そうじゃなくても
ど ....
冷たい灌木の素足を芝草が覆う
うぶ毛のようなスギナの森
露に閉じ込められて朝の光が震えていた

「友よ お飲みなさい
こっちは先に頂いています もうすっかり
辺り一面へ溶けだして ほら太陽 ....
{引用=

ねえ、でぶでぶ
神様は毛がないってホント?
みたことある?










ねえ、でぶでぶ
にがいって字書ける?



でぶでぶの字って
うさ ....
喉を鳴らす度に、
耳に響く痛みがある。
痛みには海がある。
耳の背中で、
波音が聴こえる。

鏡がある。
鏡には本当の姿は映らない。
いつもぼやけているこの顔には、
よろこびよりもか ....
ほんとうのことは
ネットには出てこない
ランキングにも載ってない
誓って

受け身でいるのはいい
誰かの
せいにできるから

みんな
楽々とルールを破る

私は時々
赤信号で ....
 「条痕」


ぼくは、〈沈黙〉のまわりで遊んでいたことがある。
なんの裏付けも無いことばよりもそれが信じられたのだ。

大人たちの居間で飛び交う〈ことば〉の
ひどく空ろな虚構より

 ....
   さえずりは無制限に落下して
 漲る心臓
内側からほどけ展開する
うすべに浮遊都市
生贄のメリーゴーランド
空を蕩かす視線を
 火の羽衣に包み
牡丹 
  ゆるりと爆ぜ
     ....
眠れない夜には
そう
静かな音楽が必要になってしまう
それでも今夜は眠れない

月が満ちて
ゆっくりとしていても
アルテミスの歌が美しくとも
眠れない夜は
どうしても眠れないのだ
 ....
医師の言葉に呼応して
治療を始めた
余命半年は拭えた
(彼女はどこ?)

3週間×13
ずっと増え続ける数字
たかが数字 だが重い
できる事はする
頑張れ 私の内臓

今では何処 ....
 ぼくは今日ハローワークに行った

 あさっての面接の段取りをつけ
 神社にお参りをしてうまくいくように祈った
 (苦しいときの神頼みだね)

 帰りのバス停ベンチに座って
 コンビニお ....
枝に留まった、夜の{ルビ梟=ふくろう}
少々首を傾げ
まっ黒いビー玉の瞳で
あなたをじぃ…と、射る

――梟は、仮の姿で
  ふっくりとした着ぐるみの中に
  小さな哲学者がいるらしい
 ....
あなたは、咲こうとしている

――長い間
時に風雨に、身を{ルビ晒=さら}し
時に日向に、身を開き
地中へ…根を張り巡らせて
世界にたった一人の、あなた
という花を咲かせる為に

蕾 ....
五月雨に濡れる青い花びら

リアル過ぎて醜く映る容姿を見つめ

溜息をつく

絶望にも似た成長の過程が始まる予感

旅立ちを前に翼傷め

永遠の春を彷徨い続ける定めの様だ

春 ....
ぽろり 
ぽろぽろ
涙が流れます
お母さん
ぼくは動脈と静脈を断ち切ってしまったはずなのに
涙がぽろりと流れてしまうのです

100%など誰に出来るのでしょうか
それを押し付ける人がい ....
       最近 どうしたわけか
   卒寿となった おひとりさまに
            わけもなく
      にじみでてくる泪がある
         それは・・・・・
      ....
雨は世界のかなしみなのだと
あなたは言った

何処かの誰かの何かがこぼれ
気化したあとに上昇し

消化しようと昇華する

雨は世界のかなしみなのだと
あなたは言った

晴れて ....
浅いところで手を浸して
つめたいと言って笑った
いまごろにしてはすこし寒い
土曜日の午後のことだった
アイスクリームなんか食べたい気分じゃなかったけれど
きみが頑として譲らなかっ ....
月曜日
連なるうろこ雲
蟻から見れば雲突く大男が
注がれたばかりの朝を濁す
休日に書き残したカタコト
浴び続けた音の粉末を
明け方の夢の切れ切れと一緒くた
焼却炉みたいに燻らせながら
 ....
     穏やかな風と光が
    丘のひだにあふれて
 卒寿の猫背を包みこむとき

おひとりさまのスライドには
しみじみとよみがぇってくる

    はるかに過ぎ去った
白い季節の ....
思いが通らず
彷徨う旅の途中
これから入る螺旋のトンネルを前に
灰色な冷たい吐息をつく
やがて出口はあるのだろうけれど
眼を凝らしても先は見えない

異形の者に出逢ったら
どうしよう
 ....
炎が眠っている
その熱と光を休めながら
かつて燃えたことを証明する
灰が柔らかな布団になって
炎は夢を見ている
かつて照らし出した
闇の中に浮き立つ人の顔が
ばらばらになって融合 ....
 夜空に咲く花は美しい音楽を奏でる。
 恥ずかしがり屋の月が雲に隠れぬよう。
 眠りを知らぬ私らは窓辺に佇み
 チェンバロの響きに耳を澄ます。

 慈悲深い月がいよいよその姿を雲にくらま ....
由木名緒美さんのおすすめリスト(3340)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
交わりを置く/そらという球体/見ることの稜線- 草野春心自由詩3*16-6-1
あなたへ、- ゆるこ自由詩716-5-31
窒息する- 伊藤 大 ...自由詩216-5-29
忘却- 鷲田自由詩316-5-29
路面の文字- 服部 剛自由詩216-5-28
丸み/時の棄て場- 草野春心自由詩416-5-28
まほろば- レタス自由詩216-5-27
電車、通過待ち- 縷々流 ...自由詩116-5-27
似た者家族- 中村 く ...自由詩316-5-27
不法投棄地帯- ただのみ ...自由詩13*16-5-25
ねえ、でぶでぶ- 青色銀河 ...自由詩216-5-23
耳の背中- あおい満 ...自由詩316-5-22
プリペア_- umineko自由詩8*16-5-22
条痕- ハァモニ ...自由詩3*16-5-21
夢と現の境で瑞々しく花首垂れる者あり- ただのみ ...自由詩10*16-5-21
忙中閑- レタス自由詩316-5-21
がんと共に- 小川麻由 ...自由詩6*16-5-20
佳日邂逅- 平瀬たか ...自由詩216-5-20
梟の目- 服部 剛自由詩316-5-19
もう一度、蕾から- 服部 剛自由詩516-5-19
老木に咲く青い花- 星丘涙自由詩3*16-5-19
涙の理由- レタス自由詩516-5-18
望郷(四)- 信天翁自由詩416-5-18
『レイン』- ベンジャ ...自由詩5+*16-5-18
ナ・ツ・メ・ロ- ホロウ・ ...自由詩4*16-5-18
トゥリャ・トゥリャ- ただのみ ...自由詩7*16-5-14
橘月- 信天翁自由詩1016-5-14
回帰- レタス自由詩516-5-14
眠った炎- 葉leaf自由詩1516-5-14
夜空に咲く花- ヒヤシン ...自由詩4*16-5-14

Home 戻る 最新へ 次へ
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67 68 69 70 71 72 73 74 75 76 77 78 79 80 81 82 83 84 85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 100 101 102 103 104 105 106 107 108 109 110 111 112