やや乾いた
風がない
夜空のなかで
Schubertの楽譜から
不思議な音が響く
一瞬のあいだに
戦争写真家が撮影した
たった一枚の写真が伝える
真実みたいに
部屋中に澄みわたる
 ....
君の言い訳の言葉に
のりーしろを作った



もっと本音を言っていいんだよ

紅茶を入れるから

夜は始まったばかりだ
青く澄み渡った空に
シャボン玉が飛び交う
光を反射し
キラキラ
キラキラ

白いキャミソールの似合う女の子が
そのシャボン玉を
高台から飛ばしていて
それを
子供たちが
捕まえて ....
盆を過ぎると
道端のあちこちに
蝉の死骸が落ちている
干乾びて塵同然

役目を終えた蝉たちに
弔いはない
墓もない
けれど残していった
ものがある

未来の夏には
また喧しく
 ....
 
夏の日差しをつめた小さなガラス瓶

机の上に ぽつり

砂に埋める勇気もなくて



 
ぼんやり開いた窓から
生活の群体が 声とも
匂いともつかない無数の触手を忍び込ませ
夕べを小さく折りたたんで往く
界隈のステテコ爺のように
この胸を徘徊する諦めの ブラシのような足音
持ち ....
透明な木漏れ陽が ころころと
転がっている 密やかな苔の森に
生を終えた 蝉が仰向けに凝然と
夏の終わりは こっくりと乾き始めた


風が流れて 何かを囁いて過ぎた
手を繋いでいたよ ....
いくつかの
起承転結が
たとえば
レース編みの
小さな花模様のように
点在しているような
ひざかけを
(今朝、突然に秋が来たので、
 それが不意打ちであったため
 タオルケットだけの ....
破水した光の{ルビ枝垂=しなだ}れ
終わらない夏の囚われ
わたしは煮え立つ釜のよう
せめぎ合いの果てに溢れ出す

      
しろくのけぞる
      朝顔のうなじ 
       ....
矛は真理を貫き、楯は真理を守る
真理は沈黙にのみ宿り、文字は幻想をさまよう

我々は真実(言葉)を置いてはいけない

真実(言葉)が我々を書かせるのだ 。






 ....
スパイダーマン
バットマン
スーパーマンたちが
こぞって
窓拭きをしている

ヒーローたちは
そこでは闘わない
闘っているのは
きみたちだから
無人の駅に
青い鳥

天気も知らず
旅立つつもり

先ごろの
予感によると
どうも神様は
虫に戻ったらしい

ひとしきり微笑むと
鳥は彼方へ

無人の駅は
青い空

 ....
 
あの頃のぼくたちにイスはひとつしかなかった

半分こして座ることもできたのに

いっしょに座ることもできたのに




 
私は自分の信じたいものを信じ
見たいものを見つけ出し
聞きたい言葉を探し出し
不都合な事実は無視し耳を塞ぐ
反論に備えて(怯えて)理論武装する
あたかも敵国を想定して軍事演習をするように
 ....
明晰な過去の雫

その「本体」の姿

夜の帳 風の声

コンプ済みのカードデッキと君の笑顔

歌われる事のない歌とはためく事のない旗

そして、愛する事のない人類と愛される事を知ら ....
できれば月に還りたい

できれば土に還りたい

犬の鼻っつらに広い夜

人工衛星お尻を見せて

できれば月に還りたい

できれば土に還りたい


指さきには赤ちゃんの匂いが
 ....
きれいな心は何処ですか
魚も河童も住みませんか
七色の嘘が必要ですか
薄めた毒で酔いますか

澄んだ瞳は悲しいですか
焼かれる人と笑う人
澄んだ空ほど悲しいですね
永久と泡沫が近すぎて ....
  入り口の方にあなたが立っていたが
  出口の方にも同じようにあなたが立っていた
  べつに邪魔をしているわけでなくただ立っているだけのこと
  そういえばそのような薬物をわたしはどこ ....
斑入りの朝顔の葉
白い斑
子供の頃は病気の葉だと思っていた
今では朝顔の個性であると想っている
今では斑のアクセントに自然の美を感じる様になった

斑入りの朝顔の葉
不効率な自然の葉 ....
今日も同じ場所で立ち止まれば
聞こえて来る 母の明るい声

「あんたはヤクルトが大好きでね、
 お風呂上がりに必ず一本飲まないと寝てくれなかった。
 ある時買い置きがなくなっちゃった時があっ ....
目蓋を閉じて
皮膚の下に流れる音を辿る

爪先から心臓まで
留まる事なく巡る
透明な、その筋を、
罪と言うならば
この牢獄から逃れられる者は
誰も居ない、と

永い月日が織り上 ....
約束は
果たされないことの方が多いから
寂しそうに微笑むんだね

きっと、だれしも
去りぎわに

けれど

約束は
全く果たされないわけではないから
なおさら人は微笑んで ....
夏にさよならを
今年は雨が連なりますね。雷師も人格が変わってきたようです。
と、お天気お姉さんが言っていました。
それはそれで構いません。
カレンダーを丸めたような手紙をバトンにして
 ....
星がない夜空で
遠く昔に君が歩いたはずの
もう見えない足跡でさえも
まだアスファルトには
小さな熱としてこもっていて

切ない夏の夜に
孤独な月が隠れながら
白夜について
君のとても ....
やわらかな夜の入口で
関節のありかを
ひとつひとつ
たしかめていく
幾度となく
繰り返してきた
解体のための
いとおしい作業
継ぎ目よ
さようなら

肉体は部品となって
ていね ....
愛やら哀や食傷小町
茄子を揉み揉む{ルビ外法=げほう}のスアシ
アブラ{ルビ帷子=かたびら}文系ソバカス
{ルビ瞬=しばた}くひゃっこの黒蜜{ルビ空=から}して

{ルビ琴=きん}やら{ルビ ....
仕事から帰って
社長と上手くいってないような気がして
幻聴にすべてを奪われるような気がして
水をたくさん飲んだ
がぶり がぶり
ありがたい ありがたいと
唱えるように

 ....
お岩さんを知っているでしょう
そう四谷怪談のひろいん
江戸時代
牡丹燈籠のお露さんと
番町皿屋敷のお菊さんと
三人で結成した
納涼しすたーず
せんたーでうらめしやをしていた
あのお岩さ ....
布団は ばあちゃんの香りがしている
少し脚が不自由だけど 元気で
働き者のばあちゃんが干しておいてくれた
布団は日向の香りが充満している


ばあちゃんは もう年だから
同じ話を ....
丘に控えた公団住宅を取り巻く
 風は脈を沈めていた
  光は息を殺していた
盆踊りのやぐらを無視するように

   七階の窓からは
敷き布団を叩く音が重たげに─
   四階の窓からは
 ....
由木名緒美さんのおすすめリスト(3340)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
夜空と楽譜と- りゅうの ...自由詩9*14-9-2
_のりーしろ- ichirou自由詩914-9-1
躍動する跳躍- opus自由詩4*14-9-1
【_バトンタッチ_】- 泡沫恋歌自由詩20*14-9-1
ぽつり- 殿上 童自由詩25*14-9-1
ジカイダー- ただのみ ...自由詩21*14-8-31
追憶に- 藤原絵理 ...自由詩10*14-8-29
たくさんのおはよう、いってらっしゃい、ありがとうが行き交う交 ...- そらの珊 ...自由詩23*14-8-29
沸騰点- ただのみ ...自由詩24*14-8-27
詩の言葉- アラガイ ...自由詩19*14-8-27
小児病棟- そらの珊 ...自由詩22*14-8-26
ブルーマウンテン- やまうち ...自由詩114-8-26
イスはひとつしか- 殿上 童自由詩32*14-8-24
私を認めて- ただのみ ...自由詩25*14-8-23
B.C.6954年- yamadahifumi自由詩214-8-23
月に還りたい- 吉岡ペペ ...自由詩1014-8-22
何処- ただのみ ...自由詩21*14-8-20
悪魔- 草野春心自由詩614-8-20
斑入りの朝顔の葉- ichirou自由詩16*14-8-19
ヤクルト- 夏美かを ...自由詩48*14-8-19
神径- 衣 ミコ自由詩5*14-8-19
優しいひとへ- 千波 一 ...自由詩314-8-18
夏の消印- 朝焼彩茜 ...自由詩21*14-8-18
白夜の足跡- りゅうの ...自由詩10*14-8-17
心だけ小さな舟に運ばせて- そらの珊 ...自由詩22*14-8-17
食傷小町- ただのみ ...自由詩19*14-8-17
無題- 田園自由詩514-8-17
右と左- ただのみ ...自由詩22*14-8-15
盆帰り- 藤原絵理 ...自由詩914-8-15
隻影を落として- 信天翁自由詩314-8-15

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