死と眠りが
同じようにみえるときが
ある
ひとめみたとき

だからときどき
はっとして
大切な人にかけよる
あなたたちは
人の気もしらないで
静かな息をしている

あつい
手 ....
夢、ゆめ、夢って、
あおりたてないで
将来、なにになるかなんて
考えれば考えるほど
わからなくなる

なんとなく
先の世界は
あまりよいこともなさそう
授業はいつだって
けだるくて ....
くるくる
まわります
ずっと
痛む足をひきずって
くるくる
くるくる
まわります
ほんとうに
心から楽しい人など
ここにはいないでしょう
みんな
忘れたいだけですから
くるくる ....
その特別な血に
近づくと
顔をひそめてしまうくらい
ひどい、だが
虐げられたような、それでいてはむかうような
やるせないような
においがする
あるいは
海のようにきびしくて、底知れぬほ ....
放課後の学校は静かで
でもまだどこかにざわめきを隠していて
傾いてきた栗色の光が
少女たちの瞳を
大人びてみせる
窓は少しだけあけておかなければならなくて
そこから
教室じゅうに清新な風 ....
内奥の
もっともやわらかな
湿地から
あわわれいずる
日の目をみるがために

新しい日よ
ブラヴォー

夜をこえた
植物たちと同じように
飢餓のまま
烈しく光に吸い寄せられて
 ....
はじめて
青い本の表紙に
CHOPIN
という文字を見いだしたとき
その下にショパンという名前を確認したとき
華やかな、うわずったような気もちが、
早く弾きたいという、せっつかれるような気 ....
ここから
遠いところへいくためには
まず気持ちをたちあげなくては
たぶん、それが一歩

一歩とは
ほとんどゼロでありながら
なんとすべてに近いことか

オーケストラがはじまる直前のあ ....
靴をぬぎすてて
乾いた道を疲れるまで
進んできた
僕は裸足が好きだ。
裸足で土を踏みしめるのが
好きだ。
ときどきうめき声をあげさせられる、
そのふいの痛みが、なにか重大なことのレッスン ....
浮き輪がなくなっていて
気づいたときには
けっこう遠くまで流されていた
風がきつかったからかもしれない
お父さんがちょっとだけ顔色をきつくさせてから
でも勢いよくむかっていった
わたしと妹 ....
とてもしずか
とても遅い
とても暗く
とてもくすんでいて
とても年老いて感じられ
よって、最初は足踏みをしているような
あるいは先のみえない考え事をしているような
印象をうけるかもしれな ....
林檎のジャムを一瓶、食べてもいいと
いわれたような気がした
大人みたいに好きなだけ、起きていてもいいと
いわれたような気がした
明日も、あさっても、その次の日も
ずっと日曜日みたいな気がした ....
炎が大きくなると
みな逆に息をひそめる

瞳にかすかに邪悪なものが
やどっていたとしても

驚いてはいけない
子らは儀式の最中において
完璧に集中している
ピアノはなんともつれないやつ
思いどおりになんて
とうてい弾けない
僕の指ときたら
からまるか、つっかえるか、へたれこむか

あつかましかったのだろうか
だが、
初心者用にアレンジされ ....
小学生くらいの
子供の
こころが透けてみえたら
大人はいうだろう、
ばかだな、
そんなどうでもよいことで、なにを、悩んでいるんだ、と。

ふりかかるひとつひとつを
わざわざ両手をひろげ ....
わすれまじ
ここに永遠(とわ)にはおらぬことを
はなびらがめくれて
むせかえる花粉が
風にまみえ

この夕方 君においつく
だれよりも
上手にできることは
よいことですか
きらびやかで烈しい舞
なめらかに、ひとつのまちがいもなく
うたうように、ひたすらのぼりつめてゆく
けして息ぬきなんて
できない

みん ....
「かたまるな、走れ」って先生の声
ほっとして立ち上がる
さなえちゃんを蹴飛ばしちゃったら
泣いちゃったから

あ、またあの感じ
透明になる感じ
太陽がわたしの体をすけすけにして
なにも ....
きんいろ
きんいろ
窓から顔を
つきだして

きんいろ
きんいろ
風にさらわれる


アクセルと
こころはおんなじ
あのみどりまで
ふみこんで

あ、海
五月の海
 ....
喉が渇いて
二階からおりてきたら
リビングには夫がいて
やっぱりテレビをみていた。
最近、休日はずっと
テレビばかり。
ときどきビールとかコーヒーとか
のみながら。
夫の部屋はないから ....
僕の両親は なんとか繕ってはいたが
あのころすでに
「破滅」していたのだと思う
僕はそんな言葉さえしらないまま
「破滅」のまんなかで 肩身がせまかったのか、精神的に不安だったためか
実のとこ ....
お母さんが天井にひっついた電球のカバーを指さして
UFOだといった、僕はそのジョークにのっかって、
いつものように眠る前のひととき、ふざけていたんだけど、
いつのまにか「未知との遭遇」という映画 ....
みあげると
君はまた
頂上にいて
ぴかぴか光りながら
もう
そこからおりることしか
考えていない

君は
太陽の冠を
いともあっさりと
ぬぎすてる

なにがいいの?
風 ....
きょうハルミちゃんがくる
あたしにはおねえちゃんがいないから
ハルミちゃんがおねえちゃんのかわりとか
そんなたるいりゆうじゃない
だって妹にとってあたしはそんななまやさしいものじゃないし

 ....
眠る前、羽みたいな手がおりてくると
ぼくはそれだけでなにもかも忘れてしまう
今日はきてくれるかな

階段のしたから、食器を片づける音がきこえてくる
きてくれるかどうかは わからない
機嫌が ....
あなたが わたしを
過去のこととして
話すときがいつか
くるのかな。
だった・・・だった・・・だったって。

時間は無限に循環しているといいます。
じゃあ、この風はどこからきたの?
 ....
ただひとつ思い出を選べといわれたら
私はあの日を
傘をさした母と
手をつないで二人駄菓子屋まで歩いた日を
選ぶだろう

この世に完全な幸せがあるとしたら
きっとそんな遠い日の
小さ ....
七歳
私は一人急な坂を自転車で転がりおちていった
あまりにも急だったので、ブレーキをかけたとたん
自転車ごとひっくりかえり、天地がさかさまになったと思ったら
膝からなめらかな血が、信じられない ....
君が声をあげて駈けてゆく
たくさんの声のなかから、私はたった一つの声だけに引き寄せられる
どこへいくのか、
だれとなにをしているのか
気になるのは君が楽しいかどうかだ
いやな気持ちを味わって ....
ピアノの部屋には 古いステレオが置かれていて
横に長く重たそうで 足が細い  猫みたいに

レコードのかけかたをおぼえたわたしは
あるいちまいのレコードの秘密をしった

スピーカーに耳 ....
美砂(91)
タイトル カテゴリ Point 日付
死と眠り自由詩6*07/7/12 22:40
RONDO自由詩2*07/7/7 23:25
ショパン ワルツ 第8番 作品64の3未詩・独白3*07/7/4 22:00
ゲッケイ自由詩5*07/6/30 21:59
こっくりさん自由詩6*07/6/28 22:42
詩語自由詩3*07/6/25 22:03
ショパンとあなた未詩・独白4*07/6/25 22:01
一歩自由詩4*07/6/22 23:02
コンティニューム自由詩7*07/6/19 22:07
流れていった浮き輪自由詩7*07/6/18 21:59
シンフォニア 第9番未詩・独白1*07/6/16 22:48
わたしのそばにそれがきたとき自由詩4*07/6/13 23:24
火遊び自由詩9*07/6/10 23:07
四十の手習い自由詩5*07/6/8 22:03
けだかさ自由詩5*07/6/7 22:20
君においつく自由詩7*07/6/4 22:26
えらばれた人への哀歌自由詩6*07/6/1 22:27
モーツァルト ピアノソナタ kv570 より、第一楽章未詩・独白5*07/5/29 21:59
5月のドライブ自由詩5+*07/5/27 22:32
休日自由詩11*07/5/24 21:57
初恋散文(批評 ...3*07/5/21 22:42
寝物語自由詩1*07/5/20 22:30
滑り台の下で待っている自由詩4*07/5/18 22:05
あたしがハルミちゃんをすきなりゆう自由詩5*07/5/16 22:54
マミー、マミー自由詩2*07/5/14 22:12
FOR  YOU自由詩7*07/5/12 22:18
幸せ自由詩4*07/5/10 22:34
痛み自由詩1*07/5/9 22:04
息子の声自由詩4*07/5/8 13:29
1977自由詩2*07/5/6 22:14

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