わたしは小学生のとき
時そのものをあきれて
見ていたことがあった

時は昼寝をしているみたいに
動かなくて
おおきくておもたくて
自分を
もてあましているように
見えた

・ ....
夕暮れになるといつも
そこに
ぜんぶを残して
かえった
ドアがひらいて
際限がなくなる
もしかして
なんでもが
ことばで
あらわせるとしたら
ぼくだけで
たりるだろうか
あれも
これも
あそこも
むこうも
ずっとさきも
ずっと ....
いったいどれだけ自分の中から
わいてくるものなのかとおもって
そのうち悲しみなどに浸れなくなってくるのだった
「お参り」

両親がお賽銭を投げ入れて祈るたびに
けして口には出さなかったけれど
いつも私は思っていた
「ほんとうに、ここに、この奥に、
いるのか?」
それは
「うつろう」です
僕はまた新しい言葉をおぼえました

「うつろう」です
僕の顔にあたる光と影

ちょうど、いま、の、ことです、
ちょうど、いま、なっています、

「 ....
ねじる腰のあたりいったい
やどるからだぜんぶに
ひとみチカラみちみち
くりかえしくりかえしては
みちなかば
そこをこえたい
そこをこえてゆく
そこをこえきって


できた!
 ....
眠るまえと
眠ったあとの
あいだ
同じ宇宙を
よだれが流れていった
なにか、なにか、
なにかがある
みえない
なにか、なにか、
たぶんずっとありつづけてきて
たぶんずっとあるだろう
いまこのせかいじゅう
すべてほろびたときすら
たぶんしかたなく
 ....
まえより
おおきくなったんだって
わかる
なんてうれしそうに
あたまをなぜるの
おとうさん
でもなんて
おもたい手なの
なんてしずんでくるの
おとうさん
シャットダウンする
あなたのまぶた

待って
血だらけになりたいんだ
光だらけになりたいんだ
そしてさけぶ!
おはよう!
おはよう!
おはよう!
きこえたら
ホントウにきこ ....
ちいさくても
いい?
おかあさんと
いっしょにいても
いい?
手をつないでいても
いい?
ねえ、
なにをいえば
いい?
いつもそのうち
アレがはじまる
アレがなにかはわからないが
アレは
どこまでもきこえているだろう
主人に連れて行ってもらったウミや
思い切り走れるコウエン
みるだけで引き返してきた、 ....
やさしくなどとおもわなくても
しみわたっていて
近づけば
近づくほど
殺すこともできるこの手が
どれだけでもやさしく触れます
息をむりやりとめてみたら
あばれるんだ
なかにだれかいるの
なかにだれかいるの
僕はおさえつけようとした
だけど
ものすごい力
ものすごい力
ものすごい力
だれ?
だれなの?
 ....
影に
めをみはる

おおきく、なって、しまった・・・
くるの、
きたの、
わかる
とてもつよく
わたしは、
いいんだよ、
いいんだよ、と
いう、
夜にむかって
いいんだよ、
いいんだよ、と
いう
夜があんまりつよまると
底が ....
たった
ここからここまでのどこにでも
どこからでも
たった
ここからここまでで
どれだけでも
どこまででも
そして
はじめて
生理になった

あさもひるもよるも
血がとまらない

15さい・・・・・
くらやみのなかを
めざすところが
ここ
ちいさなあかりを
はっする
ここ
きみがたどりつこうとして
さむさあつさふりきるように
向かうのが
ここ
かえってくるということ
その ....
しゃがむと
ふとももに
はっきりと
乳首があたって
産毛が
水底から
いっせいに
たちあがる

夏ひく距離は

からだ
あなたは眠りにおちる瞬間のあなたを知っているか
あなたは知らないだろう
あなたのからだは一瞬のこわばりをこえて
完全に脱力することになっていることを
あなたは
ときどき
それに失敗して ....
ときどき
なにかしずかによこぎる
そのあと

おきる
まっていたこと
まっていなかったこと
まんぱいになる
ぼくは
なにかと
いっしょになっている
そのとき
たえきれなく
ならないために
なにかと
いっしょになっている
それが
たましい
とよばれるものじゃないかと
それが
ばくは ....
きょうはみどりといういろを
おしえてもらった
というけれど
だけどそれ
あっちも
こっちも
みどりで
みどりったって
ぜんぶちがうみどり
じゃないの
あれは?
いろえんぴつの ....
真上には晴れ
薄い薄い屋根に薄い薄い体で
平和の雲が空に浮いていた
それをつかむことができた
こっちにある
こっちにある
熱い熱い屋根に熱い熱い体で
あからさまな光にふてくされな ....
ミライ

めまぐるしい
花吹雪に
目がかすんでゆくよ

何度かえても
ほんとうのことなんかひとつも

みんな
ほうりだす

あきらめたみたいに
だって
さわれないじ ....
ぼくの前に
ほんの少しだけ
あいたドアがあって

あまりにも少しだったから
ドアのむこうがわは
みえなかったが
ドアはたしかにあいていた

そのうち
あいたドアから目をそらせて
 ....
ときどき
口からでてくる
炎のような
透明なかたまり

おかあさん、
おかあさん、

どんな言葉も
その次にしか
うまれてこない気がするよ

病めるときも
健やかなる ....
青い色、胸底でからむ
糸は しんなりよわよわしく
しかしどうやったら、というほどに
むすぼれてしまって
ほどけようもなく

手と手をとるとき
ふたりは
どこにいても
山の奥を感じる
 ....
美砂(91)
タイトル カテゴリ Point 日付
「時」自由詩315/8/6 18:17
「残していく」自由詩415/8/1 18:25
「ことば」自由詩215/7/31 10:19
「涙」自由詩415/7/29 10:07
「お参り」自由詩315/7/27 21:48
季節自由詩213/10/4 22:09
意志と表象としてのねがえり自由詩413/8/17 21:55
いねむり自由詩713/5/23 22:30
なにか自由詩313/4/27 22:20
のびてくる僕とおとうさんの手自由詩513/4/24 22:07
ゆめのみるゆめ自由詩413/4/21 11:28
海のまえ自由詩313/4/20 18:54
オネエサンがきたら自由詩312/11/16 19:34
タッチ自由詩1*12/11/10 21:56
れんぞくする自由詩5*12/11/8 21:48
ものごころ自由詩1*12/11/4 12:36
それをかなしばりだときづいたのはずっとあとになってからでした自由詩6*12/11/2 22:35
鍵盤自由詩6*12/7/1 19:12
ころもがえ自由詩3*12/6/20 22:08
自由詩2*12/6/17 22:41
しゃがむと自由詩2+*12/6/15 22:01
眠りとあなた自由詩5*12/6/14 18:49
甲子園球場自由詩212/2/26 19:10
見送る自由詩5*12/2/17 10:40
みどりといういろ自由詩2*12/2/5 12:56
トタン屋根にねころんで自由詩5*11/7/19 12:13
万華鏡自由詩1*11/7/8 12:29
door自由詩0*11/7/7 10:47
お祈り自由詩2*10/7/6 19:30
彼女と彼女自由詩4*10/5/3 18:00

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