宇宙のかなたの秘めごとに
聞き耳を立ててみたくなるような
わたしの夜は

透きとおるほどに汚れてしまう
汚れるほどにもろさを甘受する
もろくなるほどに
他を傷つける


  ....
工事ランプは今夜も寂しくて
車もまばらな夜の向こうには
灯るような、三日月

いまとなってはどんな言葉も
傷をかばうための
道具でしかないのなら
せめて
こまめに
踏むし ....
あえる ね

お、 と、
あ ふれる ね


はるか な はる が ね
くる ね のにね の に ね

あ ふれる ね
ほほ ほほ うふふ



ひのな ひの なか ....
やさしい人はどこですか、と
尋ねることばが多すぎるので
空はすっかり無言です

晴れ渡る青空の日も
雨の日も
風の日も
空には無言が広がります

だから時には
黙って空 ....
わがままな迷子のためのひつじ雲
お日さま連れてあしたもおいで



迷いのない軌跡を示せ飛行機雲
だれのものでも、いつのものでも



先端の爪にひそかに願いごと
 ....
いらない人など
どこにもいないと云うのなら
いらない悲しみもきっと
どこにもない

いらない人というものが
もしもどこかに在るならば
目の前の喜びに怯える日々は
ずっと積もってしま ....
薔薇色が
咲くべき場所は
薔薇のなかだから

薔薇色に
飽きたければ
薔薇として咲き誇りなさい

深紅の香も
深紅の刺も
深紅の愛も
深紅の涙も
嬉々として示しなさい
 ....
雪のように
純白ではないけれど
雪のように
この手を
冷えさせたりしないのが
わたしの日々です


埃のように
身軽ではないけれど
埃のように
掃き捨てられたり
拭き取 ....
空いた
椅子の上には
ゆうぐれが降っていて

絵描きになれない風たちは
せめてもの代わりに
言葉を混ぜて
去っていく


取り残された場所に
おそらく施錠は
必要ない
 ....
もう、使わない言葉なら
勇気をもってさ
捨てましょ
ぽいって

昔はよく使ったんだけどな
なんて感傷にひたって
夕日のなかで微笑んで
捨ててしまいましょ





 ....
あの灯りのなかに
いつかの僕たちがいる

迎えるでもなく
さよならでもなく
あの灯りのなかに
懐かしい日がある

見えないものに
この目を輝かせる僕は
いつかの日々の
星 ....
{引用=

一 はじまり


夜が
輝きはじめると
色彩は、
狂う

黒く
黒く、

生まれ変わっている
ようにも
見える



月は
今夜も
あかるいけれど ....
どうすれば眼からビームが出せますか
おでこじゃなしに
ポーズもなしに



とりあえず使い捨てでも結構です
翼をくださいお古で良いので



目に見えぬ宝があると云う ....
バス停は
しずかに濡れていて

時刻表には
ブレスの箇所が
しるされていて

そこにあるのは
文字ではなくて
数字でもなく


声は
とっくに
無力なのでした
 ....
さびれた町だけど、さ

コンビニ袋なんかを
シャリシャリいわせて
きみと歩いて、さ

きょうのことを
懐かしく思う日が
来るんだろうな、
って



真夏のくせに
 ....
泣いてもいいから

どうか
自分を傷つけないで



わからなくても
いいから

わかろうと
しなくてもいいから

どうか
しあわせに



 すべてが見え ....
{引用=




一 花の身軽さ



花弁のような裸体になって
柔らかくも冷ややかな
草むらに横たわると
この黒髪は
匂いに濡れる

花咲く野辺には
見つかりがたい陰 ....
水の
こぼれ落ちる音が、すき

みずしらず、な
はずもないのに

わたしはまったく
かなしいさかな



水が
なくのを
聞いたことがない

そのくせ
わたし ....
できるかぎりの優しさで
息をおくって

あざやかな
卵のひとつひとつに
そらを託しました


そうして
いかにも幸福そうな
幽閉は

繊細に
消えるのでした

 ....
灯台の
岬で

風が吹いたら
きみは
揺れる

髪も
すそも
きれいにつれて
きみは揺れる

それは
取るに足らない一瞬だけど

きみにまつわる
ささいなすべて ....
言いかけて、
やめた

そしりも不平も身勝手も

言いかけたから、
耳が困ってる

はっきりとは
もちろん聞いていない

でも、
ぼんやりとなら
聞いた気がして
耳 ....
空から降りた
この雨の

いつ、を
えがこうと
わたしの自由

だから
わたしも
あまり多くを
気にかけないで

雨に
ふられる

ふれ、られる



  ....
夕日が
あたたかい、だなんて
思わない

ぼくがすきなのは
夕日のいろで、

物悲しそうに
かつ、凛々しそうに
ぼくのすがおは
許されている

そんな確信が、
ある

 ....
すっかり消えて
しまった
あとに、

思い知らされる
こころ細さがある


あれは
たいせつな
灯りであった、と

ちいさく震える
夜がある



 通りには ....
{引用=


一 送電線


夕立のあとは
すっかり晴れて

青と
朱とが
きれいに
混じる

送電線には
数羽のからす

もうじき
日没後には
からすの色は
 ....
たわむれが
咲いて、
さい


羽のかたちで
だまりこくって

子どもはそれを
真似して
つづく



 いのり、だね

 放つかたちの
 閉じない
 ひ ....
ぼくのより
きみのが多いなぁ
っていう争いは
とても大切

その争いが
大人になっても続くなら
困るけど

争いのための
はんぶんこだと
困るけど





 ....
草木のゆれる
その方角に
わたしはときを聴いている

これまでを悔い
これからを問い
わたしは巧みに
たじろいでいる



雲のちぎれる
その方角に
わたしはことばを ....
はてしなく
広がるものは
絶望、に他ならないから

おねがい、天馬
そのたてがみに
一度でも揺らせて
ぼくの
名を


命中しがたい
銀の矛先
大鷲の
視線

 ....
青空から
おそわった言葉を
思い出せずにいる横顔を
やわらかく演じたら、

気まぐれな風たちの向こうに
緑はあふれて、
揺れている



 たいようを
 描きつづけるこ ....
千波 一也(758)
タイトル カテゴリ Point 日付
ガラス戦争自由詩8*11/9/16 19:26
逃げ道を照らせ自由詩9*11/9/15 19:45
ほほえみ くすり自由詩3*11/9/14 19:50
やさしい人はどこですか自由詩4*11/9/13 23:06
◆雲のまにまに短歌5*11/9/13 17:05
メロウ自由詩3*11/9/12 18:51
薔薇色自由詩5*11/9/11 23:55
積もらない日々自由詩7*11/9/9 14:32
埃まみれ自由詩20*11/9/8 14:58
言葉の日々自由詩2*11/9/5 20:17
ゆく夏に自由詩6*11/9/4 8:03
小詩集【すべてはとうに月でした】[group]自由詩6*11/9/2 15:49
◆ないものねだり[group]短歌4*11/9/2 14:50
両生類自由詩6*11/9/1 20:32
星屑みたいな夜に[group]自由詩4*11/8/31 19:12
泣いてもいいから[group]自由詩3*11/8/30 19:47
小詩集【花鳥風月】[group]自由詩6*11/8/29 20:20
かなしいさかな自由詩6*11/8/28 22:24
しゃぼん玉自由詩5*11/8/27 18:01
風が吹いたら[group]自由詩4*11/8/25 11:01
耳かきがすき[group]自由詩2*11/8/24 10:48
遠近法自由詩2*11/8/23 20:24
わかりやすいうた自由詩4*11/8/22 16:38
ともしび自由詩5*11/8/21 20:23
小詩集【流星たちの夜】[group]自由詩3*11/8/20 19:28
水の枝[group]自由詩5*11/8/18 21:19
はんぶんこ自由詩5*11/8/17 17:43
その方角に自由詩5*11/8/15 12:08
天馬自由詩3*11/8/14 1:27
窓越しの嘘自由詩7*11/8/13 12:29

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