この島はタツノオトシゴに似ていて
龍の系譜に連なっていた

大地に走る雷鳴が走り
銅鑼が鳴る
人々は狂騒し
天地に祈る

龍に連なる人々は
哀しみを喜びに変えて
またひとつ
慈愛 ....
彼らはゲームを楽しんでいるのではない
生きるために餌を追い求め
真剣な勝負をしているのだ

魚食をあまり好まないUSAをそのまま飲み込むことで
何となく格好良くなりたいのか知らないが
刺激 ....
こんなにも
ぼくが自分に対して暴力的だったのか知らなかった
刃を腹に突き立てようとした
あの頃

ぼくは海岸線を彷徨っていた
何処まで歩いても終点は見えなかった
どうして良いのか解らずに ....
死ねば罪はチャラになると人は言う

そんなこたぁない!
オレはいったいどれだけの罪を犯してきたのか
自分だけは知っている

幼い頃
虫メガネで蟻んこを焼き殺したことも
カエルを壁に投げ ....
もう何年前になるか記憶は失われている
アルバイトをして夢を叶えた
マニュアルの一眼レフカメラの感触は
ぼくにとってダイアモンドの輝きを放っていた
モノクロの光と影の余韻がたまらなく
刹那の瞬 ....
雨に閉ざされる
時がくる
カエルは喜び
人は憂鬱になる

夏はまだかと愚痴り

夏が来れば
汗をかいて
また愚痴る

お前は五月が好きだと言い
俺は十一月が好きだという

 ....
永遠を旅する人は
時計という余計な物は持ち合わせていなかった

通り過ぎてゆく
傍らの花や青葉や
水や石を瞳に映し
旅を続ける

旅人の血液は
青く透明で
鼓動も無く
さらさらと ....
蕎麦すすり独り咳する

塩を舐め焼酎あおる

冷えたおでんに眼を落とす

水飲むカエルと酒あおるわれ

琥珀の水に深化する刻
次第に近く聞こえてくる潮音が
夏の間近にやって来た
汗ばむうなじをフェイスタオルで拭きながら
海沿いの路をトボトボ歩いて
バス停近くの
紅い暖簾の中華そば屋にたどり着いた

一息吐いて
 ....
山の彼方の遠くから
ほら貝と鈴の音が聞こえている
白装束に包まれ
神妙と横たわる私を
私は見た

父母の往ってしまった世界からではなく
中空の狭間に漂って
その屍を見ただけのこと

 ....
てのひらに転がる
大粒のガーネットは
何処からやって来たのだろう
静脈血のような深い色を湛え
ぼくの手のひらを転がり
グラスの縁を回り
ぽとりと
奈落に落ちた

失われた少女のように ....
琥珀の一滴が今夜を満たす
疲れ果てた肢体に染み込み
長い眠りに就いていた樹液の色が
今日一日の出来事を慰めてゆく

狂乱と協奏と競争に埋もれ
喘ぎながら走り続けたのは
何時からなのだろう ....
オレンジ色の弾丸が胸に突き刺さった瞬間
例えようのない
熱さを感じた

もう おしまいという感覚が全身を駆け巡り
明日の夢を失った

ダダダダン!
ダダダン!

マシンガンがさく裂 ....
鮎は一年

人生80年
較べてみても変わりはない
それぞれの生を営み
生まれては
滅んでゆく

今は花咲く季節
若葉の繁る季節

人は眩しい季節を迎え
若さを取り戻し
夏を越 ....
その瞳
若葉を追いかけ
揺れていた
琥珀に映る
車窓の眺め
カツ節削り祖母想う 酔い酔いて
暗い夜道を
たどる路
忘れた家の
足どり重く
血脈に流れる記憶の底に
空想の龍とドラゴンが息づいていた
微かに忍び寄る恐れと豊穣を願う龍
恐れの象徴であるドラゴンは
同じ穴のムジナなのだ

畏敬を仰ぐか
恐れを抱くかは
それぞれの ....
其処は絹の路といわれた白骨街道
東から西へと千里を越えて
一か八かの夢を叶えるために
死を賭して人々は砂漠を越え
オアシスで葡萄と瓜で渇きを癒やし
伽羅とミルラと乳香と白檀に癒され
人々は ....
滝壺の向こう側にその世界は在った
とうとうと清らかな水が流れ
樹々には瑞々しい木の実がなり
人々は思い思いの楽器を鳴らし
踊りながら行列を成していた
ぼくはあっけにとられ
立ち尽くしている ....
反省は
誰にできても
戻らない
英霊の
影にひれ伏し
われはいま
幾歳生きて
歓びをしる
白銀の
刃がきらり
輝いて
わが腹さばき
懺悔する夜
旅立ちの帆が昇り
出発の銅鑼が鳴る

水杯きを傾けた朝
友と
一言を交わし
指を握り合った

私の行く先は誰も知らず
遠く
遠く

銅鑼の音だけが響いた
千里の彼方まで往くの ....
遥かな青い空の彼方に羽ばたいてしまった
ぼく…
もう其処には還れないのだと想った
鋼色の群青色に吸い込まれ

旅立ったからには
もう帰還は許されないのだと

それは私の罪

そして ....
この二日間
帰宅せず
妻を心配させた

彷徨い
歩き続け
ようやく帰宅

久々に妻と飲み
帰宅を祝った

有り難い喜びの言葉に涙を流し
深まる愛情に涙を流し

明日を占う
眠れない夜には
そう
静かな音楽が必要になってしまう
それでも今夜は眠れない

月が満ちて
ゆっくりとしていても
アルテミスの歌が美しくとも
眠れない夜は
どうしても眠れないのだ
 ....
薄い膜に守られ
厚い筋肉に守られた血液が
身体の中心に存在している
肋骨に覆われ
100年の鼓動を約束する存在の原点なのだ

西洋のハートは心臓型をもろに示しているが
この国ではおにぎり ....
薄い膜に守られ
厚い筋肉に守られた血液が
身体の中心に存在している
肋骨に覆われ
100年の鼓動を約束する存在の原点なのだ

西洋のハートは心臓型をもろに示しているが
この国ではおにぎり ....
レントゲンに映る骨格の美しさ
CTスキャンの的確さ
MRIに描かれたデッサン
内視鏡のリアルな映画
どれもこれも
何とも言えず美しいのだ

ぼくが外見的に美しいとは言えないけれど
素粒 ....
レタス(870)
タイトル カテゴリ Point 日付
列島自由詩216/6/9 21:54
キャッチ&リリース自由詩2*16/6/9 17:39
巡礼自由詩416/6/6 21:40
大罪自由詩116/6/6 19:42
夏待ち自由詩416/6/6 19:02
親子自由詩416/6/5 3:39
旅人自由詩216/6/5 1:32
五首俳句116/6/4 9:59
葬列の午後自由詩416/6/2 18:17
死顔自由詩116/6/1 18:06
珠玉自由詩316/6/1 0:10
黄金曲自由詩216/5/31 23:30
命終自由詩116/5/30 19:27
自由詩4*16/5/29 20:35
少女短歌216/5/28 3:25
朝餉俳句016/5/28 2:52
家路短歌116/5/28 2:26
記憶の底自由詩116/5/28 2:12
シルクロード自由詩216/5/27 23:06
まほろば自由詩216/5/27 22:47
俳句0*16/5/23 0:05
鎮魂短歌016/5/22 23:59
桜花のもと短歌016/5/22 23:50
航海自由詩416/5/22 23:34
群青自由詩216/5/22 23:10
帰還自由詩116/5/22 22:59
忙中閑自由詩316/5/21 1:05
おむすび自由詩116/5/20 23:15
害虫自由詩3+16/5/20 20:04
美学自由詩5+16/5/18 22:38

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