夜の{ルビ静寂=しじま}に独り遊びは慣れている
悲しみと 愛しさの狭間でウイスキーをあおり
君を待つ秒針だけが過ぎてゆく

期待と不安がよぎる交差点
ヘッドライトだけが過ぎていく

ぼく ....
何故… 何故…
君は其処にいるの?
遠くて
遠くて

いまはまだ届かない

水上飛行機のプロペラを回していけば
すぐなのに

いまは鍵を持っていない

予感が{ルビ奔=はし}る ....
鯛       花は桜いろ
サワラ     甘やかなピアノのメロディーは
赤貝      血潮の香りが胸を刺す
はた      深く広がるハーモニー
つぶ貝     彼方を眺め噛みしめる
え ....
バリバリと
マヨをかけては
レタス食う
ほとり ほとりと
冬の 路

ぽつり ぽつりと
{ルビ詩=うた} {ルビ謳=うた}い

ほろり ほろりと
{ルビ啼=なき}き 濡れて

おーい おーいと
友を 呼ぶ


枯れ ....
行きゆきて
独り旅路の
白い道

蝉しぐれ
岩の清水を
手にすくう

笠あおぎ
入道雲に
息をつく
酒仙には
届かぬ想い
身に染みて
今宵も酒に
この身漂う

酌み交わす
友はひがしの
月眺め
涙ながして
望郷を詠む

{ルビ喧嘩=けんか}売る
李白の瞳
青々と
草原{ ....
ほら、見てごらん
指先が少し光っているよ

表情のない肖像画が呟いた

ベランダに出て
夜空に透かしてみたけれど
少しも光っちゃいない

ん… 指が石化している
でもキーボードを打 ....
寄せ鍋の
湯気にけむりて
友どちが
近況かたり
夜は更けゆく
いまは無い
おでんの屋台
何処いった

焼き鳥の
匂いが誘う
帰り道

チャルメラは
スピード上げて
走り去る

もつ煮込み
野菜だらけで
吐息つく

コンビニに
行 ....
私は{ルビ開襟=かいきん}シャツを着て
路地を左に曲がり
ズボンのポケットから白いハンカチを取り出して
首筋を拭ぐった

家の山茶花の垣根から
{ルビ割烹着=かっぽうぎ}を着た妻がアイロン ....
午前0時を過ぎると
オレは変貌してしまう
コウモリも寝付いた夜に
静かなBARをさがし
街を彷徨い歩く

眠れない連中は
タンゴを踊り
歌をうたい
さかんにキスをする

オレはゲ ....
舞い落ちる
木の葉をそのままに
冷えた肩を抱きしめた

さてと

フリーウェイを飛ばして
海へ行こうか
山へ行こうか

そこにはいまだ見ぬ君がいるかもしれない

冷えたエンジン ....
酔い覚めて
一杯二杯
もう一杯
青い空
西から東
雲がゆく

干し柿の
甘きとろみに
母想う

眠れない
夜の薬は
十二錠
酔い酔いて
ひとり旅ゆく
枯れた道
天竺の行者は言った
無量大数よりも大きな数字を
ガンジスの砂を感じながら
無数を解いた

今もスーパーコンピュータで円周率を計算しているが
果ては無い
無駄なのだ

この宇宙の果てに ....
人は原初からあらゆるものを食べていた
等分に命を屠り
そして天に感謝と畏敬を捧げた

或る人らは動物性蛋白質は採らないと叫び
植物には痛みは無いと
その生命を己の肉体に採り込む

欧米 ....
その殆どが酒精から生まれたものだった
酔えば酔うほどに覚醒してゆく
泥のような言葉を吐きながら
失われた月を待つ
皆の文字列だけが俺を照らし
涙を拭いてくれる
こんな幸せなど無いこの部屋で ....
覚醒と昏睡のはざまでウオッカをあおった
深海にゆらり ゆらゆらと漆黒を彷徨いながら
エルドラドを求めて沈没船の古地図を探した

否… それは既に此処に在る
言霊の山だ!

ナンバーワンを ....
あまりにも静かだ
軽い欠伸をし
目蓋を開けると
まゆの中に横たわっている
それは刹那に消えた

暖かい
そよ風が柳を揺らし
水面には睡蓮が浮かんでいた
ウスバカゲロウが無数にふわふわ ....
黄昏に
金の雨降り
幼子へ
みどりの壺に
骨を入れよと

泥沼に
もがき苦しむ
指先で
届かぬ糸を
手繰ろうとする

ブランコを
二人でこいだ
姉さまは
浴衣すがたで
 ....
今夜は独りウオッカをあおっている
他に客はいない
棚に飾られた真鍮の潜水ヘルメットを眺めながら
海の歌をくちずさむ

ララル ラララルララ~ ラララ…

何時だったか
黒いドレスに赤い ....
まどろむ君のてのひらに
ワイン色のガーネットの大粒をそっと転がした

ぼくたちの明日はどうなるのか占う

危うい…

ぼくたちの関係はとても微妙で
紙一枚でやっと繋がっている

君 ....
今夜は君の言葉が妙に沁みる
何時も暖かかったり
冷たかったり

眠れないぼくは
あっちに行ったり
こっちを行ったり

何時も君は
ぼくの部屋にルビーのピアスを置いてゆく

無口な ....
東の風が吹いていた
醤油工場から醪(もろみ)の匂いが漂う路地
ぼくはスニーカーの紐を堅く締め直し
重いザックを背負い直した
遠くに行ってしまう前に白い灯台を訪れたかったのだ

乗客は三人だ ....
光と闇
有と無
生と死
男と女
出会いと別れ
プラスとマイナス

それらは刹那と那由多に螺旋を描き宙を舞う

遠い過去から遠い未来まで
縁は空の先まで永遠に続いて往く

今頃お ....
どんなに立派な人でも
どんなに美しい人でも
それはガン細胞かウイルスでしかない
仮面舞踏会のように
知って知らずか
浮かれて生きている

何処かで聞いたのは
人は皆 うんこ製造機だと… ....
静かな夜に独り酒をあおり
訳のわからぬ経を読み
華を散らし
伽羅を焚いた

想い人に手向ける夜だ
今となっては届かない俺の声は夜空に消えてゆく
あの時
こうあれば
ああすれば良かった ....
水はぼくという暗闇を通り過ぎていく
空気もぼくの暗闇の中で膨張したり縮小したりする
太陽と月の関係のように
光と影の螺旋は何処までも続く

独りで生まれ
独りで死んでゆく
生まれることは ....
レタス(870)
タイトル カテゴリ Point 日付
Too far away自由詩6*23/12/25 0:43
夜間飛行自由詩4+*23/12/24 0:37
寿司【改訂】 自由詩12*23/12/23 13:35
共喰い川柳4*23/12/22 21:24
季節の中で自由詩6*23/12/21 22:56
芭蕉のオマージュ俳句3*23/12/20 1:03
李白のオマージュ短歌1*23/12/20 0:36
ある肖像画自由詩11+*23/12/19 23:39
忘年会短歌1*23/12/19 0:28
お腹が空いた俳句5*23/12/19 0:11
幼い頃の夢自由詩3*23/12/18 23:21
ピアソラのオマージュ自由詩4*23/12/18 0:57
予感自由詩3+*23/12/17 0:59
忘年の夜俳句3*23/12/16 2:39
随想俳句5*23/12/14 21:52
冬の旅俳句4*23/12/14 1:06
地に平和を自由詩9*23/12/14 0:03
供養自由詩5+*23/12/11 23:55
午前0時自由詩4*23/12/10 23:56
黄金郷自由詩3+*23/12/10 23:03
午睡自由詩3+*23/12/10 15:58
五行歌 白日夢自由詩4*23/12/8 6:28
石の花自由詩623/12/6 0:15
珠玉自由詩623/12/4 22:52
書簡自由詩523/12/4 2:10
地の果て自由詩923/12/4 1:02
妹へ自由詩423/12/2 19:29
盗人自由詩2*23/12/2 4:10
夜の旅路自由詩923/12/2 1:52
夜想自由詩220/1/27 0:51

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