航海
レタス

旅立ちの帆が昇り
出発の銅鑼が鳴る

水杯きを傾けた朝
友と
一言を交わし
指を握り合った

私の行く先は誰も知らず
遠く
遠く

銅鑼の音だけが響いた
千里の彼方まで往くのか
戻れない不安を抱き
涙が止まらなくなってしまった

男なら
どんなことがあろうとも
泣くなと言った母の心を胸に
未だに誓えない私は不完全のままに過ごしていた



さぁ!
往こう
銀河の彼方まで

何も恐れることはないのだ
人は誰もみな一方通行の路を辿るのだから

何も恐れることはない



自由詩 航海 Copyright レタス 2016-05-22 23:34:22
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