もげた螺旋階段
灰泥軽茶

川沿いを歩いていると
色鮮やかな
もげた螺旋階段がくるりと横たわっていた

私は危ういバランスを保ちながら
登ってみると
先に透明色の螺旋階段が伸びている

そうっとゆっくり
どっこいどっこい

どこまでも階段は続き空は広く眩しい
少し休憩をしながら街並みを眺めていると
そこはどこだかの大きなニュータウンの屋上

小さな子供がたくさん集まっていて
何やら騒がしい
手に手に賑やかな風船を持ち
ひょいひょいと飛び込んでいき
渡り鳥のように
わしゃわしゃと飛び立っていった

私はあんな風に飛んで行けたらいいなと
よいしょっと
また一段上に足をかけると
川沿いに芝生の上にどてっと転げ落ちた



自由詩 もげた螺旋階段 Copyright 灰泥軽茶 2013-01-04 01:38:40
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