むしゃりことば
灰泥軽茶

街を歩きながら

スナック菓子の箱を開けて

袋を破いて口に放り込むように

雑踏に落ちていくことばを拾い上げ

軽くて浮いていることばをつまんで

ひょいっとむしゃりことばを噛むと

美味しくて

誰かの淡い情景が匂いとともに頬を撫でる

横断歩道を渡る

子供たちは笑いながら言葉を膨らませては

ちゅういちゅういと吸い込んでいるから

私も胸を膨らませては

ちゅういちゅういと吸い込んでみると

何だかとても楽しくなって笑った




自由詩 むしゃりことば Copyright 灰泥軽茶 2013-02-09 01:59:46
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