箱の中に妖精を飼っている、と男は言った。
 男が言うには、妖精には性別はないのだそうだ。
 そんなことを書いている文献もしらない。妖精がどういう姿なのかも知らない。
 男は歌うように言う ....
 
 
 雨を
 風を
 君は無情と例えたが
 ごらん
 あんなにやさしく美しいものはないじゃないか
 ゆうべの雨が
 ななかまどの葉をすべて攫ってしまい
 衣をはぎ取られた枝が艶め ....
 小さな喫茶店である
 余りにも小さすぎて
 見落としてしまいそうなそういう場所を
 隠れ家と呼んでいた
 隠れ家にはたった一つだけ揺り椅子があった
 その椅子は
 誰のものでもなかった
 ....
少し遠いところで
子供たちの声がしている
 
日陰に座り
そして黒い日傘をさして
何を遮断しているのだろうか
あの女性は
 
蝉の声が喧騒よりも
むしろ静寂を呼んでいる
身動きもせ ....
 
大地に抱きしめてほしいとでも
本当は思っているんでしょう
 
浸透して一つになろうと
あがくかのように
わめいて
わめいて 
冷えた空気を裂きながら
次から次へと涙をこぼして
 ....
裕樹(5)
タイトル カテゴリ Point 日付
妖精散文(批評 ...310/11/29 14:52
輝きの残骸自由詩810/11/9 13:33
椅子自由詩2*10/11/5 16:49
自由詩3*10/8/6 9:11
冬の雨自由詩007/11/20 11:26

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