冬の雨
裕樹

 
大地に抱きしめてほしいとでも
本当は思っているんでしょう
 
浸透して一つになろうと
あがくかのように
わめいて
わめいて 
冷えた空気を裂きながら
次から次へと涙をこぼして
そんなに何が悲しいのかと
問うてもあなたは
答えないのでしょう
 
ほら
ごらんなさい
私の指先の体温を奪って
地面へと逃げていくあなたのかけら
 
夜になったら凍りついて
地面と一つになれなかったことを
後悔するんでしょう




自由詩 冬の雨 Copyright 裕樹 2007-11-20 11:26:11
notebook Home 戻る 未来